Keiさんの日記 page.24
Keiさんが書いた日記の一覧を閲覧できます。
日記一覧
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2021/04/09 19:55 [web全体で公開] |
😶 ルールブック再読:Traveller ご機嫌よう。 ルールブックを改めて読み直してみるシリーズ、今回は新しいルールと思ったのですが、前回の「混沌の渦」で出たキーワードの「旅」繋がりで、また古めかしいルールを読み直しました。 みなさんは旅行はお好きかしら。普通の人の普通な旅のリアルってゲームにしたら面白いのでしょうか。旅の面白さって、ゲームになるんでしょうか。 そんなわけで今回は「Traveller」を取り上げます(少しだけ「Mega Traveller」についても言及します)。日本語版はHJと雷鳴の二社から出版されましたが、どちらも絶版です(雷鳴社に至っては残念なことに廃業してしまいました)。本国ではその後も順調に?版を重ねているようですが、日本語で読むことはできません(順調に、なんでしょうか。FFE、Mongoose、Cepheusと三つのシステムが並列して意味不明な様相になっているようにも見えます)。わたくしはHJ版Travellerは所有していませんので、このエントリで単にTravellerと言った場合は雷鳴板となります。 Travellerは「星々の海を旅する」SF TRPGです(が、システム的には旅するのは「星々の海」には限りません)。キャラクター作成が有名?かもしれませんね。曰く「PC作成中にPCが死ぬ」とか、曰く「できたPCはおっさん」とか。それは、ほとんどの場合においては、事実です。まあね、GMはいくらでも制限つけることはできるんですけれど。 ともあれ、そうやってできたPCはどうやって「星々の海を旅する」んでしょうか。それが大いに問題です。特にPCが初期状態で宇宙船を持っていない場合。ルールに従って処理していたら、そういうパーティになってしまうことが往々にしてよくあります。ですがルール的には何も解決されません。まあ宇宙船がなくても、宇宙船に乗るためのチケットは持っていることは多いです。でも……稀によくあるんですね、チケットすら持っていないPCができることが。一方で宇宙船を持っていたら持っていたで、別の問題が起こります。数十年のローンが覆いかぶさってきたりとかします。宇宙船のローンを背景に「自由にできます」と言われても、困りますね。 とにかくそんな風にして旅は始まります。どんな風に? それはまあGMに全部お任せしますわ♪ どんな旅をするんでしょう? それもGMに全部お任せします♪ さあ、旅を始めましょう…… はじめてTravellerに触れた時には、それでどうしたら良いのか全く分かりませんでした。 ところで、Travellerを始めようとすると、それとは別にびっくりすることがあります。それは判定のルールが書いてないということです。いえ、実際にはすごくあっさりと数行書いてあるのですが、判定方法みたいな章が独立して存在しているわけではありません。ただ、びっくりするようなところに、ごくあっさりと何事もない普通の文章であるかのように書かれています。同時に技能制でもあるのですが、驚くべきことに、この技能が判定にどのように効くのかも書いていないように見えます。 というのは無印「Traveller」のお話で、「Mega Traveller」にはもう少しちゃんと書いてあります。技能の使われ方も。そして「Mega Traveller」には、単なる成否判定よりもずっと重要な、行為に要する時間のルールも書かれています。時間をシナリオに組み込もうとすると結構大変だと思います。何にどれだけ時間がかかるのか、時間経過でシナリオを駆動しようと思っても、時間を管理するためのルールは大抵のTRPGにはありません。けれど「Mega Traveller」にはあります。判定の成否だけではなく「30分以内に済ませれば間に合います」ということがルールで表現できます。わたくし、このルールは大好きです。 また、TravellerではPCはごく普通の人で、戦闘などしようものならあっさりと死んでしまいます(戦闘ルールはちゃんと記述されています)。戦闘は避けるものです。宇宙船同士の戦闘も、より大きな船に勝つ可能性はほぼありません。つまり戦闘は避けるものです。ルール上いちばん発生しそうなのは海賊との戦闘に思えますが、そのルールを愚直に運用すると、海賊との遭遇はそもそも確率が高すぎるので、ちゃんとキチンと解釈すべきでしょう。 その一方で、星々の海を作るとか、恒星間貿易とか、宇宙船を作るとか、訪れた星にどんな原住生物がいるのかを決めるルールはあります。 また、一応、Travellerでは恒星間文明に達した文明が星々の海で接触しうるあらゆる文明を記述できることになっています。その中には「剣と魔法」のようなファンタジー文明すらあるかもしれません(Travellerでは、魔法ではなく超能力として記述されます)。 ただね。いまどきのTRPGの至れり尽くせりな記述から見たら、無理じゃないですか? という感じがしますね。詳細は全部GMが記述するものです。世界全部。宇宙全部。GMが。無理じゃないですか。 もちろんTravellerにも公式の世界設定はあります。ただし、Travellerの公式世界設定というものは、星一つまるごとを「A894A96-F」というようなコードで表現したもの(各桁に意味があり、ルールに書かれています)を羅列したものです。こういったコードで表現されるのが実際にはどんな星なのか……それを想像するのが楽しめないなら、Travellerをプレイするのは難しいと思います(先述した星々の海を作るルールでできるのも、こういったコードの羅列です)。 ここには確かにとても大きな可能性がありますが、それが可能性だけで終わってしまう、そんな予感がしますね。けれど、これだけの可能性を感じさせるルールというものは、いまとなっては珍しいものでしょう。 逆に言えば、世界全部、宇宙全部の詳細を記述できることが楽しめるなら、他のTRPGって必要ないように思えます。それだけの可能性もここにはあるのでしょう。あるいはTRPGには、いかに自由を制限しその一方でいかに自由を感じさせるか、という側面があるのかなと考えると、Travellerは相当に自由なゲームかとも思います。そう、それこそ他のTRPGが必要ないくらいに。そこまで言わなくても、Travellerが表現している世界というか宇宙に時には思いを馳せてみるのも楽しいかと存じます。
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2021/04/08 18:50 [web全体で公開] |
