出汁さんがいいね!した日記/コメント

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マダラ
マダラ日記
2020/06/04 23:39[web全体で公開]
😊 最果ての底庭 ちょっとあとのこと
(▼ ネタバレを含むコメントを読む。 ▼) 藍生さんのほうからそんな話してくるなんて、ちょっと珍しいですね。
 そんな常連客の言葉に、私はポットに紅茶を注ぐ手を止めてふっと顔をあげた。ティー・カップを透き通った夕陽の色が満たす小気味の良い音と共に、テーブルを柔らかな香りがつつんだ。

 え、そ、そうでしたか

「だって藍生さん、大体人の話をにこにこしながら聞く側じゃないですか」

 まあ、確かに、そうかもね。彼女の言葉に私は苦笑を浮かべる。
 客との会話でも、友人同士や家族の集まりでも、私はいつも聞き役だった。頬笑みを浮かべて話に耳を傾け、最後に紅茶を一口啜って気の利いたことを言う。それだけの役目。
 ずうっとそんな風に話の糸を手繰っていくと、だんだん引っ掛かりが見えるようになる。そんな絡まりを少し解いてみせたりしているうちに、いつの間にか周りから安楽椅子探偵なんて言われるようになってしまったけれど、それを特別誇る気にもなれない。だってそんな語り草になる事件と引っ掛かりに満ちているのは、私の人生じゃなくて、彼女らの人生なのだから。
 私はそれを聞くだけ、昔大好きで読んでいた物語とおんなじように、実家の大きな家の大きな窓から見る景色と同じように、それを眺めるだけ。贅沢な悩みだとわかってはいるけれど、それでも話を聞くたびに、誰かの人生と、そこに吹く風のことが羨ましくなってしまう。

 けれど、今日の私はちがった。

「ちょっと、話振った割には、妙に口が重いじゃないですか」

 そんな追及の言葉と共に向けられる視線から私は目を逸らす。今日の私にはとびきりの──全部は話せないくらいの──物語がある。そこに吹いている風は、いつも人から聞いて思い描いていたような清々しい希望に満ちたものではなく、生臭く、不気味な、想像もできないほど大きな生き物の吐息だ。

 無数の触手。乾いた血、ラットの死骸の匂い。

 どうかしましたか、という声が耳に突き刺さる。再び思考を目の前の現実に引き戻すと、私は、いつもと比べるといくらかおざなりな頬笑みを浮かべ──。

「いいえ。素敵な人と会ったというだけの話です」
 
──くすり、と笑った。

 そう、私が巻き込まれたことはきっと、この先誰に話しても取り合ってもらえないし、私自身の中でだって整理のつけられないことだろう。
 それでも、とにかく私は、あの時、あの場所で、一人ではなかった。どんくさくて足手まといな私のことも少しも邪険にせずに、些細なことまで気にかけて優しくしてくれた、あの人がいた。
あの人がいなければ、今の私はきっと生きていない。そういう人に自分が出会うなんてまるで想像もしていなかったけれど、でも、きっと、あの人はそうだったのだ。
 そう、そして、もしかしたら、これからも。

「そうですか? 何もなければいいですけれど、私たちの安楽椅子探偵に何かあったら困りますからね」

 客のそんな言葉に、私はにひりと、面白い悪戯を思いついた幼子のように唇を引き上げた。

 探偵、探偵ね。

 今まではばかばかしいと思ってたけど、へえ、そう、探偵ね。



「……やってやろうじゃん」
「何か言いました? 藍生さん」
「いいえ、何も言ってませんよ」

 小さな決意と、そして大きな希望と共に、私はいつもの完璧な微笑みを浮かべた。
 ティー・ポットから、最後の最後の、真っ赤な紅茶の一滴が落ちた。



〈おわり〉



はい、というわけで、6/3に開催された「最果ての底庭」(KP:りちゃ様)に参加させていただいたマダラのPC:縦坂藍生の後日談妄想的な何かでした。彼女は憧れる人に出会って、一つ夢が増えたんじゃないでしょうか。

マダラにとっては初の異性PCでの参加となりました。女性のRPをするのがほんとに難しかった……油断するとすぐに声戻っちゃうんだもの。
シナリオ自体はクローズドで、かなり探索のしがいのあるものだったように思います。クリア時には実際のセッション時間よりももっとずっと長いことプレイしていたような、そんな達成感と心地よい疲労感がありました。
その理由には同卓させていただいた こるめ様のPC、二見さんとの兼ね合いの楽しさもあるのかなと思ったり。PL相談は少なめで情報交換や相談のほとんどをRPでやっていたことに、セッション後のKPの感想を聞いて初めて気づいたくらい、一緒にプレイしていて心地よいキャラクターでした。PCの藍生にとってもそれは同じだったように思いまして、今回の後日譚は二見さんへの憧れマシマシです。

どう振り返ってみてもとても楽しいセッションでした。同卓させていただいたこるめ様、KPのりちゃ様、本当にありがとうございました。
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りちゃ
りちゃ日記
2020/05/31 00:25[web全体で公開]
😶 初キーパーを終えて
とうとうKPデビューということで、唯様作の「最奥の底庭」を回させていただきました。

何度ココフォリアをいじっても、何度シナリオを読み返しても緊張して緊張して、当日なんとかまわしきれてほっとしつつ、集まってくださったお二人の人柄に助けてもらったなあと感謝してもしきれないです。
芯のぶれないお嬢全て表示するとうとうKPデビューということで、唯様作の「最奥の底庭」を回させていただきました。

何度ココフォリアをいじっても、何度シナリオを読み返しても緊張して緊張して、当日なんとかまわしきれてほっとしつつ、集まってくださったお二人の人柄に助けてもらったなあと感謝してもしきれないです。
芯のぶれないお嬢様と天才少女の組み合わせは、噛みあいばっちりでずっとほっこりさせてもらえました。
情報量の多いシナリオで心配だったですけれど無事脱出してもらえてわがことのようにうれしかったです。
改めてありがとうございました。また機会があれば遊んでください。

また、準備するにあたって、ハウスルールとココフォリアのデザインを参考にさせていただいたあひるさん、読みスピードについてアドバイスいただいたそばうどんさんにも感謝いたします。
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