司さんの日記 「【放浪者紀行】第一篇|記録 08」

司
司日記

2026/10/27 17:56

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😶 【放浪者紀行】第一篇|記録 08
「若い頃の苦労は買ってでもせよ」と申します。

しかしながら、苦労を売っている店というのは、寡聞にして存じ上げません。売っているのなら、できれば値札を見てから考えたいものですが。

そして、失敗というものは、買わずとも向こうからやってまいります。こちらが望んでもいないのに、実に気前よく。

さて、今回の旅では、少しばかり、そんな失敗について考える機会がございました。

ソード・ワールドには、経験点というものがあります。

冒険を重ね、経験点を積み、技能を伸ばす。報酬を得て、武器防具を新調し、昨日は敵わなかった魔物に勝てるようになり、使えなかった魔法を覚える。冒険者の成長とは、実にわかりやすいものです。

しかし、人との付き合い方や状況判断というものは、目に見えて上達するわけではありません。

何を尋ねればよいのかわからない。言わなくてもよいことを口にしてしまう。相手の気持ちを考えたつもりが、かえって傷つけてしまう。大切な場面で、思い切った決断ができない。しっかり考えて口にしたのに、顰蹙を買ってしまう。

こうした、目には見えず、数値化もできない失敗。

これを、仮に「RPでの失敗」と呼んでみましょう。

この「RPでの失敗」というやつは、悲しいかな、1ゾロを振ったときの50点の経験点すら貰えません。

言葉の掛け方を100回間違えたところで、冒険者レベルは上がらないのに。

しかし、私は思います。
失敗など、山ほどすれば良い。

「あのとき、ああすればよかった」
「今度は、同じ失敗をしたくない」

失敗することと、省みることは、セットで人を成長させます。

失敗した冒険の後悔から生まれる決意が、駆け出しの冒険者にとって、数字では表せない「経験点」として蓄積していくのではないでしょうか。

私は、強い敵を倒せるようになることだけが、PCの成長だとは考えておりません。

レベル1のPCが、初めて出会った誰かに何を言えばよいかわからず、悩みながら言葉を探す。そんな経験も、戦闘やダンジョンに潜るのと同じくらい、大切な冒険であってほしいのです。

もちろん、失敗したからといって、必ず報われるわけではありません。取り返しのつかないこともあるでしょう。

Life goes on.

今日の失敗が実を結ぶのは、明日ではないかもしれない。この物語の中ですら、ないかもしれない。

それでも、いつかどこかで、私の知らない誰かを救っていただければ。

本卓で過ごしていただいた時間にも、意味があったのだと思います。

上手に生きる必要はありません。ただ、自分の足で歩き、自分の言葉で誰かと向き合い、その先に何があるのかを見ればいい。

そんな思いで世界を描く案内人は……些か無責任かもしれませんが。

DONT PANIC.

役立たずのガイドブックを手に、旅行へ出かけよう。

記録日:2026-10-25
記録者:liberbook
本文文字数:約1,141字(改行除外)
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