😶 セッション後アンケートのお話 ご機嫌よう。 わたくしの卓では、セッション後にアンケートをとっています(現在の集まりではセッション終了が0時を超えますので、アンケートは後日Googleフォームでお願いしています。同じ理由でセッション後の感想会もありません)。 お話が楽しめたか、マスタリングに不満がなかったか、NG表現がなかったか(Xカードも採用していますが、プレイ中に表明できなかった場合の確認の意図があります)といったお決まりの項目もあれば、今季のおすすめアニメといった全く無関係の項目もあります。全体としては、選択式の項目が3〜5個、記述式の項目が1〜3個で、選択式項目の一部と記述式項目の全ては回答は必須ではありません。 こういったアンケートは、もちろん改善や今後の展開の参考のために行っているのですが、ほぼ身内みたいな卓ですし、アンケートとか大袈裟なのかしらん、もしかして、プレイヤーのみなさんは(みなさんお答えくださいますが)アンケートに答えるのが嫌だとか面倒だと思っていないかしらん、といった不安を実は感じています。 GMって実は結構弱い生き物なんですよ?(わたくしのメンタルが弱いだけかもしれません) とまれ、そんなわけで、先日キャンペーンを終了しましたので、全体通してのアンケートもいくつかさせていただいたのですが、GMとしてシナリオギミックを頑張ったシーンが印象に残っているというお答えが多く、嬉しく感じております。また、わたくしキャンペーンに関しては終了後にご参加いただいたPLにシナリオをお配りするのですが、早速お読みいただいて、ご自分のキャラクターの実際には使わなかったサブシーンからこれを遊びたかったというような反応も頂きまして、こちらも嬉しい限りです。
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2021/04/07 20:00 [web全体で公開] |
😶 ルールブック再読:混沌の渦 ご機嫌よう。 ルールブックを改めて読んでみるシリーズ、四回目の今日は「混沌の渦」を選びました。現代教養文庫、懐かしいです。「混沌の渦」は「(中世ヨーロッパ風味)剣と魔法ファンタジー」が隆盛していた時代に刊行された16世紀頃のヨーロッパを舞台にしたTRPGです。このTRPGにも魔法はありますが、いわゆるファンタジー系TRPGの魔法とは全く異なります。Aという呪文を唱えたらBという効果がある、というようなゲーム的な魔法は「混沌の渦」にはありません。 このゲームの主眼は、16世紀頃のヨーロッパの再現だと言ってもいいかもしれません。それは、ファンタジー的なものではありません。魔法ルールも特徴的ですが。 例えば、戦闘は非常にリスクの高い行為です。そもそも倒すべきモンスターみたいなものは存在せず、戦闘が発生しうるとしたら野盗とかの類だったりするのですが、PCは非常に弱く、簡単に重傷を負いますし、その結果数ヶ月の静養が必要になり、路銀が底を尽きて…… そうならないためには戦闘を避ける必要がありますね。所持金を失ったとしても、命を失わなければ、静養しなければならないような重傷を負わなければ安い……。それはまあ、現実的には、そうですよね。 いま読み返してみると、ルールに記載された地味な職業の数々、マニアックな薬草ガイド、大雑把すぎる魔法ルール、当時の人々の暮らしぶりが記載された注意書なども、16世紀頃のヨーロッパのリアルを表現していると思います(記述の散らかり方がすごいですけれど)。 そのことを理解してシナリオを準備できるような卓は当時どれくらいあったのでしょう? 当時のわたくしにはなかなか理解し難いことでした。モンスターと戦いまくり、怪我はおろか命だってわずかなお金で取り戻せるような「剣と魔法」の世界からは非常に遠く、地味で詰まらなそうなものに見えたものです。けれど、いま見直してみると、例えば(すっごい努力すれば)「狼と香辛料」みたいなこととかできそうに見えます。少なくとも、この本が出版された当時の記憶よりも、楽しめそうに感じました。 原書(Maelstrom)はいまでもPDFで入手可能です。もしかしたら版上げとかされてるのかしら?
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2021/03/31 17:44 [web全体で公開] |
😶 わたくしが思うTRPG冬の時代のお話 (老害昔話シリーズです) ご機嫌よう。 わたくしのプロフィールには、さらっと「カードゲームが楽しかったので」みたいに書いていますが、ちょっと掘り下げて、かつてTRPGにどうして冬の時代が到来したのか(と、わたくしが思っているのか)というお話をします。わたくしたちの場合は、実際にその引き金を引いたのは、カードゲームではありませんでした。 かつて、TRPG冬の時代というものがあったとか、いやそんなものはなかったとか、というお話に触れた方もいらっしゃるでしょう。これは、わたくしの視点でのエントリですし、違う意見をお持ちの方はたくさんいらっしゃるかと存じますし、良くて話半分程度に受け取っていただければ幸いです。 わたくしの視点では、TRPG冬の時代はありました。そして、それは他にも言及されるような、90年代後半に合致します。 当時わたくしはあるグループでTRPGを遊んでいました。このグループは、わたくしが高校の頃に遊んでいたグループの延長で、大学に進学後も集まることができた方と、その知り合いの方で構成されていました。サークルというほどのものでもなく(創作などをしたいメンバーは別のサークルに参加していました)、単にTRPGで遊ぶことだけを目的とした、ゆるやかな集まりでした。 わたくしたちの卓の場合、まず、これはわたくしが持ち込んだことですが、TRPGのシナリオが早く終わったらボードゲームをしましょう、ということが始まりでした。予想外にシナリオが早く終わってしまうことはありましたし、当時のわたくしはTRPGだけでなく、安田均さんのような方が紹介されるボードゲームにも興味津々でした。Acquireのようなボードゲームを遊びました。ボードゲーム楽しかったですし、Acquireは名作だと思います。このエントリはボードゲームを否定するものではありませんし、みなさんも遊ばれたら良いかと存じます。とまれ、ボードゲームは十分以上に面白く、やがて、TRPGとボードゲームを両方遊ぶために、TRPGのシナリオ(時間)を短縮するようになりましたし、そのうちに、シナリオを準備できなかったからボードゲームでその日を過ごすということが起こるようになっていきました。それでも、シナリオが準備できなくてボードゲームになることは多くの参加者をがっかりさせることでした。 そして、カードゲームがやってきました。まだMtGが来る前でしたが、モンスターメーカーやダイナマイトナースなどがありましたね。ボードゲームと合わせて、気軽に遊べて楽しいゲームとして卓内の認知は高まっていきました。TRPGよりもボードゲームよりも手軽で、TRPGよりも楽しいと思われるのは時間の問題でした。特にGMがそう感じることが。 大事なことなのでもう一度いいますが、TRPGよりも楽しいと思われるのは時間の問題でした。 そう、TRPGの楽しさが陰ったんです。 その頃TRPGがどんなだったかというと、内輪受けの嵐が吹き荒れていました。公式のリプレイすら、内輪ネタ、内輪受けが全てでした。どのTRPGサポート雑誌も、人気のリプレイ作家を囲い込んで、その人気にあやかろうとしていました。どの雑誌を読んでいるかという派閥さえありました。