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日記一覧

Kei
Kei日記
2021/07/04 19:00[web全体で公開]
😶 同じシナリオをまたプレイする重みについてのお話
ご機嫌よう。

これまでも何度か申し上げております通り、わたくしは基本、同じシナリオは二度とプレイしません。

なのですが。

現在進行中のCoC7のキャンペーンは、20年ほど前に全く別のファンタジーTRPGで失敗したシナリオをベースにしております。こねくり回して、全く別のお話になっていますが。これには、あのお話をもう一回キチンと描きたい、というモチベーションがございました。わたくし歴だけは無駄に長く、多くのシナリオやキャンペーンのGMをして参りました。まあ、ほとんどのキャンペーンは未完のまま放棄されているのですけれど、その、無駄に長い歴の中で、唯一心残りだったシナリオ、後にも先にもただこれ一つだけ、を作り直しました。

これはわたくしの想像ですが、みなさんには「唯一の心残り」になるようなシナリオってないんじゃないかと存じます。10以上のキャンペーン、100以上のシナリオを(中には未完のまま放棄するものがあるにせよ)こなして、それで心残りになるお話って。

いまだったらもっと上手くできる、とは少々違うのですよね。20年、30年という期間、ずっと心の中に刺が残り続ける、それだけの期間が経って、やっともう一度描こうと思えるようなお話。

唐突ですが、わたくし、ジージ・マクドナルドという作家がとても好きです。非常に大きな影響を受けたといっても過言ではないのですが、壮年期に「ファンタステス」、晩年に「リリス」という、非常に似たテーマのお話を残しています。この二作品は本当にとても好きなのですけれど、わたくしにとっては、かつてのファンタジーTRPGのシナリオが、わたくしにとっての「ファンタステス」で、いま完成させようとしているのが、わたくしにとっての「リリス」です。

いえ、それは大言壮語が過ぎますね。あれほどの偉大な作品の足元にも及びません。それでも、わたくしにとっては、同じシナリオをもう一度持ち出すというのは、そのくらいの意味があることなのです。

(ナラティブ系については文脈が変わることがございます)
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Kei
Kei日記
2021/06/27 17:50[web全体で公開]
😶 GMは保育士ではございませんの、という例
ご機嫌よう。

とあるエントリを拝見しまして、コメントしようかとも思ったのですが、荒れそうな予感がしましたのでこちらで書きます。

最強ビルドって麻疹みたいなもので、システムに慣れ親しんでくると、誰もが一度は通る一時的な病かと存じます。まあ、いつまで経っても最強ビルドを追い求める蒙古斑が消えない方もいらっしゃるのでしょうけれど。

最強ビルド本当に意味ないですよ? それに合わせて敵も強くなるだけですから。TRPGでは無双とかできませんよ? そうしたいなら別のゲームの方が向いているかと存じます(まあ、それを許してしまうようなGMの方もいらっしゃるのでしょうが)。

さて。

鶏を捌くのに全員がチェーンソーを持ってきたというなら、お話は簡単です。鶏をそれだけ強くしてしまいましょう。

ですが、往々にして問題になるのは、チェーンソーを持ち出すような脳筋がいる一方で、折り畳みナイフしか持っていないような、これまた別の困ったちゃんが、パーティーには混在してしまうということです。卓が荒れる原因になります。

GMが戦闘バランスを調整できるって簡単に言いますが、最強ビルドに合わせたらロマン派が即死(どうせ最強ビルド派はロマン派を庇ったりしないでしょうし)、ロマン派に合わせたら最強ビルドが瞬殺、この場合の「適切なバランス調整」ってなんでしょうね? どうしたってどちらにも不満が残る仕事をGMに押し付けてますか? まあ、わたくしでしたらね、ステージを分けてしまいますね。

もしもGMが事前に告知して、ほとんどの方は骨スキ包丁なのに対して、一人だけチェーンソーだとしたら大いに問題です。特にこの脳筋が俺TSUEEして他のPL/PCを批判した場合。

卓は幼稚園ではありませんし、特に、図体だけ大きくなった困った大人というか精神的には幼児の面倒を見る場所ではありません。GMは親でも保育士でもありません。

この辺が、もともと信頼関係が構築されているわけではないオンラインの野良募集の難しいところの一つなのかな、とも感じております。GM側の意見としては、そんなに窮屈な制限をつけたくない、という気持ちもあるかと存じます。

それと、2021年にもなって、システムや世界の側からは何のフォローもないんでしょうか? 人類がまだ洞窟で壁画を描いていた頃、そのころはCD&Dとかが遊ばれていて、HP1のマジックユーザーとかが即死してしまう問題とかありましたが、結局その頃から何も進歩/進化していないんでしょうか? という気持ちでいっぱいです。
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Kei
Kei日記
2021/06/26 14:40[web全体で公開]
😶 ルールブック再読:翠緑のフローリア
ご機嫌よう。

今日読み直すのは、英語版のKickStarterが始まった「翠緑のフローリア」です。ええ、ええ、またしても同人TRPGです。最近ちょっと同人TRPGが面白いと思っております。

ともあれ。「翠緑のフローリア」は、ゆるふわ森ガール魔法使いのスローライフほのぼの日常系TRPG……なのかしら。確かそういう触れ込みで購入したような気もしますが、違っているかもしれません。ではルールを読んでみましょう。

