よりさんの日記 「腕に刻まれる死 後日譚」

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より日記
2020/08/06 20:18[web全体で公開]
😶 腕に刻まれる死 後日譚
(▼ ネタバレを含むコメントを読む。 ▼)キーを打つ。白ばかりの画面に文字を埋める。
白と黒で描くのは、瞼に残る赤い光景。
想像力を駆使して行うはずのこの作業に割く労力が、いつもより少なく済む現状が妙に不思議だった。


現実離れしていた一連の出来事について、敢えて言葉を濁した理由に保身が含まれていたことは否定しない。
信用してもらえるに値する話とは思えず、共に解決を試みた人の中には一時的とはいえ狂気を抱いた様子を見せた者がいた。
自分も”そう”かと判断されることを避けたかったのだ。
手を動かさなきゃ仕事にならず、休んだところで保障があるわけでもない生業で食べているのもある。それに、何より、自分は今のこの仕事が好きなのだ。
「先生しばらく休みましょうか」なんて言われることを想像するのは、正直身震いするほど恐いことだった。
幸いにも意識を途絶えさせたまま病院に運び込まれた人間の、何も覚えていないという主張は信憑性が高かったらしい。それ以上の追及がなかったことに甘えたのである。

(……けれど)

決して、あれほどの犠牲を出した事件を、新聞の三面記事で済ますようなものにしたかったわけじゃなかった。

そう思ったところで、全ては後の祭り。事件に対する証言の少なさは、様々な立場のわが身が可愛いものにとっての追い風になったのだろう。
こちらにそのつもりがなかったとしても、結果的には悪手となった。導いてはいけない方への舵取りを手伝ったことになる。
そんなことばかりだなと思う己の脳裏に蘇るのは、粉々に砕かれた、赤くて温かい、誰かだった石像達。

気付くと、部屋の中には沈黙だけが満ちていた。
いけない、とひとつ呟きを落して、無意識に止めた手を再開させる。
無音の中に響くタイピングの音は酷く心地が良くて、靄のかかる脳内が少しずつ晴れていくようだった。

知らずと重ねてしまった罪を、永遠に胸に抱えて生きていくような優しい人間ではない自覚はある。それでも、明るみに出るべきものが葬られていくのを笑顔で見送るような真似もしたくなかった。
なら、自分ができるのは一体何か。


鋭意制作中の新作小説の舞台は、郊外に置かれた医療系の研究所。
前触れもなく発生する無差別バイオテロ。
事件の裏にあったのは、最愛の人の生を望んだ者の深く哀しい狂気に満ちた愛だった。


プロットを読んで「…いつもと少し傾向が違いますね」と言葉を選び抜いたコメントをくれた担当編集の明らかに強張った顔は、いくらか新鮮なものだったなあと思い出す。

どれほど小さな記事で扱われた事件であっても、当事者が周囲にいる場合の解像度は格段に上がるものだ。
余程鈍い人間でなければ連想するのは容易だろうし、気付けば長い付き合いとなったその人が愚鈍な人間であるはずがない。
それでも、あくまで『覚えていない』を貫いた自分の「インスピレーションが湧いたんです」という言葉に何も言わなかったのは、これまでの信頼関係に加え、自身があの研究所を紹介したという負い目もあったからだろう。
そういった、所謂“良心”というところを利用したのだろうと言われたら否定はしない。


思考が僅かに道を外しても、今度は音を途絶えさせることなく、好調な速度で白に黒を並べていく。
記憶に新しい光景に、虚構も混ぜて貼り付けていった。
あくまでフィクションとして書き上げる理由には、やはり保身も入るのだろう。
結局、自分には事件の記事を限りなく小さくさせた存在に真っ向から立ち向かう資格などは無い。
だから、そういう役目は、別の人に託すのだ。

エンターキーを打って改行。そこでまた少し手が止まる。
視線はモニターから天井へ。腕を組んで小さく唸った。
親の身を案じる者として呟く一言の候補が浮かんでは消え、浮かんでは消え、を繰り返す。
書いたことのないタイプの人を動かすのは大変だなと、小さく笑った。