結果として、多くの卓が内輪ネタで遊ぶようになりました。わたくしたちの卓も、例外ではございません。 でも、飽きますよね。 そうなんです。飽きたんです。そんなの一時の熱でした。TRPGが、ではなく、雑誌主導の内輪受けのネタで盛り上がることが。でも、TRPG自体に飽きたわけではないことには気付きませんでした。そうして、飽きたと思った時にその場にあったのは、カードゲームだったり、ボードゲームだったり、わたくしたちの場合は、NEO-GEOだったりしました。多くの卓では、その時にMtGがあって、RPGマガジンのようなTRPG専門誌さえ転向していたことから、MtGがTRPG冬の時代のきっかけになったように考えられているようですが、そこにMtGがあったのは、たまたまだと思います。わたくしたちの場合は、MtGではありませんでした。とまれ、内輪受けなんか関係ない純粋なゲーム性としての面白さでは、カードゲームやボードゲームの方が勝っていましたし、だいいちシナリオを準備する必要もありませんでした。準備不要で楽しめることは非常に歓迎されました。 補足しますが、当時インターネットは一般的ではないどころか、その存在を知っている人すら限られていました。シナリオの入手経路は非常に限られていましたし、ほとんど全ての卓で、GMがオリジナルのシナリオを行っていました。シナリオネタの多くは雑誌から得た内輪受けのものでしたし、そのネタさえも、雑誌に掲載されたリプレイのようにうまくいくことは稀でした。雑誌のようにうまくいかないことは多くのGMに劣等感や敗北感を与えました。そうしてネタが切れました。GMには、もうそれ以上のシナリオを作る余力がありませんでした。 そんな中、当時アーケードゲーム界を席巻していた格闘ゲームをそのままのクオリティで遊ぶことができるNEO-GEOは、当然のことながら、カードゲームやボードゲーム以上に歓迎されました。わたくしだって、TRPGよりも、カードゲームやボードゲームよりも、NEO-GEOに熱狂しました。わたくしたちの場合はNEO-GEOでしたが、NEO-GEOがなかったとしても、TRPGをそのまま続けることができたかは疑問です。 内輪受けではないTRPGシナリオがどんなものなのか、もう分からなくなっていました。そうして、TRPGは次第にプレイされなくなりました。 内輪受け楽しい、という一時の暴力的な熱に浮かされて、そういう方向にみんなが向かいました。出版する側も含めて。というか、出版側は、それを煽りました。人気のリプレイ作家を囲い込むという形で。ですが、その少なくとも一部は、後に「キャラクタープレイ」と呼ばれることになるようなものだったり、「マンチプレイ」と呼ばれることになったりするものでした。残念なことに、こういったプレイが卓を荒らさないようにする仕組みはまだ発明されておらず、全てはGMの責任にされました。一方で、それ以外の有意な記事はありませんでした。例えば、GMが意図したシナリオを進行するための方法論なんか、闇の彼方に葬られていました。それ以外の有意な記事がなかったことは、後に大いに問題になりました。みんなが、TRPGに飽きたと思った頃に。意図したお話を進める方法は失われました。そうして、やがてどの雑誌も潰れました。わたくしは、あれらの雑誌が姿を消したのは、TRPGに冬の時代が来たからではなく、因果は逆だと思っています。もちろん、みんなが飽きたのは、実際にはTRPGではなかった筈です。けれど、後に残っていたのは、TRPGではありませんでした。 これが、わたくしがこの目で見たと思う、TRPG冬の時代の始まりでした。 もちろん、TRPGを続けた方もいらっしゃるでしょうし、違う意見をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。これは、わたくしがこの目で見た、わたくしの卓で起こった、そうわたくしが思っていることに過ぎません。 いまのTRPGは「エモさ」が主流になっているように見えます。それ自体について、わたくしが言えることは何もありません。少なくとも、PLが求める「エモさ」を駆動できるようなシステムや方法論はちゃんと存在しているように見えます。当時のTRPGには、主流となっているプレイスタイルを支えるシステムも方法論も、ありませんでした。
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2021/03/30 21:03 [web全体で公開] |
😶 キャラクターは歳をとるとどうなるのか、というお話 ご機嫌よう。 長く同じキャラクターを使っていれば、当然歳をとりますね。そこで、今回はわたくしが所有するルールでは、老化がどのように表現されているか確認してみます。 あおもりの場合 年齢が能力値などに影響しないことが明記されています。書かれていないわけではなく、影響しないと書かれている数少ない例でしょうか。ただし、あおもりの設定では、人の寿命は短く、その最後に急速な老化があるとされています。 CoC7の場合 あまり意識している方はいらっしゃらないように思えますが、7版は一応ルールが明記されていて、40歳以降10年ごとに、一部の能力値が低下します(EDUだけが例外的に上昇します)。CoC5には年齢や老化に関する記述がないようですので、どこかのバージョンで追加されたのでしょうか。もしかしたらCoC6にも記述されていないのかしらん? サタスペの場合 老化のルール自体はありませんが、モンスターの一つとして「老人」が挙げられていて、興味深い記述があります。引退した(できた)亜侠の行末として演出に利用すると面白いかもしれませんね。 トンネルズ&トロールズ5版の場合 驚くべきことに、非常に初期のTRPGであるT&T5版にすら年齢に関する記述があります。ですが、ここには老化の影響のようなことは書かれておらず、単に「引退させなさい」と書いてあります。個人的な感想ですが、これはTRPG的なキャラクターの扱いとしてはとても正解に近い感じがします。 ネクロニカの場合 ドールには享年という概念がありますが、当然年齢と違います。ですが、この違いを利用してエモい演出とかができそうじゃありませんか? ネクロニカで、年齢が問題になるようなキャンペーン(ドールは享年の精神年齢を維持し続けます)というのも、もしかしたらアリかもしれないという気がします。当然のことながら、ルールには何も記載されていません。 パラノイア【トラブルシューターズ】の場合 トラブルシューターが老化するほど長生きすることはありません。トラブルシューターの寿命は長くても数日程度の単位で図られるものです。よろしいですね、市民。 個人的には、おじいちゃんやおばあちゃんがトラブルシューターになったら、という想像は楽しそうですし、試してみても……という気もするのですが、IRやRの市民がそんなに長生きすることはない、というのが正解でしょう。 V:tMの場合 もはや人間としての年齢には意味がありません。V:tMで意味があるので世代であって年齢ではなく、世代は選ぶことも変えることもできません。 WoDの他のシリーズも、老化に関する記述はないようです。 Bローズの場合 35歳以降、誕生日のたびにダメージを受けます。ただし、このダメージは通常のダメージ表現と同じです。ですので、普通に回復可能です。Bローズ大好きっ子として強く主張しますが、こんなルールは使う必要がありません。それよりもBローズで大事なのは、不思議が不思議であることです。 メガトラベラーの場合 34歳以降4年ごとに特徴(基本能力値)が減少します。ただし、抗老化剤を使うことによって影響を抑えることができます。抗老化剤を使用する場合、抗老化剤が入手できなくなると、老化の影響を一気に受ける場合があります。 指輪物語ロールプレイングの場合 (ルールブックを読む気になれませんでしたので省略します) ルーンクエストの場合 40歳を超えると、毎年ダイスロールの結果によって0〜4つの基本能力値の値が低下します。その一方で、50歳を超えるような達人のプレイも楽しいと示唆されていたりいます。この辺は、技能制ならではのキャラクターの表現でしょうか。このルールは最新のRuneQuest: Gloranthaにも受け継がれています。
