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😆 先日のデッドラインヒーローズのセッションが面白かったので「その後のデッドマン」 (▼ ネタバレを含むコメントを読む。 ▼)「よう兄弟。元気だったか、ってのは、お互いに愚問か」 ここは、海底刑務所。手に負えないヴィランを収容する為の、世界で最も厳重な監獄だ。 そこへ、バーで知った顔に会ったかの様に酒瓶を提げて現れたのは、“ラストヒーロー”「デッドマン」ジェイル・マイヤースだった。 呆れた顔で迎える牢獄の相手の前に、気にした風もなくグラスを二つ置き、バーボンを注いでいく。 「聞いてくれよ、今度の事件もまあ、酷いもんさ…」 気が向いたら会いに来い、そう言ったのはこの男の筈だが、度々グチりに会いに来るのは彼の方だった。 「…ってな訳でな? 事の原因はヴィランじゃなく、その国の権力者共だったって事だ。流石の俺も閉口したよ。…おいおい、『そら見た事か』って顔をするんじゃない。話がそれで終わりじゃないんだ」 バーボンを煽り、デッドマンは続けた。 「…そんな様を見て、ヴィラン共は口々に言う。『旧世代共は成長しない。同じ事ばかり繰り返す』とな。そして決まって『超人種が旧世代を管理するべきだ』とくる。だが俺には、どうしてもそれが納得できなくてな」 指を組み、虚空を睨むデッドマン。 「…相手が石を持てば、こっちも石を握る。剣を構えれば剣を、銃を向ければ銃を、爆弾なら爆弾だ。…パワーを使うなら、パワーで対抗する。そこに、何の違いがある? 俺が思うに、超人種であるかないかに、大した意味なんてない」 にやりと皮肉な笑みを浮かべ、デッドマンは相手を見た。 「多分な、大戦末期にどこかの馬鹿が、『凄い超能力を持つ人間が増えれば、世の中上手くいくんじゃないか』ってガキみたいな夢想のままに、世界を書き換えちまったんだろうな。実際には、何も変わりやしない」 相手の顔を見て、デッドマンは肩を竦めた。 「そんな顔をするな。だから諦めるって話をしてるんじゃない。…俺も、お前に会って初めて考え始めた事だがな。人間ってのは、未だどんな生き物も達成した事のない、偉大な事を成し遂げる為に生まれたんじゃないのか、ってな」 笑い声に、デッドマンは顔を顰める。 「柄でもない事は解ってる。だがな、自分らの意志で環境すら変えてしまえる生き物は、人間だけだ。地球の生き物全てを滅ぼすほどの力なら、前代未聞の災厄から生き物を守る事だって、きっとできる。そういう挑戦を続けているのが人間だとするなら、そう簡単に成功するはずもないのさ」 グラスの中身を飲み干し、デッドマンは立ち上がった。 「そう考えるなら、守ってみる価値もあるんじゃないか? たとえ、まだ一度も成功していない試みだとしてもだ」 自分に言い聞かせる様に言うと、デッドマンは踵を返す。 「また来る。話を聞いてくれてありがとよ、兄弟」
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