寿さんの日記 「TRPGとは何か?その1「コンピュータRPGの今昔」」

寿さんの日記を全て見る

みんなの新着日記を見る

寿
寿日記
2026/05/24 21:38[web全体で公開]
🤔 TRPGとは何か?その1「コンピュータRPGの今昔」
(▼ ネタバレを含むコメントを読む。 ▼)最近、リメイク版のドラゴンクエスト2を遊んでいる。驚くほど遊びやすい。楽しい。

次の目的地は地図に表示されるし、敵の弱点も自動で出る。
戦闘はボタン一つでAIが勝手に進めてくれる。
昔みたいに「この敵にはメラが効くのか?」「誰が回復する?」
「守備力を上げるべきか?」などを毎回、細かく戦術を考えなくてもよい。

正直、とても楽で面白いし快適だ。

子供のころは、ゲームに何時間でも使えた。でも今は違う。
仕事や生活の合間に遊ぶので、快適さは本当にありがたい。
短時間でもサクサク進められる今のRPGは、今の自分にちょうど合っていると思う。

けれど、遊んでいるうちに、昔のRPGを思い出した。
特にウィザードリーだ。

あの時代のゲームは、今とはまったく違っていた。
まず、何も教えてくれない。
次にどこへ行けばいいのかも、自分で考える。敵の弱点も試しながら探す。
戦闘では「誰が何をするか」を一人ずつ決めなければならない。しかも一歩間違えれば全滅する。

そして何より特徴的だったのが、ダンジョンのマッピング。
ウィザードリィのPC版には、箱の中に方眼紙が入っていた。

つまり「自分で地図を書け」ということだ。
プレイヤーは鉛筆を持ち、一歩進むたびに線を書き込んでいく。
壁、扉、通路を少しずつ記録しながら、迷宮の全体像を探っていくのである。

だが、迷宮はそんな簡単には攻略させてくれない。歩いているうちに、突然地図が合わなくなる。

「なんで?おかしい」
「この壁はさっき反対側にあったはずだ」
「なぜか壁の中に入り込んでいる」

最初は自分が地図を書き間違えたのだと思う。
消しゴムで消して、また書き直す。それでもやはり辻褄が合わない。
そして何度も試行錯誤した末に、ようやく気づく。

「・・・ここが回転床のトラップになっているんだ」

床を踏んだ瞬間、キャラクターの向きだけがランダムに変わっていたのである。
しかしゲームは、そんなことを一切教えてくれない。
ヒントもない。説明もない。自分で異常に気づき、自分で法則を見つけるしかない。

今思えば、あれは単にゲームを遊んでいたのではなく、
未知の迷宮を、本当に調査していた感覚。本当の冒険。
だからこそ、発見した時の興奮は凄かった。

「ああ、そういうことだったのか!」

と理解した瞬間、自分が迷宮の秘密を解き明かした気分になった。

現代のゲームは、とても親切だ。迷わないし、詰まりにくい。
快適で、遊びやすい。それは間違いなく良い進化だと思う。
しかし一方で、昔のゲームには、「自分で世界を攻略している感覚」が確かにあった。

地図を書き、間違え、考え、また修正する。
誰も答えを教えてくれない中で、少しずつ迷宮の構造を理解していく。
あの苦労は大変だった。でも、だからこそ面白かった。
今でも、人生でもっとも熱狂したゲームは何かと聞かれたら、
おそらくウィザードリィを挙げるかもしれない。

TRPGも同じだと思う。昔のTRPGも、かなり「ウィザードリィ的」だった。
つまり、ゲーム側が全部を整理してくれない。

プレイヤー自身が、状況を把握し、情報を整理し、地図を書き、危険を予測し、
行動を宣言し、試行錯誤しながら進む必要があった。

たとえばダンジョン探索では、
「北へ10m進む」
「扉を調べる」
「床を槍で突いてみる」
「通路の幅を確認する」
「角から鏡を出して覗く」
みたいな行動を、一つずつPL自身が自分で考えて宣言して積み重ねていく。

GMも「では探索判定します」と便利処理で全部まとめたりしない。
今みたいに、まるで呪文のように「野営します」と唱えれば、自動で朝になるような進行はしない。
全てにおいて、PLが手順と段取りを考えてGMに提示しなければならない。
プレイヤー側が「どうやって探索するのか」を考える、思考ゲーム、知的ゲームだった。

だから、昔のTRPGは、キャラクターではなく、
“プレイヤー本人が迷宮を攻略する”感覚が強かった。

一方、現代寄りのTRPGは、シナリオ誘導、シーン制、情報保証、判定一発処理、
失敗しても巻き戻し可、演出重視、キャラクター感情重視の方向へ進んだ。
これはコンピュータRPGの変化とかなり似ている。手軽で快適で楽しい。
つまり、
昔:攻略そのものを遊ぶ
今:物語や体験を快適に楽しむ
へ重心が移った。

もちろん、どちらが正しいという話ではない。
現代型は、忙しい人でも参加しやすいし、詰まりにくいし、ドラマを楽しみやすい。
でも古典型には、「本当に未知の場所へ潜っている」感覚がある。
誰も正解を保証してくれない。
だから、
「この部屋おかしくないか?」
「この通路ループしてる?」
「今の音は何だ?」
みたいな、小さな違和感から推理が始まる。

そして、自分たちの判断で突破した時、強烈なカタルシスや達成感が生まれる。
だから昔のTRPGを語る人が、「冒険していた」と言うのは、かなり文字通りなんだと思う。
いいね! いいね!6

レスポンス

レスポンスはありません。

コメントを書く

コメント欄:(最大1000文字)

※投稿するにはログインが必要です。