シナリオの構造・進行はいまどきのメジャーTRPGらしくフェーズとして定義されていて(各フェーズで何ができるかも決まっています)、その舞台は「迷宮キングダム」のような感じで4x4のマスで表現されています。ふむふむ。

などといったことよりも、ずっと目を引くのは魔法のルールでしょう。

キャラクターシートに方眼紙がくっついていまして、キャラクターはシナリオを進めながら(つまり、舞台を移動しながら)魔法脈という魔法のもとになる力を集めます。これは図形として表現されていて、取得した魔法脈は方眼紙の(条件を満たした)好きな場所に書き加えることができます。このとき、拡大・縮小はNGで、回転・反転はOKです。こうして方眼紙にはたくさんの線が引かれますが、魔法を使う際には、これらの線に囲まれた三角、四角、頂点で隣接した三角(リボン型など)、星形をコストとして消費することになります。

ダメージもまず方眼紙上に表現され、そのマスに書かれていた線の数がダメージになります。

うぅん、文章で要約しようとすると意味不明になってしまいますかしら。実際にはとっても簡単です。この魔法ルールのアイディアは良さそうに思えますし、遊んでみたいですね。

一方で、世界観の説明などもとても素敵なのですが、データ表現は世界観と若干ミスマッチを感じたりもします。そのデータも圧倒的に少ないので、今後サプリメントなどが出ることを期待してしまいますね。
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Kei
Kei日記
2021/06/26 01:58[web全体で公開]
😶 ルールブック再読:ステラーライフTRPG
ご機嫌よう。

久しぶりに、ろくに読んでなかったり、遊んでなかったりするルールブックを読み直してみるシリーズです。今回は「ステラーライフTRPG」を取り上げます。

ステラーライフTRPGは、星々の海を旅する系のSF TRPGです。この分野には「トラベラー」という偉大すぎる先駆者がいまして、どんな違ったアプローチがあるのかといったところが個人的な注目です。とはいえ、トラベラーの日本語版はもはや入手がほぼ不可能な類なので、このジャンルの新作というだけでも価値があるかと存じます。新作といっても2019年の作品ですが、専門店や通販では普通に入手可能なようですので。

まず、どうしてSFが、特にこういった星々の海を旅する系のSFがTRPGとして成立しにくいのか、というお話をしましょう。

それには、実に簡単な理由がございます。ずばり、自由すぎるからです。オープンワールドなシナリオというものは、往々にしてPLが予想外の方向に向かってしまうというのは、GMのみなさまは経験がおありでしょう。逆に、PLのみなさんは、自由すぎて何をしたらいいのか分からなかったりするのではなでしょうか。さらには、PLのみなさんには、GMが意図したストーリーから外れる十分な理由があり、それができるだけの自由もある、といった場合もございますね。

トラベラーの時には、これはもう本当に重大な問題でしたし、それだけの宇宙を描くだけの度量のあるGMも十分にはいなかったかと存じます。

ステラーライフTRPGでのアプローチは、興味深いものです。

一つは、いまどきのTRPGらしく、シナリオを型に入れてしまうということです。ただ、ステラーライフTRPGの場合は、いくつかの要素を選んで組み合わせるという方式になっています。こうすることで、ある程度のGMの意図を許容しつつ、全体の自由度は下げているのかしらん。ただ、要素ごとに個別のルールがありますので、若干注意が必要と申しますか。

また、判定方法も面白く、PCは同時に複数の行動を行うことができ、予め決められた数のダイスから、それぞれの行動にいくつを割り当てるのかを決めるという方式です。実際の判定は、割り当てた数のダイスを振って、成功の出目がいくつあるか的な、WoDシリーズとかの形式に近いといえば近いかもですね。

キャラクター表現などは、今時っぽいクラス/アビリティ制ですし、SFらしく宇宙船を作る的なルールもございますが、フレーバー的に装備を選ぶだけみたいですので、手軽じゃないかしら。

これから星々の海に踏み出そうという方には、その第一歩として良さそうに感じております。
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Kei
Kei日記
2021/06/19 20:17[web全体で公開]
😶 「正しいルール」についてのお話
ご機嫌よう。

GMの裁定が全てに優先するですとか、他の卓での裁定について口出しすべきではない、というのは全くその通りかと存じますし、そういった啓蒙も必要かと存じます。

ただ、わたくしはその言い方、そういう啓蒙が、受け身だなっていう印象も受けています。

それよりは、またはその前提としてかもしれませんが、「正しいルールという概念はモラハラに陥りやすい」ということを認識すべきかと存じます。
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Kei
Kei日記
2021/06/19 17:03[web全体で公開]
😶 ついにルールブックが棚から溢れましたわ
ご機嫌よう。

RQ:Gの巨大な箱から始まって、そして、TRPG再開したこともございまして、棚のTRPG占有体積が徐々に増えてきていましたので、これまでも何度か棚の整理をしてきたのですが。

ついに、これ以上どうにもならない状況になりました。つまり、収まり切らなくなりました。本の上に本ですとか本の前に本ですとかといった悪行にはとっくに手を染めておりますし、壁一面棚にも、とっくになっております。とりあえず、現在CoCキャンペーンが進行中でルールブックを参照することも多いことから、CoC7は棚での居場所を失いましたが、来月には新サプリメントも出ることですし、どうしましょ。さらに来週にもルールブックが一冊届く見込みですが、もはやどうやっても棚に入りません。

