こるめさんがいいね!した日記/コメント page.8

こるめさんがいいね!した日記/コメントの一覧です。

りちゃ
りちゃ日記

2020/06/17 10:20

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😶 銃弾の貫くものは それから
窯の戸を開くと赤銅色の景色が広がる。
すぅ、と息を吸い込むと肺が温かい空気に満たされ、笑みがこぼれるのがわかった。
陶芸家の端くれとして飽きるほど繰り返し見てきたけれど、それでもこの景色、この瞬間が一番好きだ。

練りが雑だと壁に混じった気泡が焼成中にはじけてしまうし、積み方が悪いと重みで歪全て表示する窯の戸を開くと赤銅色の景色が広がる。
すぅ、と息を吸い込むと肺が温かい空気に満たされ、笑みがこぼれるのがわかった。
陶芸家の端くれとして飽きるほど繰り返し見てきたけれど、それでもこの景色、この瞬間が一番好きだ。

練りが雑だと壁に混じった気泡が焼成中にはじけてしまうし、積み方が悪いと重みで歪んだり欠けたりしてしまう。
含んだ水分によって縮み方は変わるし、釉薬の発色だって思った通りにいかないことはしょっちゅうだ。
そう言った後戻りのきかない工程のその入り口なのだけど、いつだって不安よりも胸が高鳴った。
この力強い炎がくよくよした気持ちになんてさせてくれないのだという気もする。


今日の作業分をすべて窯に入れ終えて一息つくと、風がさあと吹きぬけた。
作業場の方でがたがたと戸が動く音が聞こえて慌てて駆け戻ったが、待っていたのは餌をねだる野良猫だった。

ここ数日はどうも気持ちが浮ついているなと思う。
戸口や電話が気になって仕方がない。
あの子が何の気の迷いか、陶芸教室にやって来はしまいかと。


これは別に浮ついた気持ちじゃなくて、純粋に心配からだ。
どうやったって思い出したくないものを思い出してしまうということもあるだろうし、陶芸というのはそういう時にうってつけだと思うのだ。

粘土を練って、ひもを積んで、形をたてる。
ろくろを回している間は余計なことを考えている余裕はないだろうし、失敗したってやり直しがきく。
自分と折り合いをつける時間だ。そして、丁寧な仕事をすればするだけ応えてくれる。

釉薬を塗り、焼き上げる。
黄色、橙、紫、桃、赤、空色。
鉄赤結晶釉、雪白結晶釉、禾目トルコ結晶釉。
大きく塗ってもいいし、縁にアクセントをつけるくらいなのもいい。

窯の火はあの子の目にはどんな風に映るだろう。
最初は圧倒されて、そしてだんだんとわくわくした気持ちになるだろうか。
そうであってほしい。だってそれは本当に暖かいのだ。
赤い太陽のように。

そして吹き飛ばしてやってほしい。
あの子の中の雨雲を。
あの子の色が、自責の雨に負けないように。

あの子は何を作りたがるだろう。
湯呑か、茶碗か、最初は皿がいいかもしれない。
どんなものだっていい。それが教えてくれることがあるだろう。
ほんのささいな作品を焼き上げた自分も、確かに自分のひとかけらなのだと。

そんなひとかけらで、がらんどうの静かな部屋が埋まって行ってくれたなら。
いつか窓が開いて風が吹き込むだろうか、陽が差し込んでくれるだろうか。


今日も陶芸教室は閑古鳥だ。
ふと思い至ったのだけれど、名刺を渡したくらいだとあちらも遠慮というか気後れしてしまうのじゃないだろうか。
これは決して浮ついた動機からではないのだけれど、電話でお誘いくらいしてもいいのかもしれない。
ちょうどタイルの欠けたのが足元に落ちていた。これをはじいて表が出たら電話しよう。裏だったらそのなんだあれだ。

コイントスの要領でタイルを指ではじいた。
くるくると飛び上がったタイルは、練りかけの粘土に垂直に突き刺さった。


ーーーーーーーー
先日、無機物様キーパーで雪空鈴音様作の「銃弾の貫くものは」に参加させていただきました。

急遽シナリオが変更になったりして、あわせてキャラクターを変えたのでどうなるかなと心配でしたが、案の定難しかったです(笑)
老け顔のそんなに売れていない陶芸家のおじさん。一般社会の常識からあんまり外れたキャラクターにしたくないなという今日この頃なのもあって、不思議空間と向き合うのに時間がかかってしまいました。単身部屋をふらふら出てしまったとき追いかけてくれた赤井くん、ツ―マンセルのときにお相手してくれた横田くん本当にごめんねありがとう。多々良くんとの心理学バトルは笑った。

という訳で後日譚妄想です。
Superflyの「フレア」を聞きながら、書いていたらなんだこれ(笑)になってしまいました。PC含めて登場キャラクターの心のきずがどうなるのかいつも気になってしまうのですが、何か劇的な出来事があって全て解決ってことはないと思っていて、こつこつと「私は私のままでいい」と思えるかけらを集めていくしかないんじゃないかなあと、そんな思いを下心のかけらもないじゅんすいな安土稔(35)に乗せてみました。ネタバレ回避ラインを迷いましたが、どうなんでしょう。大事なところには触っていないと思いたい。問題あったら畳んだ形式に上げなおしたいと思います。

改めまして、サンタさん、木枯らしさん、かいかいさん、そしてキーパーの無機物さん楽しい時間をありがとうございました。シナリオ製作者の雪空鈴音様にも感謝です。
またよければ一緒に遊んでください。
いいね! 8
Kadena
Kadena日記

2020/06/15 02:15

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😢 こぼれおちていくもの
TRPGがめちゃめちゃ楽しい真っ盛り。

卓のあとに、次の卓が決まっていったりするエンドレス楽しいループが
自粛期間の終焉を前に徐々にスローになっていきます。

ああ、もっと遊びたい。
もっとたくさん笑ってドキドキして、嘆いて、絶望したい…。
ダイスの女神になんでや!なん全て表示するTRPGがめちゃめちゃ楽しい真っ盛り。

卓のあとに、次の卓が決まっていったりするエンドレス楽しいループが
自粛期間の終焉を前に徐々にスローになっていきます。

ああ、もっと遊びたい。
もっとたくさん笑ってドキドキして、嘆いて、絶望したい…。
ダイスの女神になんでや!なんでファンブル出すねん!って言いたい。

毎日日が変わるギリギリ前に帰ってくる生活に戻りたくないのに。
その日々が近づく足音はすでに聞こえ始めているのです。

楽しい時間って、どうして終わってしまうんだろう。
最初は両手いっぱいに掬っていたはずなのに。
いいね! 15
より
より日記

2020/06/14 23:36

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😶 初KP(一応)終わりました
身内卓の、お互い初心者での1対1。
つまり、互いに甘いしグダグダだったので、これをKPデビューにしていいかどうかはわからないですが!