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2021/03/28 21:00 [web全体で公開] |
😶 ルールブック再読:指輪物語ロールプレイング ご機嫌よう。 ルールブックを改めて読んでみるシリーズ、三回目の今回は何にするかとても迷ったのですが、「指輪物語ロールプレイング(以下MERP)」を選びました。こちらは、TRPGに飢えていたTRPG歴のごく初期の頃に購入したもので、碌に読んでいないということはございません。ただ、遊んだことはないかしら。CD&Dのいわゆる赤箱と迷いに迷ったことを覚えていますが、当時指輪物語を読破して意識高い系を自称していたわたくしは、最終的にMERPを選んだのでした。 ともあれ、MERPはロールマスターというRPGのサブセットで、指輪物語の背景世界「中つ国」を舞台にしたものですが、なんとこの箱の中には中つ国の設定とかは何も入っていません。このことは当時のわたくしを大いに落胆させたものでした。それでいて、種族や文化や言語など、中つ国用語が何の説明もなく使われます。 また、最初期の翻訳TRPGの一つらしい点として、訳語が妙に堅苦しいところがあったりします。記述も散らかっていますし、その上平板です。いまどきのルールブックを見ると、ルールブックって進化したのねって思います。前回読みにくい読みにくいと書いたM:tAでさえ、表現力に溢れた記述に感心します(良い意味での感心ですよ)。というか、本当に、指輪物語を感じさせるような記述が、何一つとしてありません。 まあね、でもこれは、当時の「スタートセット」の類にはよくあることでした。わたくしの大好きなルーンクエストだって、スタートセットには世界の記述なんて何一つありませんでしたし。 ルール的な特徴は、やたらたくさんの表と、無限ロールかしら。無限ロールはd100の結果によって更にd100を足したり引いたりするものですが、正直、必要性が良く分かりません。キャラクターの表現は一見技能制っぽくなっていますが、d100に技能値に更にあれやこれやのボーナスやらを足して、更に使った技能やら何やらによって違う表を参照して成功度合いやら何やらを求めるという……とにかく常に表を使うものですから、表は別冊になっています。BRPのような技能制システムと比べて非常に散らかった印象があります。原理的に、技能がなくてもd100の出目が良ければ成功するものは成功するように見えます。 あと表の見所は痛打表かしら。見方によってはユーモラスに書かれていると申しますか、まあ楽しいものでしょう。 あとは……そうねえ、呪文の説明がびっくりするくらいに簡潔だったりとか。数はまあそれなりに用意されていますけれど。何ていうか、ゲーム的なものばかりです。中つ国っぽさは感じません。 そして。モンスターデータです。倒すべき敵としてのモンスターのデータさえ、一見、このルールには(数値的には)書いていないように見えます。実際には表があるのですが、文章と表は互いに全く無関係かのように存在しています。参照すべきページのリンクすらなく、一方には説明だけ、一方には数値だけが書いてあります。それでいて説明の中に脈絡なくボーナス値が書いてあったりして、とにかく散らかっているという印象を受けます。 正直、このルールに魅力を感じて遊びたいと思うかと問われると……難しいですね。あの時赤箱を買えばよかったのに、というのが偽らざる思いです。
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2021/03/27 21:47 [web全体で公開] |
😶 灰色城綺譚、または我らが王の身罷りてで学ぶナラティブ入門のお話 ご機嫌よう。 TRPGの中には、ナラティブ系と言われるジャンルがあります。想像ですが、ナラティブ系のシステムやシナリオって、初めて触れる方には、どうしていいか分からなかったり、うまくいくとは思えなかったりするのかと思います。わたくしも、かつてナラティブ系のシステムに初めて触れた時、それはレディ・ブラックバードやワンダー・ローズ・トゥ・ロードだったりしたのですが、どうしたらいいのか分かりませんでした。もしくは、WoDやヒーローウォーズのような初期のナラティブ系と言われるシステムでの、ナラティブなお話の作り方が分かりませんでした。 ですが、ナラティブ系TRPGって、遊び方さえ分かってしまえば、楽しいです。そこで、今回は、ナラティブ系TRPGに入門する二つの方法を紹介しましょう。 一つ目は「灰色城綺譚」です。 「灰色城綺譚」はGMが必要でPLが3人限定(シナリオも必要)というところが若干プレイの障害になるかもしれません。ですが、システムも付属のシナリオも大変に良く、機会があれば是非お試しいただければと存じます。 「灰色城綺譚」では、開始時にスタート時点での状況と、ハンドアウトが二つ(3つの場合もあります)与えられます。これは厳密にはルールではないのですが、約束として、PLはプレイ中にハンドアウトを自ら公開することが求められます。 一方で、ルール的には、PCやシナリオの舞台は、良い感情と悪い感情で表現されます。そして、悪い感情が勝ちやすいようになっています。それをどのように表現するかは、PLに任されます。 シナリオ中に提示された謎に回答が与えられることもありません。 それでもお話はRPによって進行しますし、PLがどのような過程でハンドアウトを公開するのか、場面にどれくらい悪意が進行しているのかによって、お話の流れは変わります。ハンドアウトや謎のような要素はGMが意図した物語上のギミックとも言えますが、それが、どのように物語に作用するのかは、PLに委ねられています。 そして二つ目は、いままさにわたくしたちも遊んでいるのですが「我らが王の身罷りて」を挙げます。 「我らが王の身罷りて」はGM不要です。PLは3〜5人。シナリオも必要ありません。おそらく、他の(ナラティブでない)TRPGに慣れている方には、ルールを読んでもよく分からないかもしれません。ルールブックにはTRPG的なルールは書かれていません。けれど、それでも必要なことは全てルールに書かれています。 