現場からは以上ですわ。
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Kei
Kei日記
2021/06/19 00:21[web全体で公開]
😶 キャンペーンも折り返しですの
ご機嫌よう。

CoCキャンペーンの5回目のセッションを終えました。あとはお話を畳んでいけば、キャンペーンは完結する……筈でしたが、ちょっとそういう風に見えないですね。どうしたらお話が終わるのか、全く見当も付きません(。

というか、性懲りもなくまた個別チャットで同時ナラティブ進行などしましてしまいました。個別チャット同時進行のとても頭を使う感じが病みつきに……楽しいので、GMの方はお試しあれ♪(。

そして、予定ではあと3回のセッションを残していますが、二人ロストが確定しました(。

とはいえ、今回は(またしても)「早めに終わらせてください」と当日になってお願いされまして……。今回用意したシナリオも途中で区切れるようにはしていません。ので、もはや定番になった感じのするカット&要約をしました。今回はシーンカットに当たって、PLに「あなたが何をしたら○○になるかお話を考えてくださいね、5分で」などというお願いもしました。

ところで。何やら色々と試しているように見えるこのキャンペーンですが、実際のところ、これまでの5回のセッションで描いたのは、要約すると、異様に大量の花々が咲いていてその先から声が聞こえる、というだけです。神話生物などは一切出てきませんし、アーティファクトもありませんし、カルト教団などもありません。クトゥルフ神話……? 仄かしてはいますが、それだけです。

ともあれ、今日はわたくしのミスも多く、シーンの順序を間違えたり(順序に意味がございました)、個別チャットで誤爆するなどという大事故もございました。ちょっとはしゃぎすぎましたわ。
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Kei
Kei日記
2021/06/18 20:34[web全体で公開]
😶 テキストセッションの良いところ
ご機嫌よう。

テキストセッションの最大の利点って、ログが残るとかそういう機能的なことではなくって。いえ、ログが全部残るというのは本当にとても重大なことなのですけれど。

それ以上に、エモエモなあれやこれやがあって涙とか鼻水とかが溢れ出ても、平然と装って「では、〜〜します」みたいにできることかと思っておりますの。
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Kei
Kei日記
2021/06/15 22:19[web全体で公開]
😶 お金になった方がいいですね。でも、それはやめた方が良くないですか? というお話
ご機嫌よう。

わたくしは自分で覚えていないくらいの昔から、石橋を叩いでも渡らない、慎重すぎるタイプだったのだそうです。おかげさまで、いまでは、石橋の隣に鉄橋を建てるようなお仕事をしています(比喩ですよ)。

ところで。

何て申しましょう。TRPGで収入があったらいいですよね。わたくしにだって、そうなったらいいなという無邪気な想いはございます。

けれど、現実はそれとは違いますと申しますか。無邪気にそう信じられるほどには、もう人も世界も信じていないと申しますか。

有償GMの話だけではないのですが、例えばすごいトレーラーとかもございますよね。けれど、極論しますけれど、それって競争の世界ですね。みなさん勝ち残りたいんでしょうか? 勝ち残れると思ってるんでしょうか? 競争相手って誰でしょう? さらに、そういう仕組みの上で評価されることが(評価されるに決まっています)、望みですか? 勝てなかったとしても生き残れるほどの市場がここにありますか? オンセンでだって、参加者が集まらずに不成立になる卓がたくさんあるんじゃないですか?

ところで、今の立ち位置に立ち返るんですけれど。

そもそも、わたくしたちは(ここは主語を大きくさせていただきますが)評価されるためにTRPGしてたんでしたっけ? 個人的な正直な思いですが、もしも万が一、この答えがyesだとしたら、あなたはTRPGなんかプレイしている場合じゃないかと存じます。

なんでTRPGしてるんでしたっけ? 楽しいからじゃないんですか? それって人気GMだから楽しいんでしょうか? 違わないですか? なのに、この競争が始まると……。せっかく手にした総合的な創作の機会なのに、みすみす手放そうとしてるように見えるんです。

もしも万が一人気有償GMみたいな概念が成立したとしても、そこには二つの未来しかないかと存じます。一つは、同じシナリオ専門で予約何ヶ月待ちという世界。もう一つは、こっちの方がありそうかと存じますが、PLも有償になる世界。前者だとしたらGMが飽きておしまい。後者だとしたら、人気有償GMがお金のために組むのは誰ですか? もちろんあなたではありません。当然そうなるに決まってますよね。それってTRPGですか? 違うんじゃないでしょうか?