現在身内卓だと、どちらかというとPLやりたい経験者達がKPで付き合ってくれている現状でして。
私もKPとして回せるようになれるといいのではないかと、私もと同全て表示する身内卓の、お互い初心者での1対1。
つまり、互いに甘いしグダグダだったので、これをKPデビューにしていいかどうかはわからないですが!

現在身内卓だと、どちらかというとPLやりたい経験者達がKPで付き合ってくれている現状でして。
私もKPとして回せるようになれるといいのではないかと、私もと同じく初心者である友人に持ちかけたら「探索の経験積みたいと思ってたから」といってくれたのでやってみました。
……が、色々とダメダメでしたね!
情報の出し忘れがあったり、描写があまりうまくなかったり、で………精進します。

まだ実際にやってなかった頃に見たリプレイ動画の中で、回してみたいなと思ったシナリオもいくつかあるのでこれからも練習頑張りたいです。
いいね! 12
ハニカラ
ハニカラ日記

2020/06/14 00:15

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😟 6月14日の誕生日(個人的)
(▼ ネタバレを含むコメントを読む。 ▼)そうですか…このオンセンSNSも4歳になったのですか…
…そういうなら私も色々とこのサーバーではお世話になりました!
おめでとうございます!オンセンSNS!
これからも永遠に!オンセンSNS!















P.S(とんでもなく個人的)
…私も誕生日なんですよね…この日は…
いいね! 30
より
より日記

2020/06/14 00:07

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😶 わすれもの 感想(一応ほんのりシナリオについて喋ってます)
(▼ ネタバレを含むコメントを読む。 ▼)無事に生還&トゥルーエンドでした!
いやー私1人じゃトゥルーエンドは無理でした。
他の皆様のおかげです。

身内卓で遊ばせてもらってるのもあって、そこそこセッションにも慣れてきたかな?というところなのですが、色々と疑う癖がついてしまったかもしれない…
SANはどうあっても削れるのだから怖がらずにガンガンいきたいとこですね!

しかし、遊ぶシナリオの少女遭遇率が高い。
その子のことを考えるとリアルSAN値が削れていくので毎回喚いててすみません。
もちろん、そのしんどさも含めて楽しいんですけどね。少女が出てくる率は高い模様なので今後もしんどいしんどい思いながら(言いながら)挑みます。

KPのEthyl様、PLの悠様、とまと様ありがとうございました!
いいね! 10
りちゃ
りちゃ日記

2020/06/13 23:01

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😶 マレウスを手に入れた!
このたび念願のマレウス・モンストロルムを手に入れました!
前見た時は売り切れてプレミア付けてる中古ばっかり並んでてさすがにパスしてたのですが、ようやっと正価格で並んでたので我慢できずにぽちってしまいました。

試しにぱらぱらめくったり、いままで出会ったやつらの項を読んだりしてみたるのですけど、全て表示するこのたび念願のマレウス・モンストロルムを手に入れました!
前見た時は売り切れてプレミア付けてる中古ばっかり並んでてさすがにパスしてたのですが、ようやっと正価格で並んでたので我慢できずにぽちってしまいました。

試しにぱらぱらめくったり、いままで出会ったやつらの項を読んだりしてみたるのですけど、これは、これはいいものですよ!
まず挿絵がいい。ルルブの雰囲気ある挿絵も好きなのですけど、マレウスのは世界の博物館、美術館、図書館なんかに所蔵されている歴史資料から引っ張ってきてあるものが多いんです。これはもう本当に図書館技能成功してる気分になれます。
項立てはクトゥルフ神話の神格、クリーチャー、その他の怪物みたいにわかれていて横並びがわかりやすいですし、コラムもちょいちょい乗っていてそれもたのしい。索引が完備されていてどういう区分かわからないけど前に出会ったこいつのこと知りたいみたいな需要にもばっちり答えてくれます。
そして自分はまだ縁遠いですけど、オリジナルクリーチャー作成支援のコーナーなんてのもあって、描写に使えるワードが2ページまるまる掲載されてたりもしました。

いやあ、いい買い物しました。
未所持の方でこういうの好きそうなら買いですよ!
雨の中届けてくれた郵便屋さんにも感謝です。
いいね! 10
りちゃ
りちゃ日記

2020/06/13 15:27

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😶 ジュリエット それから
翻訳とは情熱を伝える作業だと思う。


『生きるべきか 死ぬべきか それが問題だ。』

ハムレットのこの一節を訳した日本語を、私はこちらに来てからはじめて目にした。
正確な訳者はわからないらしい。

憑かれたみたいに他の訳版を尋ねて回った。
そこにはそれぞれの情念があった。
伝え全て表示する翻訳とは情熱を伝える作業だと思う。


『生きるべきか 死ぬべきか それが問題だ。』

ハムレットのこの一節を訳した日本語を、私はこちらに来てからはじめて目にした。
正確な訳者はわからないらしい。

憑かれたみたいに他の訳版を尋ねて回った。
そこにはそれぞれの情念があった。
伝えずには居られない衝動を浴びせられて、

そうして私は翻訳家になった。


午前11時の喫茶ヴェローナ、一番奥の窓際の席は店内がよく見渡せる私のお気に入りの席だ。
この特等席に開店直後から居座っているのだけれどほかに客は誰もおらず、さぼりの茂木さんか、仕事あがりの先生たちがやってくるまでは今日も貸し切り状態だろう。

