マコトさんの日記を全て見る
みんなの新着日記を見る
😶 CoC小話 「神の恵みの島の話」*やや脱線なので伏せます (▼ ネタバレを含むコメントを読む。 ▼) TRPGとはちょっと離れて、クトゥルフ神話の小説の話です。 とある方が「こういう話を書きたい」とおっしゃっていたのですが、クトゥルフ神話で書くなら、こういう感じになるかなぁという下書きです。 * * * 気がつくと、列車の中にいた。 ボックス席の並ぶタイプの古い列車だ。 正面に人が座っている。靄がかかったようでよく分からないが男性のようだ。 膝には猫がおり、男性が優しく猫を撫でている。 「こんにちわ」 と声をかけると、相手からもこんにちわと返事が返ってきた。 しかし、不思議な事に男性ははっきり声をだしているのに、僕はそれを文字として認識した。こんにちわという声ではなく、こんにちわという文字が頭に浮かぶのだ。 男性から貴方はどちらから来られたのですか、と言葉が投げかけられるなら、僕は分かりませんと答えた。 僕は声を出して話し、相手からは文字で話すという奇妙な状況ではあったが、僕はすぐにこの状況になれた。 男性の事は仮に先生と呼ぼう。この列車は「黄道十二宮鉄道」といい宇宙を円環して巡っている鉄道だという。先生は列車の旅の間、僕に色々な物語を語ってくれた。「炎の宝石」「古代エジプトの王女」「時を駆ける魔導士の冒険」など。どれもとても面白かった。 「神の恵みの島」 その島では、島民は神の恵みによって生活していた。 木に登って果実を採取したり、海で魚を捕ったりする必要がない。朝起きると、島民の家にその日に食べる食べ物がどこからともなけ現れるのだ。 働く必要のない、まさに神の恵みの島である。 島民は、働かなくて良いので時間を自由に使えるので、歌や踊りを踊って楽しく過ごしたり、絵画や彫刻などに時間をかける事が出来た。 先生の次の話も面白そうだ。そう思っていた。 ところが、気がつくと先生は、目の前から消えてしまっていた。慌てて周囲を見回す。 先生は列車内には見当たらず、焦りながらさんざん視線を巡らせた結果、窓の外、列車を下車している姿を見つけた。 もやがかかって分からないが、あれはこちらを見ているのか、それとも背中を向けているのか。 先生を追いかけようと列車を降りようとしたが、あいにく列車が動き出してしまった。僕は列車の窓を解放し、先生の姿を見た。先生は何か言っているようにも思えるが、頭の中に文字が浮かぶ事もない。 やがて、先生の姿が小さくなって見えなくなる頃、僕は夜空にさそり座が輝いている姿をみた。その時不意に僕は「また昇るから」という先生の声を聞いた気がした。 こうして先生と僕は離れ離れになってしまったが、黄道十二宮鉄道が宇宙を円環するなら、再び星辰がそろい、先生の「神の恵みの島」の続きを聞くことが出来るかも知れない。 * * * 神の恵みの島、島民に神の恵みを与える「神」とはどんな存在だろう、そんな切り口から行くとこの島に紛れ込んだ探索者が「神」の姿を見るとか、クトゥルフ神話らしさを盛り込んでいけそうな感じです。まだちょっと幻想成分とかそういう描写が希薄です。 しかし、この話をした数年前はクトゥルフ神話に結びつきもしませんでしたが、ネタを2~3年寝かせると、ふいに話が組みあがったりってあるものですね。
レスポンスはありません。
コメント欄:(最大1000文字)
web全体で公開 友達まで公開 本人にのみ公開 ※投稿するにはログインが必要です。