正直に申しまして、これまでの緩い感じを壊されるくらいなら、これでお金になるみたいな「意識高い」お話はお呼びじゃありませんの。その代わりにわたくしが提案できることは、いいから色々なルールブックを買いましょう、ということです。
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Kei
Kei日記
2021/06/12 01:30[web全体で公開]
😶 こんなに疲れたシナリオは久方ぶりですが
ご機嫌よう。

CoCキャンペーンの4回目のセッションを終えました。これでキャンペーンは半分終わった、はずですの。

ところで、先日「このキャンペーンの演出上いちばん面倒なシーンを終えました」と書きましたが、そんなことはございませんでした。今回は輪をかけて面倒でした。ハンドアウトの選択によって探索者に与える情報がバラバラで、それら全てを個別にコントロールした上で、これまたハンドアウトの選択によって、複数の探索者(全ての探索者ではございません)に同時に与える情報からは、それだけでお話になるようにし、しかも、それぞれ別のお話……。

そして、今回のキャンペーンでは二つの時代を別々の探索者で描いているのですが、異なる時代の探索者に通じる演出なども行っておりまして、しかも、それを見せているのは当の探索者を担当しているPLではなかったりする、という有様です。

さらに加えて、個別チャット同時進行なシーンまでございまして……(想像以上に大変でしたわ)。

えっと、通じますでしょうか? わたくしも、いまいち何を書いているのかよくわかりません。

なのですが、わざわざ(あえて「わざわざ」と書きますが)同時にみんなが集まって遊んでいることの意味を突き詰めて考えたら、こうなってしまったのですね。ズバリ、PLの皆さまにそれぞれ違う印象を持って欲しい。そのために、ハンドアウトやナラティブ、個別チャットなどを多用してみました。

いえ、一応ですが、PLの方々には「やりすぎに感じませんか?」というような確認をしておりまして、「楽しいです」と仰っていただいております。それどころか、むしろ皆さん、わーいここぞとばかりに余計な要素を追加しようとして下さいまして、ありがたいばかりですわ。その結果次のシナリオが更に面倒なことになり、これ予定通りに終えることができるのかしら………。つもりとしては、次回も面倒な(いえ、楽しいですよ。楽しい)要素を盛り込みますが、それ以降はお話を畳まなければなりません。三つのメインストーリーと四つのサブストーリーが同時に並存・進行している(物語についての物語、というメタ的な構造もございます)キャンペーンですが、ちゃんと着地できたらいいな、という気持ちでいっぱいです。

こんなに大変な思いをする必要があるのかしら、というようなことは、いまは考えない方が良いですね。

とはいえ、正直に申しまして、今回試してみたことは、実際にやってみたら、大変なだけで些末なテクニック、という印象を受けていないこともございません(。
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Kei
Kei日記
2021/06/03 02:13[web全体で公開]
😶 データッキーとロールプレイヤーが同卓した場合のお話
ご機嫌よう。

PLの方々には様々なモチベーションがあって、PC表現としては、データ的強さの追求もあれば、ロマン表現(弱いと分かっていてもあえて選ぶ)とかもあれば、まあ、何も分からずに選ぶ場合もございましょう。

それでね。このお話は何万遍も繰り返されてきたと思うのですが。

それでいいじゃないですか。例えばあなたがデータッキー(データ的強さを追求する派)だとして、同卓しているのがロマン派だったら。何か不都合がありますか? ないんじゃないですか? もちろん、GMが事前に条件を提示しているなら別ですよ。けれどそうではないとしたら、同じ強さで殴れないことに、どうして文句を言うのか、わたくしには全く理解できません。全く違うのが、当然じゃないですか?

しばらく以前のエントリで、HRTについてお話しようかしらって書きましたけれど。やっぱりHRTについてお話しましょう。HRTと言うのは、Humility(謙虚)、Respect(尊敬)、Trust(信頼)の頭文字で、ハートと読みます。IT関係の職につかれている方や、ギーク文化に詳しい方なら、何を今更、という話題かもしれません。この言葉はもともと「Team Geek」という本で紹介されました。

さて、わたくしも、問題のあるPLの方は次回以降呼ばなくていいです、などと簡単にエントリに書くことがございますが、問題のあるPL、の前に前提となるお話がございます。それがHRTです。

実は、HRTの原則が守られている限り、そんな問題はそうそう起こらない筈です。もちろん、全くないとは言いませんよ。実際に問題が起こることはありますし、それが身内卓でなければ、話し合って解決するよりも、BANした方が速いし建設的な場合だってあるでしょう。

けれど、これだけオンラインで野良募集が行われるようになると、「合う」とか「合わない」って何なんでしょう? という気持ちになります。多くの人がいう「合う人と遊びましょう」って、どんな意味でしょう。その意味が上辺だけになって一人歩きしていませんか?

ともあれ、HRTから引用します(ゲームの場に合わせて一部表現を改変しました)。

- 謙虚:あなたは世界の中心ではありません。絶対に正しいわけでもありません。常に自分を改善しましょう。
- 尊敬:一緒にゲームする人に思いやりを持ちましょう。相手を人間として扱い、その能力や功績を高く評価しましょう。
- 信頼:自分以外の人は有能で、正しいことをすると信じましょう。

そして、お互いに謙虚・尊敬・信頼していることを前提にしましょう。

言葉にするととても簡単で、自分はいつもそうしているとさえ感じられるかもしれません。けれど、実際にはできていないことの方が多いし、知らない人を前にするとことさら難しくなります。わたくしの経験でも、これはお仕事での経験ですが、自分は完全にHRTを理解して実践していると自称する方が、他の人々の成果を簡単に批判してチームを壊すということがございました。何度かのミーティングを経て、その方がうまく上司に取り入った結果、他の全員がチームから離れました。