私はここ数日、就労ビザの更新を控えてどうにも冴えない日々を過ごしていた。
収入は多くはないけれど、まずまず安定はしているし、残るのに不都合はなく、けれど帰って悪い理由も見つけられていなかった。
理由のわからない焦燥が足をすくませていた。

カップを取ってコーヒーをひと舐めした。
行き過ぎた酸味と水っぽさが脳みそに突き刺さった。


書類に顔をうずめるようにテーブルに突っ伏すと、虎目石の指輪が目に入った。
見入っていると吸い込まれるようにして思考はあの奇妙な旅路に彷徨っていった。

私はあの時、訳がわからないまま歴史を辿って、夢を手繰った。
鮮明に覚えているのは暗闇を進む色彩の乏しい揺れる視界と、痺れるような甘い香り。
昏く妄執のこびり付いた祈りと、真白く止まった時に満ちる静かな祈り。

私はそのだれにも届ける言葉も持てず、私の手は、私の夢は、ただただ拒絶の運び手となった。
思い返すとそれは悔しいことだと思った。


ふと呼ばれた気がして窓の外をみた。
黒猫がいつの間にか軒下に座ってこちらを見ていた。


『生きるべきか 死ぬべきか それが問題だ。
 どちらが心にとって高貴なことだろう』


店の入り口が騒がしくなったと思うと、聞きなれた声が耳に届いた。

藤村先生が黒猫に駆け寄ってするりと逃げられている。
私はこの先いくつになっても、チャレンジを怖がらずに笑えるだろうか。
わからない、でもそうしたいと思った。

ホーソン先生が羨ましそうな笑顔で店の奥の絵を見つめている。
私はこの人の手を引いたことにいつかきちんと向き合うことができるだろうか。
わからない、でもそうしたいと思った。

茂木さんがママさんに何かを報告している。
私は小さな祈りを掬い上げて、絶望に包まれた涙に届けられるだろうか。
わからない、でもそうしたいと思った。


『生きるべきか 死ぬべきか それが問題だ。
 どちらが心にとって高貴なことだろう
 
 荒れ狂う運命が投げつける石や矢を耐え忍ぶのと
 困難の海に対して武器を取り
 敢然と対峙して終わらせてしまうのと…』


翻訳とは情熱を伝える作業だと思う。
そしてそれは祈りでもあり、その祈りへの応答でもあるのだと思った。

そうして私は翻訳家を続けることに決めた。


ーーーーーーーー
先日、デモ様キーパーで喀血卓様作の「ジュリエット」に参加させていただきました。

平日開催だったので2日にわけての探索行だったのですけど、ほんとうに良いところでちょんぎれてくれたおかげで再開までのインターバル期間がもう妄想が広がりのわくわくが溢れの大変でした。半クローズドの構成になっていて、シティもクローズドもそれぞれ好きなので一挙両得といった感じでそういった面でも本当に楽しめました。
そして合間にこっそり投下されていたお茶の子さんの1コマまんがのかわいさといったら!まさかの贅沢をありがとうございました。

という訳で後日譚妄想です。
シナリオタイトルはジュリエットだったのですけど、ずっとあちこちでハムレットのこのフレーズが浮かんでいました。しかも終わった後に調べたのですけど、「耐えて生きるか、戦って死ぬか」みたいなニュアンスだったみたいでびっくりしました。
そして今回他の3方がほんとうに素晴らしくて、個人的に敵わないな、羨ましいな、あれでよかったのかなと思ったところを思い出に書かせてもらいました。いつも言い訳のように言っていますけどあくまで妄想書き連ねなのでニュアンス違うなあとかあったらごめんなさい。
戦利品としていただいた虎目石の指輪ですが、タイガーアイは『幸運を招く聖なる石』とされていて、本当に必要なものを見抜く、行動力、決断力を助け、失敗することへの恐怖を和らげるのだそうです。必要なものをピンポイントでいただいたなあと感謝です。

改めまして、ままままさん、お米の子さん、Kadenaさん、そしてキーパーのデモさん楽しい時間をありがとうございました。シナリオ製作者の喀血卓様にも感謝です。
またよければ一緒に遊んでください。
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Adam
Adam日記

2020/06/09 17:09

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💀 【雑感】サプリ沼にご用心
近頃、KPとしてできることの幅が広がった、なんて話をしました。
そうすると、基本ルルブだけでは物足りなくなるというもの。

最初はキーパーズスクリーンが欲しいのでキーパーズコンパニオンを、現代日本でプレイするのに便利だから2010・2015を、というところから始まりました。
サプリって寂しが全て表示する近頃、KPとしてできることの幅が広がった、なんて話をしました。
そうすると、基本ルルブだけでは物足りなくなるというもの。

最初はキーパーズスクリーンが欲しいのでキーパーズコンパニオンを、現代日本でプレイするのに便利だから2010・2015を、というところから始まりました。
サプリって寂しがり屋なんですかね。1冊買うと、もうどんどん仲間を呼ぶんですよ。

大正やりたい、ジャズエイジやりたい、シナリオフックになる神話生物・カルトのデータが欲しい、公式リプレイをシナリオ化したい…と増えるわ増えるわ。
特別定額給付金はほぼサプリに消えそうです。

実際便利になったり、読み物として面白かったりするので、反省はしていますが後悔はしてません。
特に『クトゥルフと帝国』と『クトゥルフ2010』は大のお気に入り。
次は大正シナリオにでも手を出してみようかな…

ただたくさん買って、いずれも買ったはいいものの、積んでしまっている…ということにならないよう、片っ端からきちんと読んでいきたいですね。
自作シナリオや、これからのキーパリング、もちろん探索者としてのプレイングにも、そうした知識が深みを与えてくれたらいいなぁ、なんて思ってます。
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マダラ
マダラ日記

