【クトゥルフ神話TRPG】飢えの果てにの内容【TRPGシナリオ・セット】
基本情報
| アルファるふぁ  シナリオ・セット  2 | |
| 登録日:2018/08/23 00:43最終更新日:2018/09/05 16:25 | 
| タイトル: | 飢えの果てに | 
| TRPGシステム: | クトゥルフ神話TRPG | 
| 適正プレイ人数: | 3~5人 | 
| 適正レベル: | なし | 
目次・解説など及びシーン情報
目次・解説など:
ネタバレには一切配慮しておりませんので、この中の情報はなるべくPLに見られないようにしてください
{ゲームオーバー条件}
・PCのワンシーンにおける全滅
・PC達が途中で仕事を放棄して帰宅する
・PC達が一般市民を攻撃する(一部シーンを除き梨花も含む)
{用語解説}
・九頭龍市
 人口17万人の海岸都市。物語の舞台。漁業が盛んだが、外国から過激派宗教組織が密航してくるケースも多々ある。中心部に九頭龍市警が存在する。
・九頭龍市警
 九頭龍市担当の警察署。神話生物を持ち出す過激派宗教組織の増加に伴い、強力な重火器及び刀剣の使用許可が「神話生物とそれを使役する人間」に対して全面的に許可されている。機動隊も存在。PCの所属は捜査一課の「大林班」
・「インスマウスの子」
 かつて九頭龍市に存在していた、大いなるクトゥルフを崇める過激派宗教組織。九頭龍警察によって壊滅した。九頭龍に住む食屍鬼たちを使役していたが、彼らが壊滅してからは食屍鬼たちは好き勝手に暴れまわるようになった。
・ヒトガタ事件
 インスマウスの子が起こした事件。拉致した少年の体に多くの神話生物の遺伝子を埋め込み、怪物にさせた。ディープワンを増やすことが目標だった、というのが通説。
・蓮田家
 九頭龍市の前身である「九頭龍村」の名家。儀式を司どり、代々村を守り続け、子孫を村中に広めたとされる。
{名有りNPC}
・蓮田 梨花
 本シナリオの最重要人物。車椅子に乗った黒髪ロングの17歳の少女。病弱で筋力も低いが、食屍鬼の気配を感じ取る能力を持っている。彼女を同行させ、九頭龍市のどこかにある食屍鬼の大規模コロニーを発見するのが、探索者達の目的。
・蓮田 実花
 梨花の姉。ゆったりとした服に身を包んだ黒髪ショートの22歳の女性。亡くなった父母に代わり、妹の面倒を見つつ家の管理を行っている。先祖代々から続く蓮田家の歴史に詳しい。
・大林 大吾
 PC達の班のリーダー。九頭龍市警部。47歳。ステータス製作の必要なし。班の事務やその他細かい調整を担当するため、PC達のバックアップや行動指示に専念することになる。ボサボサのコートとジョリジョリの顎髭が特徴。
・藤木 新太郎
 PC達の班の事務担当。九頭龍市巡査。26歳。ステータス製作の必要なし。班の事務やその他細かい調整を担当するため、PC達のバックアップや行動指示に専念することになる。度の強いメガネと縞々ネクタイが特徴。
{登場神話生物}
・食屍鬼
人間の死骸を食らう、犬に似た顔の怪物。個体の多くが人間の突然変異。九頭龍市に潜伏している団体がおり、夜な夜な街に現れて徘徊している。かつてはインスマウスの子に奴隷扱いされていたが、インスマウスの子の壊滅以降統率を失った集団が九頭龍市で暴れている。
元々はチェンジリングによって人間の中に潜伏していた食屍鬼が日本に来た集団。
・九頭龍鬼
食屍鬼とよく似た別の生物。本作オリジナル。事情を知らない探索者には食屍鬼表記にすること。
食屍鬼とは違い、蓮田の血を受け継いだ人間が変化して誕生する。食屍鬼よりも気性が荒く、生きている人間も積極的に襲う。
外見的特徴として、額からツノが2本生える。食屍鬼と比べて体が目に見えて黄色っぽい。瞳の色は総じて金色。