そういうことが起こって欲しくありません。では、問題のある行為とは? それは、GM、PL問わず、謙虚でない、他者を信頼しない、信頼を壊すような行為です。プレイ中に自分がが正しいと議論をはじめたり、プレイ後に他の参加者を貶めるような書き込みをする、まさにそれが、問題のある行為です。

もしもですが、もしも万が一、こういったHRTに反する行為までして、卓に合うとか合わないとか言っているのだとしたら、TRPGなんか滅びたらいいかと存じます。
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Kei
Kei日記
2021/06/02 19:43[web全体で公開]
😶 プレイヤーのやり方が分かりませんの
ご機嫌よう。

突然ですが、わたくしはTRPGをGMからはじめました。もちろん、その後はPLで遊んだことはございますし、リレーキャンペーンとかもございました。復帰してからはずっとGM専門で、GMレスのシステムでさえ、PLとしては参加せずにファシリテーションに回ったりしております。ファシリテーションに回るのは時間の都合などの理由もございますが。

それで、これは物議を醸す発言かもしれませんし、わたくしの個人的な事柄ですが、わたくし、PLとしてTRPGが楽しいと思ったことが、実はそんなにございません。楽しかったことは当然あるのですが、これまでのTRPG経験を思い出してみると、楽しく印象深く思い出すのはGM経験ばかり、PLとしては……GMの裁定が不満だったことや、わたくしがGMだったらこうするのになって思ったことの方が思い出されたりします。

こうしてみると、現在進行形でわたくしの卓に参加されている方々って、本当に楽しんでいるのかしら? マスタリングに不満を持っていらっしゃらないのかしら? って不安になります。PLのみなさんは、アンケートでは、楽しかった、続きが楽しみ、期待してます、と仰ってくださいますが。

なんとなくですが、これはわたくしの場合ですが、これまでのGMとしての経験がPLとして楽しむことを阻害している気もしております。わたくしがGMだったら……そんなこと考えない方が楽しめるのでしょうけれど。けれど、それだけでなく、(ナラティブではない)旧来のTRPG/シナリオって、どうしたらうまく楽しくPLできるのか分かりません。

こんなことを書くと、うわーやっぱりGM怖い、近寄らないでおこう……などと、GMするのを敬遠されてしまうかしら? GMの楽しさは、PLのそれとは異なります。やめられません。TRPGに復帰した時にも、GMとして以外の選択肢は考えられませんでした。どこかの募集にお邪魔させていただいて、なんてこれっぽっちも考えませんでした。GM不要なナラティブ系TRPGの存在というか遊び方はその後で知り、楽しそう、遊びたいと思っておりますが。

もっと技術的な言い方にした方がいいかしら。PLの技術って何でしょう? わたくしにはそれが分からないのです。ナラティブ系でしたら分かります。それならGMの技術と重なりますので。
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Kei
Kei日記
2021/06/01 23:43[web全体で公開]
😶 ここがあの悪霊のハウスね、というお話
探索者「ここがあの悪霊の、ハウスね」
探索者「ちょっと、開けてよ、ねえコービット、いるんでしょ? コービット、開けてよコービット!」
(ガチャリとドアが開きました。ですが、チェーンがかかっているようで、少ししか開きません)
NPC「え? なんですか? どなたですか? え?」
探索者「コービット! いるんでしょ! コービット、出しなさいよ!」
NPC「コービット?」
探索者「ウォルター・コービット!」
NPC「ウォルト……? えっちょっと人違いじゃないですか?」
探索者「とぼけないでよ! すっとぼけないでよ! ネタは光ってるのよ、出しなさいよ!」

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ご機嫌よう。

CoCをプレイしている方でしたら「悪霊の家」をプレイされたことがあったり、読んでいたり、何かしらリプレイ程度には接していたりするんじゃないかしら。

さて。「悪霊の家」はとてもプレイしやすい入門シナリオかと存じますが、では、GMのみなさんにお尋ねします。いまこの場で、何ならCoCのルールブックも手元になく、ついでにネットにも繋がらず、紙とペンと、あとはまあ6面ダイスくらいはある、という環境だとしたら、「悪霊の家」できますか?

わたくし、これ、全然余裕でできるはずだって思うんですね。もちろん、細部とかぜんぜん違うでしょうし、本来のシナリオからしたらだいぶ端折った形になるかとは思いますし、そもそもちゃんとしたCoCのルール運用ができませんが、それでもちゃんと「悪霊の家」になるかと。

どんな風にするかというと、ルール面は、PCのステータスは狂気点だけにしてしまいます(SANをひっくり返します)。運用はネクロニカと同じ。狂気判定に失敗したら(1d6で1,2,3が出たら)狂気点を追加して、4点になったら永続的狂気(ロスト)にしましょう。その他のチェックは全部省略します。技能とか能力値とか使いません。というかルールを覚えていませんし、6面ダイス1個でd100を再現するなんて面倒はしたくありませんし不要です。

コービットの家に至る過程も、全部省略して必要な情報を渡してしまいましょう。なんやかんやあって(もう少し適当に何か話します)曰く付きのハウスに到着しました。

それで生まれたのが、冒頭のシーンです(古い。

あとはまあ適当に演出して、適当に狂気判定をしてですね。コービットの姿が見当たらない、としたら? というのを、どうにかしてくださいねってPLに丸投げしたら、おしまいです。