2020/06/08 18:53

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😶 ランタンの灯りは夜の明けない街に灯る ちょっとあとのこと
(▼ ネタバレを含むコメントを読む。 ▼) 幼いころにシャーロック・ホームズに出会えたことが、僕の人生で一番の幸福だった。

 そして、どう逆立ちしたって自分はシャーロック・ホームズではないというのが、僕の人生における一番の不幸だった。

 今でもたまに夢に見る。鹿打ち帽を被って、靴音高くロンドンの街を歩く自分の姿。あるいはあの221-Bの椅子に妙な姿勢で腰かけてパイプをふかす自分の姿。僕はあの能無しのレストレードから事件のあらましを聞いて、少し目を瞑り、こう言うのだ(“エレメンタリー・マイ・ディア”? あれはナンセンスだよ。そもそも原典にそういう台詞はないんだ)。
「いいかい、ワトソン、どんなに──」

 けれど、僕の意識はそこで暗転する。
 次に目の前にあらわれるのは昔の記憶だ。小学校の頃、友人と組んだ探偵団という名前の何か、彼らは三日でその遊びに飽きて、虫メガネだけが今も僕の机の中に残っている。中学の修学旅行の新幹線の中、四人組の席で他の三人がトランプをする横で、僕はずっと本を読んでいたっけ。
 高校生になって、好きな物語を語る僕から友人たちが離れていくのを見て、いい加減に現実を受け入れたけれど、あれは今思えばただの麻疹みたいなかっこつけ(所謂“高二病”ってやつだ)で、押し隠していた憧れが二十歳近い今になって悪化するという結果に終わった。

 とにかく、物語みたいな探偵は世の中にはいないし、いたとしてもそれは自分じゃない。でもとにかく僕はいつまでも夢を見たままで……そんな僕だから、あんなことに巻き込まれたのかもしれない。

 血で真っ赤に染まった部屋に佇む女。
 積み重なる屍の上に咲いた真っ赤な花。
 ごとりと落ちるぬいぐるみの首の赤黒い切り口。
 彫像から滝のように流れ出す赤い液体。
 そして、焦燥に駆られ飛び乗ったボートの上で見た、真っ黒な──。

 そこで再びの暗転。通信のロスト。ブラック・アウト。サヨナラ。アデュー。グッド・バイ。



 ──いいや、ちがう、それで終わりなもんか。
 僕が見たものは、絶対に、きっとそんなものだけじゃなかった。

 だって、皆にはとても言えなかったけれど、あの図書館で読んだ本は、そう、他ならぬ「渡会南」の物語は、掛け値なしのバッドエンドにもかかわらず、そう、あらゆる意味でろくでもないことばかりにも関わらず。今まで読んだどの物語よりも、シャーロックの冒険なんかよりも。

 もっと、ずっと、面白かったから。

 きっとそのほとんどは、僕の人生を彩った人々のおかげだろう。妙な警官、妙な種を持ち帰って以来追い掛け回されている生物学の教授、個性に満ちた大学の友人たち。棺桶を抱えたパフォーマー二人組。数え上げたらきりがない。
 そう、そんな人々と出会って、僕は学んだ。そんな風に学んだことが、僕の物語をぐっと面白くしてくれた。僕を僕の人生の主人公にしてくれた。



「何がどうなるかなんて、やってみないと、分からないですよ」



 あの日、骨董屋で自らの物語に怯える彼女に掛けた言葉も、朝の迫る街で皆を振り返ってかけた言葉も、彼らから学んだことだ。まったく情けないことに、こんな単純な事実に気づくのにだって、僕は鵜飼さんの言葉を聞かなければいけなかった。
 奇妙奇天烈な事件を抜きにしたって、僕らの人生は何が起こるか分からない。でも、怯えていたら何も知ることはできない。だから、勇気と知恵を振り絞って、暗闇の中に踏み出す。その先で、何を見ることになっても。
 きっと、天草さんや錦さんも、他の人々も、そして彼女も、そんな風にしてあの街にやってきたのだろう。だからこそ、僕はあの場所を壊したことを間違いだとは思わない。街を照らした美しいランタンの灯はいつだって、朝を、真実を目指していたから。

 だから、みんな、どうもありがとうね。

 でもごめん。格好悪いから、あの言葉が受け売りだってこと、彼女には絶対秘密だ。



「──ねぇ、ちょっと、起きて、南さん!」

 隣の寝室から響く沙織の声に、僕は目を覚ます。窓の外はまだ朝日が昇る前で、気の早い小鳥の鳴き声が耳に突き刺さる。
 とにかく、彼女はこの数日でもうすっかり明るくなった。僕の街にも、ついでに僕自身にもそれなりに慣れたらしい。問題なのは僕の方で、彼女を家に泊めて数日、ベッドを彼女にあけ渡し、リビングに毛布を敷いて寝ている。おかげで体中が痛い(お願いだから何も言わないでくれ。物事には順番っていうものがあるんだ。あるはずなんだ)。

 沙織がもう一度僕のことを呼ぶ。大分前に目を覚まして、すっかり支度も済ませているらしい。まったく、近くの山の頂上から奇麗な朝日が見えるなんて教えなきゃよかった。そうじゃなくたって今日は社会的には宙ぶらりんになっているらしい彼女の身の振り方を考えるためにいろいろ忙しいというのに。まあ、また一緒に朝日を観たいなんて言われたら、断れないんだけどさ。

 大きく一つあくびをして、僕は毛布をはねのける。その拍子に、机の上の不格好な彫刻が目に入った。彼女は彫刻が大好きらしいが、悲しいことに才能はないように見える(まったく、どこかの誰かみたいな話だ)。それでも、その彫刻は、今まで見たどの像よりも、僕の心の奥深くにまで、寄り添ってくれるように思えた。

