Keiさんの日記を全て見る
みんなの新着日記を見る
😶 シャドウランを作った会社のお話 ご機嫌よう。 会社の歴史シリーズは続けるつもりもなかったのですが、なぜか有名どころはあらかた紹介してしまいましたので、(たぶん)最後に FASA のお話をしましょう。FASA はこれまで取り上げてきた会社たちとは異なり何かしら大きく失敗したわけではございません。FASA 製品にはバトルテックやアースドーン、シャドウランなど日本語版になったものもあります。 とまれ、FASA の歴史は1980年にトラベラーのサプリから始まりました。宇宙船のデッキプランやアドベンチャーなどを公式ライセンスを得て製作・販売していましたが、きっちりとした図面や地図、一部製品は駒付きで高い評価を得ていたようです。特に元 GDW で働いていたキース兄弟の手によるものは好評でした。 そんな中1982年にスタートレックを発表してすぐさま人気を博すと FASA はトラベラーのサポートを終了し、自社製品に注力するようになります。 TRPG ではありませんがバトルテックはコンピューターゲームやアニメにまで派生するほどの大ヒットとなりましたし、ミニチュアフィギュアメーカーへのライセンス事業も成功し、このことは後にミニチュアフィギュアの大手ラルパーサ買収に繋がります。 TRPG に関しても80年代半ば以降メックウォリアー(バトルテックを TRPG として遊ぶためのルール)、シャドウランと立て続けにヒットを飛ばしていきました。90年代に入るとアースドーンが発売されますが、こちらは賛否両論だったのかしら。一方でスタートレックに関しては、80年代後半に発売されたサプリメントに不満を抱いたライセンシーによって89年にライセンスが剥奪されました。 さて、これまでの会社の歴史シリーズで紹介してきたように、多くの TRPG 会社は90年代には勢いが衰え、特に90年代半ばには MtG の流行などで大きな打撃を受けるのですが、FASA はそうなりませんでした。先に書いたようにバトルテックはコンピューターゲームにもなり(FASA 自身が子会社を設立したほか、いくつかのゲーム会社にライセンスされました。90年代末には FASA の子会社はマイクロソフトに買収されました)収益を上げ続けたばかりか、没入型のコクピットコントローラーまで作られるほどでした。加えて1994年に放送が開始されたバトルテックのアニメシリーズの成功もあります。もちろん一方で、バトルテック・カードゲームは失敗しましたけれど。 そして2001年、FASA は突如事業を閉鎖します。 財務は健全でしたが、経営者は TRPG やボードゲームの市場は縮小すると考えましたし(実際に90年代後半から実績は下落傾向でしたし、2001年当時 FASA の TRPG タイトルはシャドウランだけが辛うじて利益を上げていたという指摘もあります)、ライセンス事業は好調でしたが同じことを続けてやる気がなくなり、このまま事業を続けるのも面倒なので辞めることにしたそうです。意味わからないですわよね? ともあれ、FASA のあらかたの権利は創業者の一人が2000年に新しいミニチュアゲーム(ヒット作となったそうです)を作るために新たに創業した WizKids という会社に売却されましたが、ゲームの権利は幾つかの会社との間を行ったり来たりすることになります。というか WizKids 自体が2003年に Topps というトレーディングカード(カードゲームではなく、ビックリマンシールのようなもの)の会社に買収され、2008年には更に売却されます。この時シャドウランの権利は Topps に残りますが、最終的に Catalyst Games にライセンスされました。 FASA は今でもライセンス管理会社として存続しています。2012年に FASA Games という子会社を新たに設立し、ゲームの開発はそちらで続けられています。 因みにマイクロソフトに買収された子会社は MS FASA スタジオとなりますが2007年に閉鎖されています。
レスポンスはありません。
コメント欄:(最大1000文字)
web全体で公開 友達まで公開 本人にのみ公開 ※投稿するにはログインが必要です。