いま適当にでっち上げましたが、どうでしょう? ちゃんと「悪霊の家」になっていませんか? 探索者が生還すれば「悪霊の家」ではなくなっているはずですし、購入&リフォーム(もしくはリフォーム販売でもいいですが)までしていただくことにして、タイトルもでっち上げてしまいましょう。「劇的ビフォーアフター:ここがあの悪霊のハウス」……これで完璧ですね。

CoCを例に挙げましたが、これくらいなら、何度かプレイしたTRPGに付属している「入門用」シナリオ程度のシナリオだったら、何もなくてもその場でできそう、という印象を持たれたのではないでしょうか。これからGMに挑戦される方々も、こんな軽いノリと準備でいいんだなって、気軽に挑戦していただければと存じます。
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Kei
Kei日記
2021/05/31 21:20[web全体で公開]
😶 ダイアレクトのことかと思いましたわ
ご機嫌よう。

そのものズバリ、言語とさよならするTRPGがございます。その名を「ダイアレクト」と言います。孤立した共同体とそこで語られている言葉が、どのように失われるか、というゲームです。GMもシナリオも不要な、ナラティブ系TRPGです。

協力して言葉を作り、その言葉を使ってRPし、その過程で言葉の意味は変わるかもしれません。最後には、共同体は滅び、言葉も失われます。ゲーム中に作られた言葉を話す人は、もはや存在しません。

楽しそうに見えないですって? では、こほん、何が楽しいのか補足しましょう。

2chでもニコ動でも何でもいいのですが、ある特定の言葉が使われているコミュニティは現実にも存在します。もちろん、少数民族でのみ使われている絶滅危惧言語(アイヌ語など)もあり、ゲームのテーマ(はじめに参加者が話し合って決めます)になるでしょう。ですが、まあ、ここではネットスラングを例にしましょう。

もはや一般的になってしまった言葉もございますが、いまさら使わなくなったものもございますね。「禿同」ですとか「ぬるぽ、ガッ」ですとか。懐かしいですし、あの時代を思い出しますね。

では、この一回のゲーム中でしか使われない言葉があって、ゲーム中PLはその言葉を当然のように使う、けれど、ゲームが終わると、もうその言葉は失われてしまうとしたらどうでしょう?

エモくないですか? このエモさ、通じて欲しいです。
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Kei
Kei日記
2021/05/22 21:08[web全体で公開]
😶 Broken Talesを遊んでみたいお話
ご機嫌よう。

現在Kickstarter中で、日本語版のクイックスタートもあるBroken TalesというTRPGがございます。18世紀のヨーロッパを舞台に、善悪が逆転してしまった御伽噺を題材にしています。悪役が善い役割に転じた反面、それらの物語の主人公が悪に転じてしまったのです。

クイックスタートでは、簡単なルールの紹介とシナリオ、それにサンプルPC?が付属しています。サンプルPCを選んでシナリオを遊んでみるには十分でしょう。

PCは設定上善い役割を与えられていますが、条件を満たせば悪堕ちすることもできます。元々の御伽噺でも悪役ですし、そういった動機や目的は条件を満たせばRPに利用できます。悪役が、壊れた御伽噺の異なる悪と対峙する感じでしょうか。面白そうじゃないですか?

ルールですが、基本はナラティブ系、判定は最低限で、避けようのない対立でしか判定は行いません。その判定には、(非常に限られた)資源を消費するかダイスを振るか両方使うかを選ぶことができます。資源を使うには、状況とPCの記述を関連付ける必要があります。ダイスを振る場合は、判定に成功するためには数を増やさなければならず、数を増やすと失敗の可能性が増えるというシステムになっています。ちょっとPowerplayを思い出しますね。ですので、PLにはできるだけ判定を回避したいというモチベーションも生まれるでしょう(GMは決してダイスを振らないこともルールに明記されています)。

もちろんGMありナラティブ系らしく、PLに尋ね、PLが描写・演出することで、お話が進行します。

付属のシナリオも、オオカミに育てられた赤ずきんを題材にしたもので、わたくしは結構好印象を受けました。GMしてみたいですわ。
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Kei
Kei日記
2021/05/19 21:13[web全体で公開]
😶 ゲームマスターは楽しい、プレイヤーは楽しくない、ゲームマスターしなさい(錯乱
ご機嫌よう、プレイヤー。

GMはあなたを次のGMに抜擢しました。つまり、今やあなたはGMとなって、仲間のPLと共にSANをすり減らすという、素晴らしく楽しい任務に就くことになるのです! 崖から突き落とされたり、呪われたり、刺されたり、ぐちゃぐちゃにされたり、SNSで吊し上げられたり……全てあなた次第です。これからは、何もかも全てあなた次第です。もしも万が一うまくやれば(いえ、きっと、と言おうとしたんです。きっと)あなたは称賛されるでしょう! なにしろGMは卓で最も偉大で最も強力、そして、GMには使命があり、責任があり、仕事があります。何よりも、GMはセッションを主催しなければなりません。

まあ、大して期待はしていませんが。

善意の、しかし錯乱したGMが、PLを楽しませようと必死になっています。GMは楽しい……ならば、みんなGMするべきなのでは。あなたは次回のGMとなって、リレーキャンペーンのシナリオを準備し、卓の全体に注意を払い、PLを楽しませるのです。他のPLがある事実を暴き出さないことを祈りつつ……そう、GMって結構大変(けれど、本当に楽しいです)。