 そして僕の目は、隣に置かれた愛読書の表紙に向く。鹿打ち帽の男がこちらを見て、不敵な笑みを浮かべていた。
 僕はその男に笑みを返し、指で作った鉄砲を向ける。

 言わなかったけどさ、あんたも結構イカしてたよ。
 だからさ、今度は僕の番だ。見ててよ。

 そして、僕は指鉄砲で彼を撃ち抜く。



 ばあん。



 口の中の銃声の心地よい感覚を楽しみながら、僕は今行くよと沙織に声をかけた。


〈おわり〉



 はい、というわけで昨日のセッション「ランタンの灯りは夜の明けない街に灯る」(KP:ゼロ様)のマダラのPC:渡会南の後日譚風妄想でした。マダラにとっては初のロスト救済シナリオでした。
 自分、ロスト救済シナリオという文化は聞いたときからイマイチ馴染めていなくて、死んだキャラはそれっきりな方が性に合うなあみたいな突っ張ったことを考えていたのですが、ちょうどよく最近初ロストしたキャラもいるし、何事も経験だということで参加させていただきました。
 いやあ、良かったです。死者が登場するシナリオならではの趣みたいなのもあって、思っていたよりもずっと自分好みの雰囲気のものでした。隣を歩くPCの歩いてきた知らない人生に思いを馳せながらのRPも楽しかったです。
こういうシナリオで救済したキャラクターを今後使い続けるかどうかはまだちょっと考えたいところですが、それでも食わず嫌いはいけないなと思いました。

 さて、マダラのPCは渡会南、自分がCoCをはじめて最初に作ったキャラクターで、まあまあな数のセッションを通過したのち、「船上の恋」というシナリオでロストしました。 

 「船上の恋」通過者が卓にいたこともあって、陰キャ大学生が美少女とクルーズに行こうなんて思うからロストするんだぞなんて冗談をセッション前に言っていたのですが、そんなこいつ、このシナリオを通して、可愛らしくて素敵なNPCの女の子を死出の旅路から連れ帰るばかりか、同居を始めやがりました。

 普段ならなんだこいつ幸せになりやがって許さねえってなるとこなんですが、結構なシナリオを共にしてロストまで見ている彼がこうして幸せを掴むのを見て、不覚にも感極まってしまいましたね。前半は(積極的に口説きに行くPCが他にいたのもあって)全然意識してなかったのに、大事なところで庇われたりしたら渡会もマダラも完璧に好きになっちゃうんだって!!! 感想の時間に参加者や見学者の方がこのカップルに尊い尊い言ってくれるのを聞きながらずうっとニヤニヤしてました。

 さっきのロスト救済シナリオというものへの好み云々の話を別にしても、渡会は今後は使わないと思います。ここまで完璧なハッピー・エンドを見せられちゃうと、あとは僕の妄想の中で楽しい人生を送ってくれよという感じです。この日記は渡会と時間を共にしてくれた人々への、そんな妄想のおすそ分けの意味もあります。これまでのセッションで見たモノやご一緒したPCも拾いましたけど、全部は無理だった。ごめんなさい。

 あと、他の方を真似して始めたこの後日譚妄想という日記形態、思ってる以上にいろんな方が読んでくれてると聞いてすっかり舞い上がっちゃいました。今後も参加したセッション全部について書くわけではない気まぐれな感じですが、もしセッションの終わりに一言言ってもらえれば嬉しくなって書くと思います。今回もあんまり自分のPCだけの話が長くなるのもなあと思っていたところをKPさんの「楽しみにしてます」の一言で調子に乗って書いちゃったみたいなとこありますしね。(もちろん、こういうのを書かれるのがお嫌な場合は言って下されば書きませんし、書いたものも取り下げます)。


 それでは読んでくれた皆様、同卓させていただいた瑠奈さま、コルクさま、時雨さま、そしてKPのゼロさま、ありがとうございました!
いいね! 11
りちゃ
りちゃ日記

2020/06/07 23:50

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😶 グリオーマアクアリウム それから
プシュ、と小気味のよい音を立てて泡を噴き出した缶ビールを持ち上げると、横合いからカツンとぶつかる感触がして泡が宙を舞った。
それじゃま、お疲れさまです、と視線は前を向けたまま喉に流し込むと、隣からも同じように喉を鳴らす音が聞こえた。

季節は夏の盛り。
ビーチは大勢の人出でごった返していたが全て表示するプシュ、と小気味のよい音を立てて泡を噴き出した缶ビールを持ち上げると、横合いからカツンとぶつかる感触がして泡が宙を舞った。
それじゃま、お疲れさまです、と視線は前を向けたまま喉に流し込むと、隣からも同じように喉を鳴らす音が聞こえた。

季節は夏の盛り。
ビーチは大勢の人出でごった返していたが、あの二人は否が応にも目立っていたから見失う心配もなくて保護者役の二人で早々に一杯ひっかけ始めていた。


林田はいまからあれでこの先大丈夫なのか、と漏らしたのは自分だったか、夜野さんだったか。
彼女が退院して外を出歩くのに不自由しなくなってからも林田青年は少々過保護に見えて、けれどそれがほほえましかった。

麦わら帽子を取っただの取られだので、二人がくるくると追いかけあっている。
降り注ぐ太陽の光が二人を追いかけて瞬いた。
それはまるで回遊魚の群れのように。
水底のメリーゴーラウンドのように。


見守っているこちらに気づいて彼女がこれでもかと両手を振って笑う。
林田は少し恥ずかしそうにして、何か大声で叫んでいたが、こちらがひらひらと手を振って応えると、一刻も惜しい様子の彼女に波打ち際の方に引きずられていった。


そう、これくらいのことはあってもいいじゃないか。
あの慟哭を、振り絞るような覚悟を知っている俺は祈りにも似た気持ちで見送った。


ビールを飲み終えて、手が癖で折りあげていた二匹の金魚が風に吹かれて大空を舞った。

そうだ、行け、心のままに。
たとえここがどこかの誰かが用意した水槽の中なのだとしても、あいつらは自分たちのフォームで泳いで行けばいい。どこまでも、望む限りどこまでも。

