悠愛さんの日記 「KP、あなたの「正解」はどこにありましたか?」

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悠愛
悠愛日記
2025/08/26 04:05[web全体で公開]
😶 KP、あなたの「正解」はどこにありましたか?
これで、本当に最後の日記になります。
私が卓を去った後、残された仲間たちは、KPからこの物語の「真相」を聞かされたそうです。
その内容は、私が抱いていた最悪の予感が、あまりにも正確だったことを証明するものでした。

仲間を助けることは、間違いだった。
探索者として効率的に行動することも、間違いだった。
私たちが生き残るための「正解」は、仲間を見捨て、少女を人気のない場所に連れ出すという、犯罪的な行動の先にあったのだと、KPは語ったそうです。

なぜ、そんな常軌を逸した行動が「正解」だったのか。
その理由は、私たちの卓の外にありました。
このセッションは、とあるTRPGのプレイ動画を元ネタにしていたそうです。
そして、KPが用意した「正解ルート」とは、その動画の中でプレイヤーたちが取った行動を、寸分違わず再現することだったのです。

私たちは、TRPGをプレイしていたのではありませんでした。
私たちは、KPが信奉する「聖典(元ネタ動画)」の筋書きをなぞるだけの、再現役者に過ぎなかったのです。

議論の最中、私はKPに問いました。
「あなたは、KPが想定した唯一の正解ルートを踏み外せば、即座に罰を与えるんですね?」と。

彼は、こう答えました。
「いいえ。私の想定しないルートであっても、それに正当性があれば私は通します」

今なら、その言葉の真意がわかります。
あの言葉は、PLの自由な発想を歓迎するという、誠実な約束ではありませんでした。
それは、絶対的な審査員である彼が、舞台の上の私たちに投げかけた、傲慢な問いかけだったのです。

「お前たちは、聖典に記された正解を選ぶか? それとも、この私を唸らせるほどの、聖典を超える奇跡の即興劇を演じてみせるか?」と。

彼の言う「正当性」とは、私たちのロールプレイの中に、キャラクターの中に、そしてゲームのルールの中にさえ、どこにも存在しなかったのです。
それは、KPの頭の中にだけ存在する、彼の主観的な「面白さ」という、あまりにも曖昧で、不公正な採点基準でした。

私たちは、TRPGという対等な遊びに参加したつもりでした。
しかし、実際には、KPというたった一人の観客を満足させるための、終わりのないオーディションの舞台に立たされていただけだったのです。

私たちのキャラクターは、物語の主人公ではありませんでした。
私たちのダイスの出目も、必死のロールプレイも、彼を「楽しませる」ための余興に過ぎませんでした。
私たちは、ただ彼の脚本通りに踊り、彼の望む「エモい」結末を演じるための、使い捨ての人形だったのです。

この日記を読んでくださった、どこかのあなたへ。
もしあなたが参加した卓で、自分の行動の「正当性」をKPの胸先三寸で決められていると感じたなら。
もしあなたが、KPの「想定」や「期待」に応えることばかりを求められていると感じたなら。

どうか、思い出してください。
TRPGは、誰か一人を楽しませるための見世物ではありません。
あなたは、誰かの脚本を演じるための役者でも、誰かの採点を待つ挑戦者でもない。

あなたは、その物語の、紛れもない主人公なのだということを。
そして、その主人公の物語を、KPごときに終わらせる権利など、決してないのだということを。
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