というメタTRPGがあっても良いと思うのですが、いかがでしょうか。
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Kei
Kei日記
2021/05/15 01:12[web全体で公開]
😶 ポエムを披露したお話、あるいは信頼について
ご機嫌よう。

CoCキャンペーンの3回目のセッションを終えました。多分、このキャンペーンの演出上いちばん面倒なシーンを終えました。いちばん? まあ、残りの部分は何もできていないのですけれど。それでも、これ以上面倒なシーンはもうない……なかったらいいな。あったとしても楽しむだけなんですが(。というか、プレイヤーの方々は今回のセッションを通じて更に面倒になりそうな演出を色々としてくださいました。これらの要素は今後使いますけれど……。

ところで、突然ですが、シナリオを自作されている方だったらお分かりいただけるかしら、TRPGのシナリオって、ある種ポエム的なところがあるかと存じます。さらに、ポエムの中にポエムが書いてある、というような構造も、お分かり頂けるんじゃないかしら。

はい、恥つかしいポエムを披露しておりますし、PLの方々にも手伝っていただいております(。

それに、PLの方々にはお楽しみいただけている感触がございます。

ところで、今回のキャンペーンは、わたくし、いつも以上に力が入っていますし、いつも以上に色々と気を配っています。このキャンペーンを成功させたいし、PLの方々にプレイして良かったと思って欲しいです。GMとしては、とにかく大変で、面倒で、気を遣って、けれど、やりがいはございますし、もちろん楽しいです。まあね、GMって基本的には楽しいものですけれど。

というのも、そういうことをしてはいけません、と言われかねないことを、敢えて行っています。その一端は、このような感じです。

この地方には○○を忌避する風習があります。その上で、PCを選んでください。

PC1:あなたは○○です。
PC2:あなたはPC1が好きです。
PC3:あなたはPC2が好きです。PC2のためなら自分は身を引いても良いと思っていますが、PC1がいなければいいのに、という思いも胸に抱いています。
PC4:あなたはPC3が好きです。○○を忌避する風習を信じていて、PC1を避けるか、嫌うか、憎むかしています。PC1が好きなPC2のことも同様に蔑んでいます。

PC1がヒロイン枠でPC2がヒーロー枠に見えますか? そういう観点だとしたら、PC4に渡しているハンドアウトって結構キツいですし、PC3・PC4の役割もキツいですね。ですが。ここからどうなるのかと言うと、別に枠とかないですよ(暗黒微笑。そうなるとしても、それはプレイの結果、PLの意図であって、わたくしが予定したことではございません。また、PC間の(表立った)対立も、予定にございません。

それでも、実際のシナリオでは、PC1が差別され、区別されるような演出をしていますし、PC4がそうするような誘導さえございます。

さらに、担当するPLの意志には関係なく、これらのPCがシーンに登場し、その意思や行動が他のPLに委ねられることさえあります。例えば、PC3のPLには、PC2がPC3に好意を見せるような演出ができるシーンがございます。ついでに、PCの感情をハンドアウトで指示したりもしています。今回のシナリオでは、RPしていただいたとしても、それがなかったことになるシーンまでございました。

これ、必要なんですか? と問われたら、いまのわたくしには、必要かどうか分かりかねます。最終的に、これらのシーンに意味があったと思えるようにしたい、とは思っております。PLの方々に、プレイしてよかった、このキャンペーンが良かった、と思われるようなものにしたいです。

エモいRPのため? そんなものは求めていません。再現不可能な一回限りのキャンペーンのギミックとして仕掛けております。キャンペーン自体のグッドエンドとバッドエンドのイメージはありますが、そこまでどうやって至るのかは、現時点では全くわかりません。うまくいくかどうかは正直賭けの部分もございますが、PLの方々はうまいことやって、このお話をグッドエンドに導いてくださるだろうと信じています。

本来なら事前に全部予告すべきという意見はもちろんかと存じますが、今回のキャンペーンに関して言えば、そんなに事前には予告せずに行っていることの方が多いです。というか、シナリオができるのが当日とか前日とかで、それまでわたくし自身にもどんな展開になるのか分かっていません。ですので、Xカードは当然使いますし、それ以外でも、とにかく気を配っています。もちろん、セッションの最初にはお話しますし、お話することが何かしらクッションになることは期待しています。

お互いに信頼しているからこういったことができる、ということはあるかと存じます。こういう信頼って、オンセを渡り歩いている方々は、どうやって得ているのかしら? わたくしがこのキャンペーンを始めて思ったことは、TRPGがうまくいくかどうか、楽しいかどうかって、プレイスタイルとか何やらとかが合うとか合わないということではなくて、信頼できるかどうかなんだな、ということです。一回のセッションで見極められるのかしら?