・ステータス(通常)
STR 2d6+12
CON 2d6+6
SIZ 2d6+6
INT 3d6
POW 2d6+6
DEX 2d6+7
移動 9
武器
・かぎ爪 40% 1d6+db
・噛みつき 30% 1d6+db(牙でなぶる)
・九頭龍鬼の巫女
ラスボス。本シナリオオリジナル。
蓮田家の血筋が濃い若き女が、ごくごく稀に変化する、九頭龍市の人食い鬼の希少個体。人間には雑音にしか聞こえない歌を歌い、わずかでも蓮田家の血を受け継いだ人間を九頭龍の人食い鬼に変える。
外見は変化前の人間そのものだが、額からツノが二本生え、体の色が黄色を帯びる。瞳も金色になる。
・ステータス(通常)
STR 2d6+12
CON 2d6+6
SIZ 2d6+6
INT 3d6
POW 2d6+6
DEX 2d6+7
移動 9
武器
・かぎ爪 40% 1d6+db
・噛みつき 30% 1d6+db(牙でなぶる)
・唄う 30% (1d100で5以下が出た対象を1ターン行動不能にさせる)
<導入モノローグ>
「飢えから逃げる術はない。誰もが飢えから逃れられない。飢えを満たせなくなれば、ただ狂っていくだけ」
<シーン1>6月11月
深夜11時。九頭龍市警のバン。この場では全員知り合いという扱いだが、必要ならばこの時点で自己紹介を済ませておくこと。
運転手は探索者の一人。技能は必要ない、皆が運転免許を持っていないなら、モブの運転手にすること。
大林警部から無線
大林「そろそろ通報のあった場所だ、準備しろ!神話生物及びそれを使役する人間は、確認次第積極的な排除を、だ。わかってるよな?」
バンが止まる。場所は市南の小さな公園。複数の九頭龍鬼が動かない女性に群がっている。
{SANチェック}
・九頭龍鬼を目撃したことによるSANチェック。対象はPC
成功で0 失敗で1D6の消費
・貪り食われた人の死骸を目撃したことによるSANチェック。対象はPC
成功で1 失敗で1D4+1の消費
大林からの無線
大林「状況は?食屍鬼はいたか?」
探索者が状況を伝える。大林は言う。
大林「遅かったか…通報者は殺された。お前らには市民を守る義務がある。戦ってくれ、そして勝て!バケモノを生かして帰すな!」
探索者達が接近すると、九頭龍鬼たちは探索者に一斉に襲いかかる。
{戦闘開始}
PCの数から一人引いた数の、九頭龍鬼と戦闘。
先述の描写で運転手がいる場合、戦闘直前に九頭龍鬼に襲われて死亡させること。
戦闘終了後、九頭龍市警の応援が駆けつける。
応援の刑事に事情を説明していると、突然雨が降り始める。探索者は、雨の向こうにツノの生えた少女を見る。
シーン2へ
(医学、もしくは応急手当を持つPCは、この間に同技能を二回使用できる)
(武器の弾や耐久力はこの間に回復できる)
<シーン2>6月14日
午後4時。探索者は大林班の部屋に集まっている。食屍鬼対策に関する会議だ。
班リーダーの大林警部警部は、隣の車椅子の少女を紹介する。
大林「もう既に説明を受けていると思うが、もう一度言っておくぞ〜。彼女は蓮田梨花。彼女は食屍鬼の存在を感知できる能力を持っている。この九頭龍市の食屍鬼を一掃するために、今回彼女の能力を活用させてもらう」
梨花「…初めまして」
探索者は目星か心理学を振っても良い。
目星に成功したなら、梨花の瞳は日本人特有の黒ではなく金色であることがわかる。
心理学に成功したなら、梨花の様子は神話生物を恐れる様子が全くない事に気付ける。
どちらかがクリティカルなら、探索者は梨花から人間味を外れた印象を受ける。
大林「具体的には、ま、梨花さんを連れ回して九頭龍じゅうを回って、食屍鬼が多そうなポイントを炙り出す。お前たちが見付けた巣穴に機動隊を送る、と…まあそんな具合だ。頼んだぜ」