そしてもしもその先に見えない壁が立ちはだかったときは、今度こそ道を作るのは俺たちの役目だとそう思いたかった。
誰かに選ばされるのじゃなく、あいつらが選んだ先が安心して進める道になるように。

木の壁なら蹴り破ろう、鉄の壁ならパワーショベルでもなんでも持ってこよう。
おやっさんが俺にそうしてくれたように。


これは長生きしなきゃいけなくなったな、と呟いた。
煙草はやめられないけどな、と被せられてたまらず噴出した。


ーーーーーーーー
本日、クロウ様キーパーで35様作の「グリオーマアクアリウム」に参加させていただきました。

海の底のような遊園地、開けたようで閉じた不思議な舞台で若人のきらめきにやられっぱなしでした。ぎこちなく心を触れさせる交流があり、直接言葉にしないでも同じ気持ちで支えあうチームであり、そしてそれでもやっぱりクトゥルフ神話TRPGでもあって、ネタバレ防止というだけでなくなかなか簡単に言葉にできないあれこれがあったひと時でした。

という訳で後日譚妄想です。
まあ、これくらいは許されてしかるべきでしょうという勢いにまかせた書き連ねです。明日が休みだったら本編の長さくらい続いていたんじゃないかと思える感想戦であーだこーだ話していたところからせめてニュアンスは拾えていると信じて。我らがヒーロー林田青年に精いっぱいのエールを送りつつ、抜群の安定からくる信頼感の夜野さんと大人の特権というやつをやらせていただきました。本当にこのPLたち、このPCたちだから出来上がった物語だと思います。

改めましてよりさん、緑茶さん、そしてキーパーのクロウさん楽しい時間をありがとうございました。シナリオ製作者の35様にも感謝です。
またよければ一緒に遊んでください。
いいね! 10
より
より日記

2020/06/07 22:12

[web全体で公開]
😶 グリオーマアクアリウム 感想
ひとまずネタバレを避けて感想を。
めちゃくちゃ面白いシナリオでした。
無事に生還&ベストエンドだったのですが、多分あのメンバーじゃないと、こんなにドラマティックにあのエンドに辿り着かなかっただろうなと。
(私のPCの夜野が勧めていた選択だったら、ノーマル(ビター?)エンドまっしぐらでしたし)
全て表示するひとまずネタバレを避けて感想を。
めちゃくちゃ面白いシナリオでした。
無事に生還&ベストエンドだったのですが、多分あのメンバーじゃないと、こんなにドラマティックにあのエンドに辿り着かなかっただろうなと。
(私のPCの夜野が勧めていた選択だったら、ノーマル(ビター?)エンドまっしぐらでしたし)

個人的には、なんだか出目も安定していたし、RPも前よりはできていたんじゃないかなと思いました。
(……が、まだまだ反省点はある気がするので、もし気になった点がありましたら遠慮なくコメントとか欲しいです)

本当いいシナリオで、素敵なメンバーで回せてとても良かったです。

KPクロウさん、りちゃさん、緑茶さん、ありがとうございました!





(本当にただの余談……というか別PCのセッションネタなのですが、まさかのアップルパイの登場でPLのSAN値が少し減りました……笑)
いいね! 11
さかぜ
さかぜ日記

2020/06/07 02:39

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😲 ルルブが届いた!
クトゥルフのルルブは1冊ろくせんえん。。
思ったよりお値段するんだなぁと思いつつ、「まぁ100回遊べば1回あたり60円じゃん実質タダ(?)」という謎理論で思い切って購入しました。
(本当にいっぱい遊ばなきゃ笑)

昨日の朝無事届きまして、「結構重いな~」と早速読もうと梱包を開けてみたらその分全て表示するクトゥルフのルルブは1冊ろくせんえん。。
思ったよりお値段するんだなぁと思いつつ、「まぁ100回遊べば1回あたり60円じゃん実質タダ(?)」という謎理論で思い切って購入しました。
(本当にいっぱい遊ばなきゃ笑)

昨日の朝無事届きまして、「結構重いな~」と早速読もうと梱包を開けてみたらその分厚さたるや!!
そりゃお値段するわけですな~!
Amazonで表紙の絵しか見てなかったから気づかなかった…!
これは出先に持っていって電車で読もうとか気軽にできないやつですね、鞄のサイズ変更が必要だ(゜゜)

TRPG勢の皆さんはこの分厚い専門書()を読破してきたんだなぁとしみじみしつつ読み進めています。
早くセッションに参加できるように時間を見つけて読み込んでいきたいです!

ちなみに私は6版の87頁目でSAN値が削られました。確かに新しい恐怖。圧がすごい。
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より
より日記

2020/06/03 00:30

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😶 旧版ルルブ
も、買いました。

前情報をちゃんと取得せずにとりあえず本屋に売ってるやつ買お!な勢いで新クトゥルフの方のルルブを買ったんですけど、割と多くの卓が(&身内も)旧版ベースで遊んでいるように見受けられたので。
友人が色々と教えてくれて、旧版との差についても学びましたが、それでも実際持っておいて損は全て表示するも、買いました。

前情報をちゃんと取得せずにとりあえず本屋に売ってるやつ買お!な勢いで新クトゥルフの方のルルブを買ったんですけど、割と多くの卓が(&身内も)旧版ベースで遊んでいるように見受けられたので。
友人が色々と教えてくれて、旧版との差についても学びましたが、それでも実際持っておいて損は無いかなと。
あと、やっぱり遊ぶからにはお金は払わせてほしいタイプのオタクなので!買えるものはある程度は買う!