ちなみにですが、わたくしのいまの卓は、リアルに信頼できる方々を集めた身内卓です。この卓を始めた時にはプレイヤー間では面識のない方もいらっしゃいましたが、わたくしが信頼していますので、とご了承いただいてお呼びしたりしました。その後PL間で別の共通する趣味があったとかで遊びに行ったりしたと伺っておりまして、わたくしの目に狂いはなかったのですわ。

ということで次回は、HRTについて語ろうかしら? というところでお時間ですね。ご機嫌よう。
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Kei
Kei日記
2021/05/09 22:33[web全体で公開]
😶 良いGMになるための究極の秘密
それはね。参加してくださるPLの方々を好きになることです。ご機嫌よう。
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Kei
Kei日記
2021/05/08 01:04[web全体で公開]
😶 シナリオはどうしたら短縮できるのかというお話
ご機嫌よう。

新キャンペーンの2回目のセッションでしたが、開場一時間を切ったあたりでご連絡があり……。

Aさん「遅れます〜」
Bさん「事情があり今日は早めに終了して欲しいです」
わたくし「えっ……」

そんなこんなで、楽しかったですわっ。

それに、時間の制約がある中、どうにかしてわたくしのセッションに参加してくださって、とても嬉しいです。

ともあれ、まず、開幕まであと30分とかで、シナリオの長さを半分にしなければなりません。シナリオの最後のシーンまで、どうしても今回のセッションでで描ききりたいです。というのも、次回に半分回す、というような構成になっていません。途中で区切れるようにシナリオになっていません。つまり、カットできる要素をカットして、シナリオ自体は完了させたいです。

幸か不幸か、個別シーンがございます。必要最低限以外の個別シーンを全カットしてしまいましょう。本来ならPLの方が描写や演出やRPした上で提示する予定だった要素は、もうこの際、そのまま提示してしまいましょう。

演出判定なども、カットして成功したことにしてしまいましょう。判定に至る演出自体もカットしてしまいましょう。

これで、多少時間オーバーするかも、くらいで収まるはずです。ともあれ、お願いいただいた時間は超過するかもしれません、という説明と、これ以上無理な場合は宣言してください、というお願いをして、セッション開始です。

これで。リクエストいただいた時間内に収まりました。まあ、数分オーバーしたのですが、PLの方々にはご満足いただけたようです。

さて。

実際に遊んでいて、予想外にセッションが長引くことは、よくあることかと存じます。どうしたらシナリオを短縮できるのか、というお悩みもあるかと存じます。

それで、シナリオの縮め方なのですが、これは実は難しくありません。わたくしの個人的な意見ですが、長くするよりも短くする方がずっと簡単です。

通常、TRPGのシナリオは、PCという要素すら排除した必要最低限の要約をすると、びっくりするくらいに短くなります。まず、その要約をします。もうPCとかいなくていい、くらいまで。すると、PCが必要な部分は、概ね「なんやかんやあって」に集約できますね。

「なんやかんや」は、とても抽象的に書いていますが、これは抽象論で、実際にPCがなんやかんやしてどうにかなった、というのはやりすぎです。その手前の部分を考えましょう。すると、大体、PCが何かをして結果を得ることを何度か繰り返す、という構図があるんじゃないですか?

そういう構図を得たら。クライマックス以外捨ててしまいましょう。経過はバッサリとカットして、その経過で得るはずだったものを、単に渡してしまいましょう。そこにドラマがあったはずなのに? そんなドラマは捨ててください。代わりに、PLにこう伝えましょう……「ドラマチックなことがあったので、一文で描写してください」

つまりこういうことです。30分かかるはずだったシーンをカットして1分で結論だけ伝えて、それを広げる9分をPLに与えましょう。これでも時間は1/3になりました。

時計は忘れずに。あと何分でお願いします、ということはPLに伝える必要がありますし、時間になったら、どんなに盛り上がっていても、無慈悲に切ることも必要です。そうでなくても、このシーンは何分までです、と伝えることには意味があります。オーバーしがちで、そのままずるずると長引きがちかもしれないですが、場合によっては、あなたが時間をオーバーしたら他の人の時間が減ります、という宣言をしても良いかと存じます。
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Kei
Kei日記
2021/05/05 00:37[web全体で公開]
😶 ハンドアウトで何を指示して良いか、というお話
ご機嫌よう。

現在進行中のCoCキャンペーンのシナリオを書いています。次回のシナリオは概ねできていて、その次のシナリオを書いているのですが……。

このキャンペーンでは、事前に「わたくしの趣味全開の演出がありますよ」「ハンドアウトを利用した演出がありますよ」とご案内しておりまして、できている部分に関しても、わたくしの趣味なシナリオと自分で思えるくらいではありますが……いまハンドアウトを書いていて、このハンドアウトにどこまで書いて良いのか、悩んでおりますの。

キャラクターの動機や目的ではなく、感情の動き。

そうなんです。普通だったら、ハンドアウトは動機や目的を示すものかと思います。けれど、感情の動きを指示したい。その結果、何を目的にするのか、何が起こるのか、ということの方をPLの方々にお任せしたいです。

もちろん、わたくしは、わたくしの卓にご参加いただいているPLの方々を信頼しています。わたくしがハンドアウトで指示すれば、そのようにして下さると思います。でも、やっていいのかしら? それで良かったと、PLの方々に感じていただけるのかしら?

まあね。そうは言っても、このハンドアウトを提示することになるんですけれど。それで良かったとPLの方々に感じていただけるかどうかは、ハンドアウト自体ではない、その後の納得感で決まるのですけれど。なので、そのように演出するのですけれど。

けれど、シナリオを作っている時には、こんな風に迷うこともございます。
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