藤木巡査が心底嫌そうに書類の束を見つめる。
藤木「僕も外回り行きたいなあ」
大林「俺たちは書類とにらめっこだぞ」
藤木「わかってますって」
探索者達が藤木に対して同情したり、書類仕事の手伝いを進言した場合、大林は「お前らは言われた仕事を全うしろ、俺らがデスクワークする意味がなくなんだろが。ここは任せて先に行け、ってな!」と言う
会議の最中、部屋に女性が入ってくる。部屋に入るなり探索者を見渡し、女性は頭を下げる。
女性を見た大林は、手を差し出しながらその女性を紹介する。
大林「彼女は蓮田家の現当主の蓮田実花さんだ。梨花さんの姉にあたる」
実花「初めまして、どうか梨花を宜しくお願いします」
大林「くれぐれも失礼のないようにな!」
藤木は実花を見て、驚いたように声をかける
藤木「あ、父の葬式の…」
実花「藤木さんですね?覚えています。お父様のお葬式以来ですね」
藤木「そのセツではどうもお世話になりました」
大林「なんだ知り合いか〜?どうやらお前らはお邪魔のようだ。さ、早く捜査に行ってこいホラ!」
大林は探索者を部屋から押し出す。
大林「何かあったら梨花さんを守るんだぞ〜」
探索者達は部屋から出て、車椅子に乗った梨花を連れて九頭龍市じゅうを探索することになる。
{探索開始}
一つの地区につき、1日経過していると言う設定。
・九頭龍市 北
 東の漁港から獲れた魚を加工する工場が多数存在する地区。輸送トラックが多い為交通渋滞が起きやすい。
かつて、ここにあった廃工場がインスマウスの子の実験に使われ、ヒトガタ事件において大きな役割を担ったとされている。
梨花「何も感じません。ここではないみたい」
聞き耳を振っても良い。その場合、梨花が探索者以外の何者かに話しかけているのがわかる。
梨花「ここで怖いやつが生まれた。あれはどうなったのかな…」
・九頭龍市東
 九頭龍市の特産である漁業を支える漁港が多く存在する地区。鼻が曲がるほど磯臭い。
この場所から密入国する過激派宗教団体も多く、パトロール中の私服警官も見受けられる。
梨花「何も感じません。ここではないみたい」
聞き耳を振っても良い。その場合、梨花が探索者以外の何者かに話しかけているのがわかる。
梨花「本当にやるの…?」
・九頭龍市南
 都市化が進んでいない田舎町。昭和以前の錆びた看板や、蟲や蛙の鳴き声が目立つ。
 蓮田家の家もここに存在する。
梨花「ここじゃないです。間違いありません」
この場で梨花に心理学を行い、成功すれば、明らかに嘘っぽいと気付ける。
目星と幸運に成功した場合、陰に隠れて探索者達を監視する九頭龍鬼を見付けることができる。
その後、追跡に成功した場合、九頭龍鬼3体との戦闘となる。
このことについて、梨花は何も言わず、沈黙する。
・九頭龍市西
 住宅地が最も多い地区。隣町から来る人間も多い。ヒトガタ事件の被害者である山本大助少年の住居もここであったとされている。
 現在の市長宅や市役所はここに存在している。墓地も存在する。
梨花「何か…いるかもしれません。こっちです」
梨花の指示通りに進むと、そこは墓地であった。目星に成功すれば、落胆した様子で墓地から離れようとする食屍鬼がいるのがわかる。
{SANチェック}
食屍鬼を目撃したことによるSANチェック。対象はPC。成功で0、失敗で1d6
その後追跡技能に成功すれば、九頭龍市中央の食屍鬼の巣へたどり着く。
・九頭龍市中央(後述の会話イベントの後に探索可能に)
 オフィス街。九頭龍市警察署はここにある。
 インスマウスの子のアジトがここにあったため大規模な銃撃戦が展開されたが、現在ではすっかり復興して元のオフィス街として賑わっている。
