小笠原ナカジさんの日記 「「最果てのレイル」未谷よつばの後日談。」

小笠原ナカジ
小笠原ナカジ日記

2020/07/18 04:53

[web全体で公開]
😶 「最果てのレイル」未谷よつばの後日談。
(▼ ネタバレを含むコメントを読む。 ▼)がたん、ごとん。
がたん、ごとん。

おつきさまをこえて
あまのがわをこえて
せいざをつなぐれっしゃが
ほしのくにをはしりぬけています。

なきむしなひつじさんがめざめると
そこはほたるのようにきらきらとひかる
たくさんのおほしさまがかがやく
おおきな、おおきな、うちゅうのうみのまんなかでした。


スケッチブックいっぱいに描かれた、様々な色できらきらと光を放つ星たち。
藍色に揺蕩う宇宙の真ん中には、星の光をなぞるように走る一台の汽車。
あの日、夢のような冒険の中で見た美しい風景を忘れないように、丁寧に、だけど思うままに絵の具を走らせていく。

「ううん…もっときらきらしてた気がするのですけれど…。」

思ったようにあの素晴らしい光景が上手く表現ができずに、しばし閉口した。
すると傍らでメールチェックをしていてくれた担当編集者さんが一息入れませんか、とキッチンへと姿を消していった。
ぐっと背伸びをして腕を伸ばすと、背中がぽきぽきと音を鳴らす。

「はい、先生はココアでよかったですよね。」
「ありがとうございます。」

手渡されたマグカップの中には淹れたてのココア。
指先から伝わる熱さに気をつけながら受け取り、小休憩を取ることにする。

「今回のイラストってなきむしひつじのシリーズの新刊のやつですよね?綺麗な宇宙ですねえ。」
「いえ、まだまだ全然です。本当はもっと綺麗なきらきらした星空を描きたいのですが…。」
「うーる。先生、今回の絵本、とってもこだわってらっしゃいますもんね。」
「こだわり…うーん、そうですね、確かに思い入れはあるかもしれませんね。」

担当さんの感心したような笑い声に、思わずといった風に苦笑を漏らしてしまう。
思い入れ?と担当さんが目を輝かせるのを見て、内緒です、と笑ってみせる。
それは、私たちだけのとっておきの秘密の冒険なのですもの。
温かくて牛乳の濃い味が好きな私のためにミルクを多めに混ぜてくれたそれを一口飲み下しながら、そっと目を閉じて記憶の海に思考を沈めていく。

地球から観測できる星図からはおよそかけ離れた、もっと遠くの外宇宙の天体。
宇宙空間という間近から見る星々のきらめきは、自分が夢に見て想像していたよりもっとずっと美しくて見とれてしまったのを覚えている。
あまりにぴかぴかと光ってみせるものだから、思わず手を伸ばしそうになったなんて。
そんなことを言えば、きっとあのおふたりが血相を変えて私を抑えたのかもしれないなあと、こみ上げる笑みが抑えられずくふっと息を漏らしてしまう。

そう、きっとあれは夢だったけど、確かに経験した、ちっぽけで大きな大冒険だった。
まるで銀河鉄道さながらの旅路。
不思議な少年や少女、見たこともないような星の住人に、おとぎ話や空想をこれでもかと詰めたようなどこか温かくて優しい乗客さんたち。
そして、星の合間を縫うようにひた走る列車の中で出会った、とても素敵で心強いあのおふたり。

「新キャラのうさぎとタカのキャラクターも魅力的ですよね。おまわりさんと…旅する物売りさん、ですか?」
「ええ、おふたりとも、とっても素敵なお友達なんですよ。」

羽戸さんは可愛らしい女性なのに、とてもまっすぐで、正義感の強い、信念を持った警官のお姉さんだった。
女性だてらに、いつも私たちの前に立ち、率先して引っ張ってくれたリーダーのような人。

会沢さんは凄くリアリストな男性で、混乱しながらも状況を冷静に判断して、必要な情報や道具を的確に揃えていっていた参謀とも言うべき存在。
初対面の異星の人々にも、臆することなく言葉巧みに交渉していく姿は、流石古物商といった印象だった。

たった数時間だったけれど、私にとっては、かけがえのない大切な仲間で。
泣いてばかりの羊が勇気をもらう、特別な存在なのだ。

「ユニークで素敵なキャラクターですね!不思議な旅の仲間にぴったり!ラフに描かれてた、おうちを忘れた仔犬も、迷子になった子猫も、みんな可愛らしくて先生らしいなって思います。」
「ふふ、ありがとうございます。」

大切な人たちを褒めてもらったような気分になって、つい照れ笑いをこぼした。

「でも、いつものなきむしひつじのお話よりちょっぴり大人っぽいっていうか…ううん、なんだか少し大人の人にも向けて描かれているような気もしますね。」
「あらあら、気づかれちゃいましたか?」
「ええっ先生どういうことですか?」
「約束したんですよ。」
「約束、ですか?」
「ええ、約束です。」