それではルールには何が書いてあるのかというと、ゲームスタート時の状況と、何ができるのかという選択肢が与えられています。あとは一応の勝利条件も。PLは順番に選択肢を選んで、シーンの描写や演出やRPを行います。ルールに反せず、選択肢に矛盾しない限り、他のPLと相談しても構いませんし、どんな風に描写や演出やRPをしても構いません。 PCが置かれている状況や、時には意志さえも、他のPLに委ねられる面もあります。そういった状況の積み重ねが、物語になります。 これは、わかりやすく表現すれば、「我らが王の身罷りて」というシステムとシナリオが一体になったTRPGを、何度でも、そう、何度でも遊べるように構成されたものです。先日、同じシナリオを複数回遊ぶという話題がありましたが、それとも違います。物語が進行するためのギミックとしてのネタバレは、ここにはありません。というか、同じ物語にはなりません。物語が進行するギミック要素があるとしたら、それは、GMが意図するものではなく、PLの同意によって形作られるものです。 同じシナリオでもPLのRPによって違う物語になる、と感じる方もいらっしゃるかもしれませんね。そういう方にも、お試しいただきたいです。同じ物語にはならないって、どういう意味なのか。 物語の物語らしさって、一体何によって生まれるのでしょう。 非常に初期のTRPGでは、それは、ルールの運用によって偶然生まれるかもしれない程度のものでした。TRPGのルールは、物語性とは無関係のところにありました。それから、世界がやってきました。たくさんの、いまにも物語を紡ぎ出しそうな世界が描かれました。次にやってきたのは、物語を紡ぎ出しそうな特定の状況を描くルールでした。けれど、そこにあるのはあくまでルールや設定であって、物語ではありませんでした。 ナラティブ系TRPGって、結局のところ、TRPGが物語を紡ぎ出す仕組みの一つです。時にゲームマスターやシナリオがなくても、特定の範囲の物語を紡ぎ出すことはできるし、そうして紡ぎ出された物語も十分に面白いものです。
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2021/03/23 17:22 [web全体で公開] |
😶 改変しないで遊ぶシナリオ、あるいは、かつてのダンジョンのお話 ご機嫌よう。 わたくし歴だけは無駄に長いというか古いので、久しぶりの老害昔話シリーズです。いまの一部の?TRPGプレイヤーの間では、シナリオを改変せずに遊ぶことが好まれているらしい、というお話から思ったことです。 はるか大昔、人類がやっと火の起こし方を発見した頃には、インターネットはまだありませんでした。TRPGの流通自体もものすごく限られていましたし(当時は書籍流通ではありませんでした)、シナリオなんてほとんど流通していませんでした。TRPG専門のサポート雑誌もまだなく、他のゲームの記事に混じって、リプレイやシナリオ、マスタリング論などのページがわずかに存在する程度でした。TRPGについて得られる情報は、それだけでした。 その頃のTRPGがどんなだったかというと、ロードス島戦記の影響でファンタジー(というかCD&D)一強で、誰もがロードス島みたいなプレイをしたいと思っていたものでした。一部の意識高い系の人々は指輪物語を熱心に読んでいたりもしました。ファイティング・ファンタジーのようなゲームブックもTRPGを学ぶ題材となりました。 そこで当時のシナリオがどんなだったかというと、概ねダンジョンハック一択でした。背景世界などというものは、架空の地図一枚で表現されるようなものでした。世界と物語は分裂していました。というか、別の言い方をすると、世界というものは物語の都合で書かれた一枚の地図でした。その物語さえも、悪い魔法使いなり魔王なり何なりを倒すとか、その程度のものでしたし、シナリオとしての表現は、結局のところ、ダンジョンに潜ってモンスターを倒して宝物を得る、そのラスボスとして悪い魔法使いなり魔王なりがいるというもので、キャンペーンだって、例えば全10話のキャンペーンだとしたら、10個のダンジョンに潜って、そのどこかで伝説の剣とかの類を入手して、10個目にラスボスがいるという程度のものでした。 そう、結局のところ、ダンジョンシナリオ以外のシナリオがどんなものなのか想像できなかったんです。ルール表現も、概ねダンジョンでモンスターと戦うことを主眼としていました。でも、それでも十分に楽しかったです。たくさんのダンジョンを走破しました(道半ばでロストすることもたくさんありました)。ですが、やがて、グローランサやユルセルームといった素敵な世界に触れて、興味はダンジョンの外に移りました。 これは想像なのですが、「改変せずに遊んだ」通過シナリオとか回せるシナリオとかという概念は、わたくしたちがTRPG歴の初期に経験したダンジョンと同じものじゃないかしら。もちろん、ダンジョンの外がこんなに楽しいと気づくようなことが起こって欲しいです。けれど、ダンジョンをどんどん進化させる人がいてもいいし、その結果、わたくしが思うTRPGとはかけ離れたものになったとしても、それは、わたくしが選ばなかった可能性なんだな、という気持ちです。
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2021/03/22 21:35 [web全体で公開] |
😶 ルールブック再読:Mage: the Ascension ご機嫌よう。 遊んでいない、それどころか碌に読んでさえいないルールブックを改めて読むシリーズ、二回目はアトリエサードから翻訳・刊行されていた旧ワールド・オブ・ダークネス(以下WoD)シリーズの「メイジ:ジ・アセンション(以下M:tA)」を選びました。たぶん絶版かしら? このルールブック、どうしてちゃんと読んでいなかったのかというと、ものすごく読みにくいからです。M:tAに限らず、アトリエサードのWoDシリーズは全般的に読みにくいのですが、M:tAの読みにくさはずば抜けています。噂によると、そもそも原書が読みにくく(本国でも執筆者が最初から最後まで酩酊して書いたと評されているとか?)、その雰囲気を最大限残しているらしいのですが……専門用語のオンパレード、一般的でない用語や言い回し、回りくどい記述などに読解力と精神力が試されます。事実、購入したのはまだTRPGから一旦離れる前だったのですが、読むのを諦めたのでプレイしていないのでした。装丁やデザインはいいのですけれど。 ものすごく読みにくいので、順を追って読んでいくことは諦めても良いかと思います。今回わたくしは、詳細なリストなどは飛ばしてあちこちのページを行ったり来たりしつつ、気になる記述を拾うような読み方で読みました。 それで、どんなゲームかと申しますと。 現代世界で突如魔法に目覚めてしまったらどうしますか? それまで信じていた物理法則やら科学やらといったものは世界の見方の一つにすぎず、それとは別の、魔法という側面に気付いてしまったら。困ったことに世界は魔法を否定する仕組みで満ちていて、それゆえに簡単には魔法を使うことができず、しかし、魔法を使わずにはいられない……。