梨花「…ここだと思います。すごくたくさん…」
周囲を探すと、路地裏で、何かから逃げるように慌てた様子の食屍鬼が現れる。
{SANチェック}(先に西を探索した場合は免除)
食屍鬼を目撃したことによるSANチェック。対象はPC。成功で0、失敗で1d6
逃走する食屍鬼、追いかける探索者。
足止めとして食屍鬼4体が現れる。戦闘開始。
食屍鬼はマンホールを開け、地下下水道に入り込んでいく。
先に待ち受けているだろう多くの食屍鬼にバレずにそれを追いかけるには、追跡か隠れるか忍び足を使う必要がある。
>分岐
・A
バレずに追いかけられない場合
大林警部に電話し、状況報告。
大林「無理に行く必要はねえ、お前らが囲まれて全滅するよりゃマシだ。上に報告してそこに機動隊を送り込む手はずを整えてやる。戻ってこい」
藤木「あ〜腹減ったなあ!最近、お腹がすぐ空くんですよ」
大林「ベジタリアンだつって腹持ちの悪いもんばっか食うからだろ…あぁ、悪い悪い。よくやったぞ、皆。これで出世間違いなし!ってなガハハハ」
シーン3へ移る
・B
追跡可能な場合
梨花を置いて下水道に入って行けば、食屍鬼の話し声が聞こえる。
聞き耳に成功すれば、食屍鬼の会話を聞くことができる。
食屍鬼A「九頭龍鬼ども、どうやら警察を利用して俺らを排除するつもりらしい」
食屍鬼B「バカな。俺らは人なんか襲ってないぞ」
食屍鬼A「そこらへんも含めて俺たちになすりつけるつもりなんだろう」
食屍鬼C「折角変な教団から解放されたと思ったら、こんな目に遭うなんて!」
食屍鬼B「火葬文化だから肉は食えねえ、武装警察がうろついてるからチェンジリングもできねえ。ここは最悪だ」
食屍鬼A「九頭龍鬼がここ最近活発に動くようになったのはどうしてだ」
食屍鬼C「指導者でも現れたんじゃないの?」
食屍鬼B「そうだとしたら、そいつのせいだ!そいつのせいで俺たちは警察に目をつけられて…」
脱出後、大林警部に状況を報告。
大林「そうか…食屍鬼たちの他に何かしらの勢力が…?とにかく、今夜そこに機動隊が送り込まれる。まずは食屍鬼をどうにかしねえとな」
藤木「あ〜腹減ったなあ!最近、お腹がすぐ空くんですよ」
大林「ベジタリアンだつって腹持ちの悪いもんばっか食うからだろ…あぁ、悪い悪い。よくやったぞ、皆。これで出世間違いなし!ってなガハハハ」
シーン3へ移る
{会話イベント}
最初の探索の後、九頭龍市警察署に場面が移り、以下の会話が始まる。探索者はその場にいるので、口を挟んでもいい。
途中経過の報告に、探索者達は一旦警察署へ戻る。
すると、大林と藤木と実花の3人が談笑をしていた。
大林「実花さんの家は蓮田でしたよね?」
実花「はい、そうです。今は私が管理をしております」
藤木「蓮田って、九頭龍じゃ有名な家ですよ。お一人じゃ大変でしょう…」
実花「祖先を守るためですから、平気です」
大林「それで妹さんの面倒も見て…ハァ〜素晴らしい。ご立派だ」
藤木「そうですねえ。あ、蓮田っていえば、あれですよ。飢饉越えの儀式!」
大林「ああ、九頭龍市が九頭龍村だった頃、蓮田家の神主か何かが儀式をして…」
実花「その結果、村は平安時代の飢饉を乗り越えた。そして、他の村と交流して、大きくなっていたんです」
大林「名家、と言う感じがするなあ。実花さんがご実家を大事にされるのも納得です」
実花「直接家名を継いだ私だけが特別じゃありません。九頭龍市の人間の多くは、蓮田の血を受け継いでいると私は考えます」
藤木「じゃあ、僕ももしかしたら?」
実花「私の親戚なので、あり得ますね」
大林「ほお〜…おい、何突っ立ってんだお前ら。さっさと食屍鬼探してこいホラ。梨花さんは絶対守り通せよ〜」
会話が終わり次第、探索者達は街へ探索に出かける
