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2025/08/26 03:35
😶 そして、審判は対話をやめた これまでに二度、あるセッションで体験した理不尽さについて筆を執ってきました。今回は、その最後の記録となります。これは、TRPGにおける議論が、いかにして対話を失い、一方的な断罪へと変貌するのか、その痛ましい過程の記録です。 最終盤の戦闘について、私とKPとの間で見解の相違が生じたことは、以前にも記した通りです。私は、自らの行動の戦術的な意図と、その判断に至った根拠を、プレイヤーとして説明しようと試みました。 議論の当初、KPは私の行動を「不可解だ」と評しました。 特に、私が妨害しようとしたNPCについて、彼は「なぜ、無害な彼女を襲ったのか」と、私の判断の合理性に疑問を呈しました。その時点での彼の主張の骨子は、「PLである私の状況認識が誤っていた」という点にあったように思います。 しかし、対話が深まるにつれ、議論の様相は奇妙な変容を遂げていきました。 私が「そのNPCは、パーティを全滅させかねない増援を呼んでいた。だからこそ、最優先で対処すべき脅威だと判断した」と反論を重ねると、KPの口から、驚くべき言葉が飛び出したのです。 彼は言いました。「もう何ラウンドも前から呼び続けているものを今更止めても手遅れです」と。 その瞬間、私は深い混乱に陥りました。 「無害なNPC」ではなかったのか? 「手遅れ」になるほどの、致命的な脅威ではなかったのか? KPは、私を論破しようとするあまり、自らの主張の前提を、自らの言葉で覆してしまったのです。 私の行動の「正当性」は、皮肉にも、私を批判していたはずのKP自身によって、図らずも証明されることとなりました。 論理的な一貫性を失った議論が、次に向かった先は、対話の完全な放棄でした。 「〇分までに行動宣言をどうぞ」 「これ以上続けるなら、行動放棄とみなします」 次々と突き付けられる、時間制限という名の最後通告。 それはもはや、ゲームマスターとしての裁定ではありませんでした。議論のテーブルを一方的にひっくり返し、KPという絶対的な権限を行使して、プレイヤーの発言を封じ込めようとする、純粋な圧力でした。 私は悟りました。 これは、もはやTRPGではないのだ、と。 ここは、真実や論理を探求する場ではない。ただ、KPが定めた「正解」に、プレイヤーが黙って従うことだけが求められる空間なのだ、と。 審判は、対話をやめました。 そして、ただ自らの権威を振りかざし、異議を唱える者を排除しようとした。 その時、私たちが共に創り上げてきたはずの物語は、完全に死んだのだと、私は理解しました。 この日記で、私が伝えたかったことは、これで全てです。 TRPGは、KPとPLが互いを尊重し、時に意見を戦わせながらも、一つの物語を共に紡いでいく、素晴らしい遊びだと今も信じています。 しかし、そのためには、KPという審判が、誰よりも公正で、誠実でなければならない。 自らの過ちを認めることを恐れ、PLとの対話から逃げ、権力に訴えるようになった時、その卓はもはや、健全な遊びの場ではなくなってしまう。 この一連の記録が、どこかの卓で生まれかねない、同じような悲劇を防ぐための一助となることを、切に願います。 最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
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2025/08/26 03:35
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