絶対に見つけるからって。
ここにいるよって、知らせるからって。
だからこっそり、メッセージを込めてみたの。

目が覚めて数日後、点けっぱなしにしていたテレビの報道番組で流れた名前に、はっと意識を奪われた。
記憶より幾ばくか年かさの増した少年の照れくさそうで、時折泣きそうな、だけど心から嬉しいと微笑む表情を目にして、ほうっと目尻が垂れ下がった。
それと同時に、あの記憶が私の夢だけのものじゃないと痛感した。

だから、この絵本を描かなければいけないと思ったのだ。
綺麗なだけの、楽しいだけの記憶じゃなかったけど、それでも確かにみんなと約束をしたから。

「星座を繋ぐように、人と人とが繋がるように、一度繋がった縁は、ずっとずっと続くから。」
「どうしたんですか先生、急にロマンチストじゃないですか。」
「絵本作家はいつだってロマンを求めるものですよ。」

少しだけ口を尖らせて担当さんに抗議をしつつ、マグカップに残ったココアの最後の一口を飲み干す。

「さて、元気もいっぱいになったことですし、頑張って描き上げてしまいましょうか。」

いつか再会するその日のために、気合を入れて腕まくりをして、スケッチブックに向き合い、絵の具を滑らせていく。

大丈夫、きっとうまくいく。

心の中できらめく星のような思い出と約束したんだもの。


まいごになったなきむしひつじ。
たくさんのふしぎなひととであって
うちゅうをぴょんぴょんとびまわって
とうとうおうちへかえるとびらをみつけます。

ゆうかんなうさぎのおまわりさんと
ものしりなたびのものうりのたかさんと
おうちをわすれたこいぬのおとこのこと
おなじまいごのこねこのおんなのこ。

みんなでいっしょにてをつないで
にじいろのゆめをふわふわすすみ
ひだまりのにわへとびこみました。





この数分後、再びメールチェックをしていた担当さんから聞き覚えのあるおふたりの名義でのメールが出版社に届いたことを知らされて思わず筆を落としてしまうなんて、この時は想像もつかないのですけれども。


ーーーーーーーーー
じゃーがさん卓「最果てのレイル」、無事生還致しました!
いやあ…すっごくえもいシナリオでした…。
詳細言うとネタバレ凄くなっちゃうんですが、あの、銀河鉄道ちゃんと読んできます…!

相も変わらずりちゃさんとマダラさんのRPが上手いのなんの。
本当に足を引っ張りまくっていたので、申し訳ないやらありがたいやら。
羽戸さんも会沢さんも滅茶苦茶かっこよくて終始にやけていたり。
羽戸さんの臆さずに前へ進み、単身で汽車を飛び移ったシーンなど本当にヒーローのようでときめいたし、会沢さんのリアル言いくるめの上手さや不器用な優しさに胸が高鳴っておりました…!
また、KPのじゃーがさんが優しすぎるし感情移入させてくるしでもう本当あなたって人は大好きだ!って気持ちでいっぱいでした。
本当にね、終わってから色々情報をお伺いしてうるっときたっていうか、実は本気で泣いていたなんて(実話)。
素敵なお土産も重ねて感謝申し上げます…!宝物にしますね!

今回の反省としては、技能ギャンブラーなので能力値を50以上にあまりしなかったので、結構な回数ダイスロールに失敗したことかなと思っております。
先日の日記にもありますが、少し尖った技能値の割り振りも、今後はチャレンジしようかな。
あと思った以上に自宅探索者のよつばが暴走機関だったので、やっぱり私に大人しいキャラは無理だなと実感した次第です。
い、いつか再チャレンジするんだい…!

実は今回、TRPG(ゆうこや含む)始めてからセッションに参加した回数が2桁になった回でもありました。
いつもゆうこややCoCでお世話になっているお三方とご一緒できたこと、素敵な思い出になったなと感じています。
本当に本当にありがとうございました!

※ご一緒させて頂いた方のお名前を間違えて記載しておりましたので訂正させて頂いております、大変申し訳ございません…!
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りちゃ
りちゃ小笠原ナカジ

2020/07/18 15:45

[web全体で公開]
> 日記:「最果てのレイル」未谷よつばの後日談。
うーる先生の新作…!!
悶絶、悶絶しますこんなの。

星座を繋ぐ列車っていうフレーズすごく好きでした。
道行が作った繋がりでしたし、みんなでひとつのものを作った雰囲気がとても伝わってきて。
羽戸をうさぎになぞらえてくださったのも、細かいところまでイメージ拾っていただけたなあとうれしかったです。

今回のナカジさんは暴走というより、移動砦というイメージで、「ここに砦をつくるぞー、おー!」って建築されたらそこから楽隊付きの破城槌がごろごろと相手の門に向かっていくという、実際は落ち着いた声と調子だったので賑やかさは前向きさだとか圧を和らげているイメージなんですけど、ゆるぎない意志めいたものは感じておりました。
未谷さんもそういう強さは感じましたけど、すごく大人しいキャラクターだったのですよ!時々感じる強さが単におとなしいとかおっとりとか以上の魅力をキャラクターにつけてると思います。すごいことだと思います。

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