来るべき科学との戦争を前に、魔術師として覚醒できるでしょうか?! というような世界観で、見直してみるとシステム自体は軽いですね(10面をじゃらじゃら大量に振って、成功の出目が幾つあるかというシステムです)。ですが、くっついている設定が重いです。世界から魔法が失われていった歴史、それでも残る魔法が使える人々の派閥、歴史や派閥によって形成された制限、そして魔法を使ったり使わなかったりすることで起こる葛藤、などなど。 あと、このシステムは原理的に、魔法には限界がありません。Aという呪文がBという効果と対応している、もちろんルールブックにはそう記述されている魔法みたいなもの?もあるのですが、魔法はそれには限られません。ただし、どうしてその魔法が動作するのかはプレイヤーが説明しなければなりませんし、システム的に魔法が成功するかどうかも別問題です。偶然に見せかけた小さなことを起こすのが精一杯というか。これは結構厳しい条件に思えます。一方で、判定のためのルールは確かにあるのですが、魔法の描写はナラティブだとも言えます。WoDシリーズが初期のナラティブ系TRPGと言われるのも、なるほどという感じがします。 世界観は大好きです。ただ、わたくしがイメージするM:tAは一般的なM:tAではないような気がします。例えば、事件を解決するには魔法が必要で、どうにかして資源を管理してその魔法を実現する……というようなことがしたいとは、思わないんですよね。それよりも、圧倒的絶望の中で魔法を使わないわけにはいかない状況に追い込んで、でも、魔法を使うから更に状況が悪くなる、それってルールブックのサイドストーリーに書かれていることですが、そういうお話をしてみたいな、と思います。
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2021/03/21 21:27 [web全体で公開] |
😶 ルールブック再読:パラノイア【インターナルセキュリティ】(セキュリティクリアランス紫外のため畳みます (▼ ネタバレを含むコメントを読む。 ▼)
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2021/03/19 23:38 [web全体で公開] |
😶 我らが王の身罷りて、楽しいですわっ ご機嫌よう。 前々からずっと遊びたいと思っていた「我らが王の身罷りて」のセッションができました! といっても、PLの方々が「ナラティブ……?」「なんのこと……?」という感じでしたので、GMレスのシステムではありますが、わたくしはPLとしては参加せずにファシリテーションに徹することにいたしました。スムーズに進行できていたら良かったです。 「我らが王の身罷りて」はオンセンではとんと見かけませんので軽く紹介しますと、中世のとある王国で王が後継者を指名することなく逝去し、有力な貴族が王座をめぐって陰謀や争いを繰り広げるというナラティブTRPGで、PCは各家の公子・公女になります。手番制で、PLとしての選択肢はルールから選び、お話が繋がるように演出やRPをしていきます。陰謀を張り巡らせることも、武力で王座を目指すこともできます。PCは王座に興味がなくても構いません。愛を誓い合ったのに家同士の争いで否応なく引き裂かれるというような展開だって可能です。友を裏切ることや敵と恋に落ちることもあります。王座を手にしてもその後倒されてしまうというエンディングもあり得ます。 これがホンの2〜3時間でできるというのも素敵なところです。また、準備も不要で、ルールブックを配ったら即開始できます(身内でのルールのコピーはライセンスで認められています)。 今回は体調の優れない方がいらっしゃって、最後まではプレイできませんでしたが、冒頭から婚約させられるPCがいたりして、見ているだけでも楽しかったですわ! わたくしもPLやりたいって強く思いました。次回以降の展開が楽しみですっ。
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2021/03/12 23:17 [web全体で公開] |
😶 回せるシナリオって何でしょうか? ご機嫌よう。 TRPG復帰してからずっとずっと疑問に思っていたことなのですが、よく、GMとしての自己紹介に「回せるシナリオ」というのを見かけるのですが、これってなんでしょう? いえ、わたくしだって、これでどうしろと言うんでしょう? これでプレイするのは無理なのでは? と思ったシナリオやシステムはございます。例えばレディ・ブラックバードを初めて目にした時ですとか。そんなレディ・ブラックバードも、いま見直したら、面白そう、遊びたいって思いますけれど、そう思えるようになったのはレディ・ブラックバードを何回も読み込んで遊んで研究したから、ではなくって(実際に遊んだことはございませんし、それどころか一度だって通して読んでもいません)、いろいろなシステムやシナリオに触れたからです。 回せるシナリオを書かれる方は、どんな気持ちで書いているんでしょうか。たぶんですが、そう書かれる方々の多くが見出しているGMの楽しさって、わたくしがGM楽しいと思うのとは違うことを楽しんでいらっしゃるのかと思っていますの。それを知ることができたらなって。 わたくしは(古いタイプのGMですので)、基本オリジナルシナリオしかプレイしませんし、同じシナリオは二度とプレイしません。オリジナルしかプレイしないのはプレイヤーが何を経験しているのか把握するのが不可能だからで、同じシナリオを二度とプレイしないのは、ズバリ楽しくないからです。プレイの回数が減ったとしても、新しいシナリオ、新しいギミック、新しいストーリーやドラマを考えて、それをPLに楽しかったといってもらえる方が、ずっとずっと楽しいからです。たとえ失敗の方が数が多いとしても。
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2021/02/27 02:08 [web全体で公開] |
😶 キャンペーン完走しましたわっ ご機嫌よう。 この半年ほどをかけて取り組んできたCoCのショートキャンペーンを終えました。全4話で、キャラクター作成を含めて10回のセッションでした。 わたくしとしてはCoCはじめて、そしてTRPG復帰してはじめてのGMでのオリジナルキャンペーンで、PLの半数はTRPG自体はじめて、半数は数回程度の経験でした。何よりもまず完走できてよかった、という感想です。このキャンペーンを始めた時には、どんなシナリオが、どうしたらCoC的なのかも分からないような状態でしたが、それでも、完結できました。PLのみなさんありがとう存じます。 お話自体は、そんなに大したものではありませんけれど。カルト教団の儀式を阻止するというオールドスタイルかつオーソドックスなテーマで、オリジナルの地域設定に日本神話を絡めて。神話の絡め方は、わたくしが大好きなグローランサ世界を参考にしたりもしました。 最終回でもドッキドキなこともございました。クライマックスたる神様の演技をPLにおねがしたりとか、ね。 そして、GMをやって良かったとも思います。良かったし、楽しかったし、やり遂げました! PLでこんな達成感、想像できません。自己満足じゃないか、ですって? それでも良いじゃないですか! さて、わたくしの中では、次のキャンペーンの準備に着手しています。PLの方々に継続参加していただけると嬉しいな。その前に「フィアスコ」とか「身罷り」とかのナラティブ系のシステムを試したいですが。