基本ルルブ以外はほんと勉強不足なので、色々と勉強してから揃えていけたらいいな。

職務上、自粛期間でも仕事は減らず、しかし趣味関係でお金を使う機会が尽く潰された身だったので、今ならお金があるから色々買っちゃいそう…
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より
より日記

2020/06/02 01:36

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🤔 独り言
初セッションの日記にご一緒してくださった方々がコメントを下さって嬉しかったのですが、全部受け身状態になってしまっていて若干の反省…

この手のSNSをあまり活用してない&割と独り言にしか使わないタイプだったので誰かに発信するのに尻込みするの、悪い癖だなぁ。
今度から頑張ろう。
あとできたら私も後日談小話書きたいけど書けるかなー
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やなせ
やなせ日記

2020/06/01 15:03

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😆 「りんごはあまい」2回目KP
(▼ ネタバレを含むコメントを読む。 ▼)できるだけネタバレなしを心がけますが念の為……

あるている様作の「りんごはあまい」を回してきました!
つたないキーパリングでしたが、無事1番上のエンディングを迎えられてホットいたしました(-ω- *)
PLのりちゃさん、よりさん、こるめさん、とまとさんに感謝です!
謎解きが多いというかほぼ謎解きのシナリオで、しかもリアルアイデアが必要になるものだらけでしたが、なんと初っ端以外ソッコーで解いてしまうという笑
ほんと驚きのスピードでした笑
それにPLさん達の役割分担が最強にマッチしてましたね!
行動力があって時間にだいぶ余裕をもって探索&謎解きをされたよりさん、SAN値チェック最強でしかも仲間の分まで請け負ってSAN値減少が最小値のこるめさん、ダイス目に愛されて探索がめっちゃスムーズにすすんだりんごさん、一番悩む最終決断で最高のストーリーを生んだりちゃさん、ほんと素晴らしかったです……ムネアツでした……

結構頑張ってココフォリアの部屋を作ったんですがそれも褒めていただけたり、ちょっとしたところに気づいていただけて嬉しかった……また次のシナリオも頑張って作りこもう……。

ぜひまたご一緒しましょう!



ちょっと独り言……
やっぱ後半のとんでもない決断のとこ、変えようかなぁ……気持ちよく謎解きした後のあれどん底に突き落とされる感半端ないんだよなぁ……でもすごい良いストーリーが生まれることもあるし……どうしようかなぁ……
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とまと/新規❓
とまと/新規❓日記

2020/06/01 06:10

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😶 オンライン初PLを終えて
(▼ ネタバレを含むコメントを読む。 ▼)昨日、やなせ様KP「りんごはあまい」に参加させていただきました。
久しぶりすぎてグダグダしてしまいましたが、優しく先導してくださったPLの皆様、そして進まない時はアドバイスし、見守ってくれたKP様、みな様に感謝です。

最終的に判断を任せてしまったのは心苦しかったですが、とても楽しませていただきました。
PLのこるめさん、りちゃさん、よりさん、そしてKPのやなせさん楽しい時間をありがとうございました!

よければまた一緒に遊びましょう。


ーーーーーーーーーーーーーーー
以下蛇足的後日談

袋の中から取り出したアップルパイに包丁を加える。まだ温もりを感じさせてくれるアップルパイは、切り込みの入ったところからふわりと甘い香り溢れ出した。

甘く煮詰めたりんごの香り

ふと、少女の顔が脳裏を過る。
虚ろげで何もかも諦めたような表情。
時折くる、手の施しようがない患者の表情に似ていた。泉は助けられない現実よりも、助けるという理想を選んだ。

結果として何もできなかった泉は、
自身の判断力の無さや助けられなかった事実に罪悪感を覚えた。

「先生、泉先生!私が来たよー」

突如玄関先から大きな声が聞こえた。
声の主は玄関を開け泉がいるキッチンまでものの数秒で辿り着いた。
泉が担当している患者の一人で、アップルパイが大好きな16歳の少女だ。

少女はアップルパイの存在に気がつくと目を輝かせ、一切れ手に取ると大きな口を開け放り込んだ。
その直後、泉の方に勢いよく顔を向け目を輝かせたまま腕を上下に動かしている。相当美味なのだろう。

「お行儀が悪いから、椅子に座って食べましょう」

泉の一言に少女は素直に頷き、椅子に腰掛けた。ごくん、と飲み込むと少女は目の前に置かれたアップルパイには手を出さず、じっと泉を見つめた。

「先生が元気ないと、私も元気なくなるんだけど」

アップルパイにフォークを突き刺しパクリと音が聞こえそうなほど豪快に口に含んだ。
泉は患者に心配を掛けるとは、まだまだ未熟者だと心の中で反省した。

「きーめた。
私も先生の仕事につこーっと
先生の代わりに仕事してー泉先生より元気があって頼りになるって言ってもらうんだから」

悪戯っ子のように笑う少女を見て泉は噴き出した。息が詰まりそうになる程笑った。

「先生すっごく元気でたわ。この仕事向いてるわね。でも、先生はもう元気出ちゃったから先生の代わりはまだできないからね」

アップルパイを咀嚼しながら少女は嬉しそうに笑った。
あの少女を救えなかった分、他の人々を支えていこう…本当に生きて、帰ってこれてよかった。

今度彼にあったら、お礼を言おうと固く誓うのだった。
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より
より日記

2020/05/31 23:17

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😆 初セッション終わりました!
あるている様作「りんごはあまい」で探索者デビュー。

とうとう、今日セッション初参加を決めました〜。そして無事に生還できました。
一緒に探索してくれたPL様と、ドドドド初心者の私に優しく説明をしてくださった&うまく導いてくれたKP様に感謝です。

今回のセッションの成果(?)としましては
全て表示するあるている様作「りんごはあまい」で探索者デビュー。

とうとう、今日セッション初参加を決めました〜。そして無事に生還できました。
一緒に探索してくれたPL様と、ドドドド初心者の私に優しく説明をしてくださった&うまく導いてくれたKP様に感謝です。

今回のセッションの成果(?)としましては
初 クリティカル
初 一時的発狂
初 不定の狂気発症
と、まあまあなフルコースを味わえたので良かったと思います。笑
SAN値チェック、大体失敗してた気がする……