シーン3へ
(医学、もしくは応急手当を持つPCは、この間に同技能を二回使用できる)
(武器の弾や耐久力はこの間に回復できる)
<シーン3>
夜中、今頃は機動隊が食屍鬼の巣の殲滅を行なっている頃。
探索者達は仕事を終え、警察署から出て帰路につこうとしていた。
だが、目の前に複数の九頭龍鬼が現れる。
{戦闘開始}
PCの数と同じ数の、九頭龍鬼と戦闘。
戦闘後、警察署から悲鳴や怒号、銃声や爆発音が鳴る。
警察署内に入ると、同僚の警察官と九頭龍鬼の集団が戦っている。多くの死体が辺りに転がり、署内の景観が破壊されていた。
警官「大林班か!?入り口はなんとかするから、奥へ行ってくれ!数が多くててこずってる!」
入り口で奮闘する警察官の指示に従って署内を進む探索者達。二階のロビーにたどり着くと、そこには額からツノが二本生え、体の色が黄色を帯びた、金色の目の女がいた。
探索者達は、それが神話生物だと直感する。
{SANチェック}
九頭龍鬼の巫女を見たことによるSANチェック。
成功で1d6。失敗で1d10。
人間に似た神話生物の近くには、うずくまる藤木と大林の死体があった。(GMの判断で大林の死に関するSANチェックを行って良い)
神話生物は突然、不可思議な声と不可思議なメロディで聞いたこともないような不快な歌を歌い出す。すると、藤木の体が変化し、九頭龍鬼となった。
大林の死骸を引き裂き、貪り始める九頭龍鬼。探索者が呼びかけても「肉が食べたい」と述べるだけ
梨花「お姉ちゃん!」
探索者の向かい側の通路で、梨花が叫んでいる。
探索者は、九頭龍鬼の巫女が実花であることに気付く。
実花「どうしたの、梨花…お姉ちゃんと一緒に、皆のための街を作ろうって言ったよね…」
梨花「私は…」
実花「この子達はかわいそうでしょ…?日本は人を火葬にしてしまうし、人を攫ってもいけない…皆お腹が空いてしょうがないの」
藤木「ウグウッググウ…」
梨花「わ、私は…」
実花「梨花もこの子達の気持ちがわかるようになったんでしょ?だから…皆がお腹いっぱいになれる街を作るの…」
梨花「皆…」
実花「そう、皆。飢えから逃げる術はない。誰もが飢えから逃れられない。飢えを満たせなくなれば、ただ狂っていくだけ。私は皆が飢えずにすむ街を作るの…」
探索者達は梨花の説得を行える
{梨花の説得}
・その場のPCが説得、信用、心理学のいずれか2つを成功させる。
・GMの納得するセリフのロールプレイを行う
以上のうちどちらかに成功することで、梨花の説得が成功する。参加は、その場にいるPCのみ。人数は自由。
<分岐>
『ED1・二人の巫女』
・シーン2の分岐でAになった場合
梨花「…わかった。お姉ちゃん」
実花「良い子、良い子…」
梨花は車椅子から立ち上がった。角が生え、体が黄色味を帯び、梨花の姿が変化していく。そして、梨花は九頭龍鬼の巫女と化す。
{戦闘開始}
2体の九頭龍鬼の巫女と、1体の九頭龍鬼と戦闘。
戦闘終了後、2体の九頭龍鬼が息も絶え絶えに、お互いに近づく。そして互いの手を握った。
梨花「お姉ちゃん…もう、お腹空かないで良いの?」
実花「そうだね…もう、いいよ…」
そして、二人は死んだ。
食屍鬼の巣制圧に成功した機動部隊が戻り、九頭龍市警察署を襲撃した九頭龍鬼の集団も無事殲滅された
一ヶ月後、九頭龍市警は復旧を終えようとしていた。
大林警部が殉職したあとの大林班は解体され、大林班に所属していた探索者は散り散りになった。(ここで各探索者のエンディング)
そして、梨花の車椅子だけが、いなくなった主人を待ち続けている。
『ED2・死者からの手紙』
・九頭龍市西経由で食屍鬼の巣にたどり着いたあと、分岐Bとなった場合
梨花「いや…そんなの嫌!」