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2021/02/20 01:30 [web全体で公開] |
😶 キャンペーンも残すところあと少し ご機嫌よう。 昨年から続けているオリジナルのCoCキャンペーンも残すところあと少しとなりました。 今回はもう時間管理がめちゃくちゃになってしまいましたの。延長はせずに、大々的にシーンカットすることになりました。やはりと申しますか、一見自由な選択肢って進行を非常に損ないますね。そして、PLの方々が意外と何も覚えていないと申しますか……。こちらはフォロー不足もございました。冒頭でのあらすじをカットして途中で提示するつもりだったのですが、タイミングを見失ったりもいたしましたし。結構強制的な誘導もしましたし……。とにかく、そろそろ自由にしていただいても良いかなって思ったのですが、大誤算でしたわ。 また、今回は時間に関するギミック(残り時間のカウントダウン)を用意してみたのですが、消化不良になってしまいました。もう少し盛り上がるかと期待していたのですが、まだ結構時間があるように見えてしまい、なかなかどうして。 次回は本当に最終回です。ちゃんとエンディングにたどり着く自信はございますが、楽しんでいただけると良いのですけれど。
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2021/02/09 16:23 [web全体で公開] |
😶 お願い、PL 色々と考えていたのですが。 わたくしの個人的な実感ですが、GM未経験者からGMが難しそうに見える点は、結局、PLにどうお願いするか、なのかなという気持ちです。 お願い。あるいは、許して。見逃して。という場合も含めて。 PLにごめんなさいって言いにくいですよね。わたくしは割と簡単に言いますけれど。お願いできないと、何から何まで抱え込むことになって、非常に良くありません。 わたくしの卓では、最初にPLに以下のようなお願いをしてしまっています。毎回のセッションの開始前にお見せして、よろしいですね? と確認をしてから開始します。 ・お話を進めようとしてください。 ・お話の進行に影響がない範囲での茶番は推奨します。 ・特定のPCに発言等が偏っていることに気付いたら、他のPCに話を振ってください。 ・自分のPCが登場しないシーンでもPLとして意見を言って構いませんし、積極的に相談してください。 ・受け入れられない表現などがあったら意思表示してください。軌道修正します。 ・休憩したい、体調が悪い場合は速やかに申し出てください。 ・他の参加者への攻撃的言動は謹んでください。 ・自分の意思を押し通そうとしないでください。 ・意図して物語を壊すような行為をしないでください。 ・みなさんが楽しめるかどうかは、みなさん自身にかかっています。 当然のように思えることしか書いていませんね。でも、当然だからこそ確認するんですわ。 その上で、お話の進行などに応じて、「○○(という行動を)してください」「××(という行動を)しないでください」「△△(という要素)に注目しないでください」というようなお願いもしてしまう場合があります。
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2021/02/08 01:12 [web全体で公開] |
😶 依頼を断ることができないシステムのお話 ご機嫌よう。 TRPGでPCが依頼を断るという話は、人類が石器を発明した頃から続いている議論なのですが。それでいて、いつも初心者のGMを苦しめるポイントでもあると思います。 ですが、これってシステム(ここでいうシステムには世界も含まれます)にもよると思うのですね。そして、依頼を断ることが問題になるなら、依頼を断れないシステムについて知ってみるのも良いかと思います。 そこで今回は、わたくしの拙い知識から幾つかの例を紹介します。 RuneQuest: Glorantha の場合 依頼を断ることでPC側に不利益があるシステムの例ですが、PCは社会の一員であって、依頼というものは当然社会的なお仕事です。そしてPCにはそれまでの情熱やライフパスがあります。PLが世界に不慣れな場合など、依頼を断ろうとすることがあるかと思いますが、情熱的に断れないか、ライフパス的に断る動機がないか、それでも理由をつけて断るとしたら非常に大きな不利益があります。部族やカルトからBANされる、彼ら全てを敵に回す、など。 部族からBANされた場合、PCは生活の基盤をなくし、彼らを受け入れる社会が見つかるまでの間、流れ者として生きていくことになります。カルトからBANされた場合はより深刻で、魔法が当然の世界で魔法を失うことになります。Gloranthaは多神教世界ですが、BANしたカルトはもちろん、その友好カルト(事実上、その社会の全てのカルト)からの援助も失われます。 もちろん、部族やカルトからBANされ、苦労の末に他の社会に流れ着き、他のカルトに入信するというプレイは可能です。やりたいですか? そしてまた依頼を断りますか? そうして、世界の全てから居場所を失いますか? Vampire: the Masquarade の場合 氏族内でのPCの立場は大変に弱いので、やはり非常に断りにくいでしょうし、そうすることで(氏族内で生きるという)生存への保証を失いかねません。氏族を抜けて独立して生きていく……という選択は面白そうですが、ストーリーテラーが特に救済しない限り、長くても10日やそこらで全滅するでしょう。やっぱり氏族の庇護が欲しいですよね? 一度裏切った者には、もっと苛烈な使命を与えましょう。 Paranoia の場合 上記はゆったりとした社会的な処刑の例ですが、Paranoiaでは文字通り即時処刑されるだけです。この状況でミッションを断るなんてあり得るんでしょうか。ともあれ、次のクローンはきっとミッションを引き受けるでしょう。 それ以外でも適用できそうな多くの場合 依頼を断ることで冒険者の悪評が広まり、以降の仕事を受けられなくなるかもしれません。 これらの多くに共通しているのは、PCが既に依頼を受けなければならない状況下にある、ということかと思います。それを始めに説明しておいたら良いのではないかとも思います。 わたくしが知る限り、PCが依頼を断ることができ、それが当然の権利でもある例は、Travellerシリーズで自由貿易をしている場合でしょうか。通常の貿易をしている方が利益になるような依頼なら、断って当然ですね。というか、わたくしが知る限り、これが最も依頼の強制力がないパターンです。Traveller宇宙では、他のほとんどのTRPGと違って、依頼を断るということに対するペナルティを非常に与えにくい。なので、みなさん一遍Travellerをプレイしてみたら良いのでは……と思うのですが、日本では各シリーズ絶版ですね。