良かった点としては、リアルひらめきが役立ったかな、ということ。
反省点は、もう少しRP頑張りたいなーっというのと、ちょっとガツガツ突き進みすぎたかな?というところ。(リアル脱出ゲームでも先に突っ走るところある)
あと、研修医という職業上、もうちょっと色々(ネタバレ回避のためにぼかします)に耐えられる様子を見せられたら良かったのかな〜…とだけ少し。設定を練り込んだから活かしたい。
……まあ、逆に練り込んだ設定を活かそうとしたことにより、二の足を踏んでしまった&踏ませてしまったことにもなったんですけども。笑

そんな諸々の反省点もありますが。ともかく無事に生還はできたので、これからも生き抜けるように今後に活かしていこうと思います。
初めての卓で、KP様にもPL様にも良くしてもらって、知らない人とのセッションに安心できたのでこれからもどんどんやっていきたいなー。

やなせ様、りちゃ様、こるめ様、とまと様ありがとうございました!
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りちゃ
りちゃ日記

2020/05/31 21:16

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😶 りんごはあまい それから
三枚におろしたアジをぶつ切りにする。搬入されたくらげからピンセットで寄生虫を取り除く。水槽をスポンジで丁寧にふきとり、フィルターを交換して目が通るまでよく洗う。偽岩についた藻をブラシでこすり落とす。
ほぼ毎日皆で繰り返す作業だったが、ここ1週間は当番以外の仕事も空き時間を埋めるように積極的に買って全て表示する三枚におろしたアジをぶつ切りにする。搬入されたくらげからピンセットで寄生虫を取り除く。水槽をスポンジで丁寧にふきとり、フィルターを交換して目が通るまでよく洗う。偽岩についた藻をブラシでこすり落とす。
ほぼ毎日皆で繰り返す作業だったが、ここ1週間は当番以外の仕事も空き時間を埋めるように積極的に買って出た。
新米が仕事を早く覚えたいと言えば受け入れられたし、仕事に没頭している間は嫌なことを考えずに済むのはありがたかった。

餌に我先にと群がってくる魚たちを見ていると、羨ましいような気分になった。


仕事から帰ると姉が居間でうたた寝をしていた。
夢でも見ているのか、ぐふふと気色悪い笑い声を漏らしたり腹を掻いたりしている。
5つ上のこの姉はこれで外づらだけは大したもので、しかもこちらが逆らえないのをいいことに事ある毎に弟を子ども扱いするものだから、俺は中学生にして「憤懣やるかたない」という言葉を覚えたほどだった。


その晩、スクーターに乗って星の海を滑走している夢をみた。
でもよく見るとスクーターは真っ白い平皿で、すぐ隣を見知った女性が三人、同じように平皿に乗って滑走していた。

慌てて加速すると、皿は海に飛び込んで嵐の中を漂う板切れになった。
頼りなさげな板切れに海の中から黒い長い手が何本もしがみついてくるので必死に振り払った。振り払うたびに甘酸っぱい香りが鼻を突いた。

そのたび泣き出したい気持ちになったけれど、気づかれないように平静を装った。

岡橋さんは妹さんと笑いあっているべきだし、泉さんには泉さんを頼りにしている人たちがいるはずだし、一木さんが俺たちにひどいものを見せないように気遣ってくれていたことはきちんと報われるべきだと思う。
だから自分がやったことは正しかったのだと思う。
そう思いたい。

けれど多分、あれは私事で、我がままで、新米社会人の自分では気づけなかった冴えた方法がどこかにあったのかもしれない。

心が折れてしまいそうになったとき、板にしがみついていた両手が温かい手に繋がれていることに気が付いて顔をあげた。
白い、ぼんやりとした人の形をした光が、掲げるように繋いだ両手を持ち上げると、自分の体が宙に浮きあがるのを感じた。暗い海から明るい空へ持ち上がっていく中で、ありがとう、と声を聴いたような気がした。


目を覚ますと、頬が濡れていた。


次の日、電車に乗ってあの駅で降りた。
住宅街の中を歩いて、森の中のような公園の中道を進んでいく。

あの人たちはそこに居るだろうか。

伝えたいことがあった。聞きたいことがあった。
それが出来れば紙くずのようになって戻らなかった何かに答えは見つかるだろうか。
許してもらえるだろうか。
気づいていたよと笑われるような気もした。

行く手に白煉瓦を組んだ建物が見えてくる。

足を速めた。こんどは距離を埋めるために。
勇気は、もうもらったから。


ーーーーーーーー
本日、やなせ様キーパーであるている様作の「りんごはあまい」に参加させていただきました。

やなせさんはオンセンほぼ同期で自分がキーパーやってみたいと思ったのも実はやなせさんが挑戦されているのを聞いて奮起したからでもあって、とても刺激を受けている方でした。テストプレイの募集が折よく空き日程で見つかったので、一も二もなく申請させていただき承諾してもらってからは本当にうれしかったです。

同卓させてもらったお三方もとてもよい方たちばかりで、同じくらいの戦歴だったり初プレイだったりとは思えない頼もしさで、シナリオが深まるにつれて仲間と感じられました。皆と一緒に喜んだり悩んだりできて良かったなあと思います。
そうであるが故に、自分がシナリオの中でした一つの決断があれでよかったのかと思わずには居られない、そんな気持ちを引きずりつつ

というわけで後日譚妄想です。
ネタバレ防止のためあれやこれやは言及できないのですが、キーパーのやなせさんが最後に言ってくれた一幕と、同卓のみなさんからいただいた言葉を乗せて、なんとかもう一歩踏み出す準備として捏ね上げてみました。
3人の年齢がちょうど想定していた姉の年齢に近かったことで、我がままをさせてもらってしまっていましたが、特にあのとき同じところにいた一木さんとはもう少し一緒に何かできる線も提示できたかもしれないというプレイヤーとしての反省を込めて、隠し事を白状しに伺わせていただきたいというそんな再訪でした。
もちろん完全な私見、ifですので、もしもにょもにょがごにょごにょする場合は、かくかくしかじかでてくあっといーじーにしていただければ幸いです。

改めましてよりさん、こるめさん、とまとさん、そしてキーパーのやなせさん楽しい時間をありがとうございました。シナリオ製作者のあるている様にも感謝です。
またよければ一緒に遊んでください。
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