実花「悪いこだね…じゃあ、仲良しになった人達を食べたら、考え直してくれる?」
{戦闘開始}
1体の九頭龍鬼の巫女と、1体の九頭龍鬼と戦闘。(九頭龍鬼は任意で増やして良い)
戦闘終了後、梨花が車椅子から降り、自分の足で歩き出す
梨花「お姉ちゃん…」
角が生え、体が黄色味を帯び、梨花の姿が変化していく。そして、梨花は九頭龍鬼の巫女と化す。
九頭龍鬼の巫女は、姉を抱えて逃げ出した。
食屍鬼の巣制圧に成功した機動部隊が戻り、九頭龍市警察署を襲撃した九頭龍鬼の集団も無事殲滅された
一ヶ月後、九頭龍市警は復旧を終えようとしていた。
大林警部が殉職したあとの大林班は、蓮田姉妹に関する一連の事件が解決していないものとして、未だ存続している。(ここで各探索者のエンディング)
そして、梨花の車椅子だけが、いなくなった主人を待ち続けている。
ある日、ネットやテレビを見ていた大林班の元へ手紙が届く。
そしてほぼ同時に、探索者達は、蓮田家の家で姉妹の遺体が見付かったニュースを知る。
『ED3・因習の果てに』
・会話イベントを聞いた後に分岐Bとなった場合
・分岐に関係なく、梨花の説得に成功した場合
梨花「いや…そんなの嫌!」
実花「悪いこだね…じゃあ、仲良しになった人達を食べたら、考え直してくれる?」
{戦闘開始}
1体の九頭龍鬼の巫女と、3体の九頭龍鬼と戦闘。
(九頭龍鬼は九頭龍の巫女が生きている限り無限湧き。倒されたら即補充。九頭龍の巫女を倒した後で倒すと戦闘終了)
(九頭龍鬼は九頭龍の巫女を積極的にかばう)
戦闘終了後、梨花が車椅子から降り、自分の足で歩き出す
梨花「お姉ちゃん…」
角が生え、体が黄色味を帯び、梨花の姿が変化していく。そして、梨花は九頭龍鬼の巫女と化す。
九頭龍鬼の巫女は、姉を抱えて逃げ出した。
食屍鬼の巣制圧に成功した機動部隊が戻り、九頭龍市警察署を襲撃した九頭龍鬼の集団も無事殲滅された
一ヶ月後、九頭龍市警は復旧を終えようとしていた。
大林警部が殉職したあとの大林班は、蓮田姉妹に関する一連の事件が解決していないものとして、未だ存続している。(ここで各探索者のエンディング)
そして、梨花の車椅子だけが、いなくなった主人を待ち続けている。
ある日、ネットやテレビを見ていた大林班の元へ手紙が届く。
手紙を読み終えた探索者達は、新たな上司である柳警部の命令で蓮田の家へ向かう。
蓮田の家。大きな玄関をくぐれば、そこには、喉に包丁を刺そうとしている梨花がいた。
梨花は、探索者を見ると、包丁を取り落とし、泣き出した。
梨花「…私、本当は死にたくない!お腹いっぱいご飯を食べたい!外で走り回りたい!でも…でも…私は、この家に生まれたから…私は…九頭龍鬼の仲間として生まれてきたから…!」
探索者は、梨花の後ろに実花の死体があることに気付く。姉と同じ場所で眠りたいと思ったのだろうか。
梨花はさらに泣きじゃくる。
梨花「普通の家で、普通に生まれたかった…嫌!もういやぁあ…!」
九頭龍市警察は、蓮田梨花を保護した。彼女はもう、蓮田家の因習に囚われることなく、自分の意思で生きていけるだろう。
その未来を守れるかどうかは、彼女を守ると決めた探索者達に委ねられている。
以上でシナリオは終了。
{アイテム}
・梨花の手紙
探索者達宛に梨花が送ったもの。内容は以下の通り
『大林班の皆様、お久しぶりです。お元気でしょうか。あの時は、逃げてしまってごめんなさい。
 皆さんに、私の知る全てをお伝えします。
 貴方は自分の故郷のことを知っているでしょうか。自分の故郷の歴史の中に、おぞましいものが潜んでいることはあったでしょうか。自分の祖先に邪悪がいたならば、その血を受け継いだ子孫はどうなるのでしょうか。