物語の舞台は郊外の研究所。
事件は凄惨なバイオテロ。
立ち向かう主人公は、家族思いの雑誌記者。

結末にあるのは、もちろんハッピーエンドだ。


──────
腕に刻まれる死、後日譚でした。

シナリオ終了後でお話していた某PCの将来的なものを勝手に混ぜちゃったのですが、ダメだったら直します!
あの後に連絡先でも交換して、彼の進路を把握してたりしたら歌川は間違いなく彼を主人公にするだろうなと思って書きました。
安心してください、小説にお姫様抱っこは書かれません。多分。
しかし、この歌川氏、肝心の胸熱ラストを目撃していないのである…ほんと、回避、大事。
所長の最期の言葉も彼として聞いておきたかったなぁ。


セッションについては、長い時間やっているのに少しもダレないというか、いつまで経ってもハラハラドキドキで楽しかったです!
おそらく、KPさんや見学者の皆さんの方が余程ハラハラされていたのかとは思いますが。笑

今回のシナリオは、ご一緒できたPLさんの誰が欠けてもあのラストには辿り着かなかったと思います。
どのセッションでも思っていることではあるのですが、今回は特にそう思いました。
KPさんの温情も大変有難かったですし、温情を与えてもいいだろうというところまでやれたのはPLの皆さんのおかげです!

セッション中の歌川の反省点は多々ありますが、個人的一番は鞄にしまわれたままの重要アイテム…!!
彼は最年長というのもあって、とにかく『同行者の避難&怪しい病気の進行を止めること』を一番の目的に動いておりました。
多少の悪いことなら不可抗力だろう。使えるモノは使おう。が彼の行動指針だったわけですが、なんでもかんでも鞄に放り込んでいたら持ち物が増えたせいで大事なものが埋もれるという…
何より時間はあった筈なのに無造作に入れることしかしないで、目星を振ったりひとつずつ見る発言をしなかったことが一番いけない。
得た情報は全部ちゃんと確認しないといけないと心に刻みました。
ちなみに最初からそのアイテムに手を伸ばした理由は情報云々よりも、人質ならぬ物質にしてNPCを脅せるかな?という考えによってだったり…

PCの行動指針は上記のとおりなので、副所長のアレはPL的には土下座ものですが、PCとしては仕方がない道だったかなあと思ったりもしています。
今度POW高めのSAN盾PC作る時は、なんでも突っ込むバーサーカーor全員仲間にしちゃう戦隊モノレッド(概念)を作りたいですね。
実は歌川は流卓となってしまったセッションの時に作られたPCで、なんとか使ってやりたくて今回のセッションに連れて行きました。いくらか推奨技能あるしいけそうかな?と思って…
故にコンピュータ技能とか無くてほんとすいませんでした!

説得持ちが役に立たなかった例の件については、むしろ良いフラグを立てる為に必要だったのでは?と開き直っておきます。笑
可愛い女の子と可愛い女の子はいい…

ネタバレなしの感想は書いているので、他に書くこと…って考えたら一人反省会みたいになってしまった!笑
まあ、自分への戒めとして一応残しておきます。

罠もヒントもたくさんあって、最後の解説で何度もああ~、となったシナリオでした。
本当に楽しかったです。

最後にバッチリ主人公をやってくれて、自然体でみんなに愛されるRPが光っていたマダラさん(蘇芳くんめっちゃかわいい)
素晴らしい閃きで的確なご意見を投げてくれ、探索以外のところでは類い稀なセンスでこちらの腹筋を壊してくださったれるさん(やるじゃん、が面白すぎて息できなかったです)
PC的には紅一点のはずなのにあらゆるヒーロームーブを掻っ攫い、ヒーラーとしても大活躍なスペクトラムさん(時折蘇芳くんをちくちくいじめるRPも好きでした)
これだけの情報量のあるシナリオを長時間に渡り回していただき、物語の最後まで導いてくださったKP、Adamさん
本当にありがとうございました!このメンバーでセッションできて本当に楽しかったです。
また同卓の機会がありましたらよろしくお願いいたします!

見学の皆様もツッコミを入れつつ見守って(?)いただきありがとうございました。
後から副音声を見返すのも楽しかったです。

今度は私も副音声の立場やってみたいなと思ったので、もし卓が立ったら見学しに行きます、と宣言して締め。
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