あら。 とまれ。依頼を断られて困るのなら、断れないようにするか、断ったら巻き込む(この場合PCには報酬が支払われません)という展開を用意しておくべきかと存じます。これは想像ですが、典型的な例として困るのは、困っているので助けてください、といった内容の依頼かと思います。特にそれでPCに不利益がない場合、「なんで?」「やだ」「別の人に当たってください」といった反応になりやすいかと。そういった場合、同じ理由でPCを困らせてしまうこともできるでしょう。例えば「モンスターが現れて困っているので退治してください」という依頼に「そんなモンスターくらい自分たちで退治してくださいよ」と返したら、PCが当のモンスターに襲われて大変に困るという流れがあるかもしれません。 モノトーン・ミュージアムのように御標を下してしまうという場合もあるでしょうし、また別の極端な例では、フィアスコのように、その依頼を受けなかったことが、さらなる悲惨な状況に繋がる場合もあるしょう。 また、原則として、困っているので助けてください、といった類の依頼はなくすべきかとも思います。もしくは、断って欲しくないなら、こういう依頼があって受けました、という地点からスタートすべきかと。依頼を受ける過程が盛り上がりますか? 萌えますか? その妄想は捨ててください。そういう妄想は、シナリオの別の部分に振り分けるべきです。 もちろん、ハンドアウトで誘導してしまう、といった方法もあるでしょう。
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2021/02/06 01:29 [web全体で公開] |
😶 チェイスに焦点を当てたシナリオを試しましたの ご機嫌よう。 進行中のCoCキャンペーンの、難易度ではここが一番難しいはずのシーンを終えました。緊張しました。KPなのに、ずっとハラハラドキドキしていました。 4人中2人が不定の狂気、1人が一時的狂気に陥った状態での脱出劇です。この状態は事前に想定していた通りで、もちろん、狂気の内容は脱出できるように演出しています。PLの方々には狂気に関するロールプレイのお願いもしまして。 脱出劇の主体は、ランダム遭遇が大量にあるという前提でのチェイスです。CoCでチェイスだけで1セッションというのは無謀な挑戦な気がしますが、そこは工夫して仕掛けを。あろうことか、ランダム遭遇にすら、HPを喪失するイベントはもちろんのこと、SAN値を喪失するイベントや、情報イベントまで仕組まれており、これを作った人は殺意が高すぎ……まあ、わたくしなんですが。 チェイスですが、基本的にサタスペのケチャップのようなボードで行っています。ハザードの駒も用意していますし、パーティが複数に分割される場合の段組までしてあるという周到な用意で望んでいます。えっそんなズタボロのパーティを更に分割するの? という声もあるかもしれませんが、ええ、もちろんですわ。その方が盛り上がりそうなら、喜んで(ニッコリ。 締めはもちろん、バックストーリーの穢れです。 そして、結果ですが。 挑戦のしがいがありました。実際には、助からないルートは事前に警告している一つだけで、それ以外の全ては最終的に助かるルートなのですが、それでも、そう感じないように演出し、更にPLの方々が理不尽だと感じないように手を尽くす必要もございましたし、中にはイベントが仕組まれているとはいえ、だれないように工夫する必要もございました。 一方で、思ったほどたくさんのイベントは入れることができませんでした。 もっと強く追われているという演出をすれば良かったとも思いますが、PLの方もいい感じに狂気のRPをしてくださったり、楽しめたかと思います。
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2021/01/30 14:12 [web全体で公開] |
😶 SAN値をごっそり削る場面でしたわ ご機嫌よう。 PLの楽しさについてコメントくださったみなさま、ありがとう存じます。個別にお返事できておらず申し訳ございません。 さて。 CoCのショートキャンペーンも折り返し地点、SAN値をごっそり削る場面になりました。 前回から一ヶ月以上も空いてしまって、PLのみなさんはお忘れかもしれないあらすじをどうしようか悩んだ結果個別導入にしたり、開始直前になってシナリオに不足がある気がして30分で手入れしたり、それはそれはスリリングで楽しかったです。 一方で時間管理はバッチリ……と言いたいところですが、こちらも裏で調整したりPLの方々を急かしたりしまして、終了時刻はバッチリになりました。その場での調整が決まりました。その場とはいえ調整が決まると気持ち良いですね。 そして今回のセッションでは、開始直前に演目のお供という名目でお夜食を作ったり。今回はじめて作りましたが、その時間帯にいただくには罪深すぎるものができてしまいましたが、作るのも意外と良いなって感じたりしました。 さてさて。 問題のシナリオですが、わたくしには最初の方でPLの食いつきが悪く感じられて(個別導入にしてしまった所為もあるでしょう)ドキドキでしたが、地図を提示して今回の探索地点を明示したあたりからは、持ち直したでしょうか。直前に手入れした部分も、わたくしとしてはそうして正解だったように感じられます。PLは情報のいくつかを取りこぼしたりスルーしたりしていますが、後々フォローできるでしょうし、これらのフォローを考えるのもまた楽しいですね。 最終シーンは予定通りに進行し(というかシーン描写で終わりですが)、つづがなくSAN値をごっそり削っていただき、そのまま次回につながるシーンを演出しまして、わたくしとしては、概ね満足かしらん。 次回は更に挑戦的な仕掛けを用意していく予定です。今の段階では、上手くいくかしらといった不安半分、期待半分ですが、次回のセッションはそれほど間を開けずにできることになっていますので、それまでに完成度を高めていきたいです。わたくしが挑戦した分PLには楽しんで欲しいですわ。 といっても厳しい演出やロールプレイの要求もあるのですが。その辺りも含めて楽しんでいただければ。
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2021/01/17 23:10 [web全体で公開] |
😶 PLって楽しいんでしょうか? ご機嫌よう。 GM楽しいのにな、もっと気軽に挑戦する人が増えればいいのにな、って思っています。でも一方で、別に無理にGMに挑戦する必要はない、というのもその通りかと思います。 それで、いろいろ考えていたのですが、必要なのはテクニカルなお話ではなくて、GMがこんなに楽しい、っていう実感だと思い至りました。 一方で、PLとして十分に楽しいという側面もあるかと存じます。わたくしはPL経験が少ないので、PLがどれほど楽しいのか、その実感があまりありません。 ですので、PLって何が楽しいのか、コメントなどで教えていただければと存じます。
2021/04/10 16:50
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