 九頭龍市と蓮田家には、おぞましい因縁がありました。九頭龍市が九頭龍村であった頃、大飢饉に陥りました。食料に困った村人達は、神職であった私の祖先を頼りました。私の祖先は飢饉に対し、屍肉を食うように人間を作り変えることで飢饉を乗り越えました。
 具体的な方法はわかっていませんが、それは成功し、九頭龍村の人間は九頭龍鬼として生き延びました。そして、屍肉を喰らう九頭龍鬼となった村人は、他所の村の人間と結ばれ、今に至ります。九頭龍市の人間の多くは、彼らの血を引いているんです。私と姉もそうでした。
 私たちは、ご飯をお腹いっぱい食べることができませんでした。私の家はかつての威光はとうに失われていて、歴史書と大きな家が残るだけ。両親が事故死したあと、障害者である私を姉が育てるのは、大変な苦労だったのです。家主としての責任から、それらを売ってしまうこともできず…
 ある日、様々なストレスで、姉はついに壊れてしまいました。変な歌を歌い出したのです。そして、その歌につられて、たくさんの九頭龍鬼が私の家にやってきました。姉は、「私たち姉妹は九頭龍の神職の血を引いていて、今も飢えに苦しむ彼らを救わねばならない」と言いました。
 姉が連れてきた女性の伝手で、私たちは警察の協力者となりましたが、あれは姉の提案で、九頭龍市警と九頭龍市に住んでいた邪魔なグール達を一気に追い出すためでした。あとは、皆さんが知っている通りです。
 私たちがいつから九頭龍鬼と似た存在になったのか、よくわかりません。でも、産まれたときからそうだったのかもしれません。私の先祖が儀式を行ったあの日から、私達がこうなることは決まっていたのだと思います。
 最後に、誰かにこのことを伝えることができてよかった。私はもう、こんなことを繰り返しちゃいけないと、考えました。蓮田の血を絶やすことで、全てが終わります』
手紙は以上で終わっている
読み終えた結果、読んだPCは九頭龍市の因習に恐怖し、SANチェックを行う。成功で0、失敗で1d2。
【クリア報酬】
ED1
・SAN値1d6+1の回復
・戦闘技能の技能値を一つだけ1d6増やして良い
・【アーティファクト】『歌う巫女達』 効果:使用時、一回だけ技能ロールを振り直せる。使用した場合、消滅する。
ED2
・SAN値1d10+1の回復
・【アーティファクト】『死者からの手紙』効果:使用時、一回だけSANを1d6回復する。使用した場合、消滅する。
ED3
・SAN値1d10+1の回復
・戦闘技能の技能値を一つだけ1d6増やして良い
・【アーティファクト】『因習の涙』 効果:使用時、1d100を振る。50以下なら一回だけSANチェックをスキップできる。使用した場合、消滅する。
		| シーンNo. | 種別/発言者 | コマンド/説明 | 
|---|---|---|
| シーンは設定されていません。 | ||
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本作は、「株式会社アークライト」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。 Call of Cthulhu is copyright (C)1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc. Call of Cthulhu is a registered trademark of Chaosium Inc. PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION

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