愛善院さんの日記 「エモいと尊い」

愛善院さんの日記を全て見る

みんなの新着日記を見る

愛善院
愛善院日記
2020/08/06 19:04[web全体で公開]
🤢 エモいと尊い
(▼ ネタバレを含むコメントを読む。 ▼)言葉は
世界と自分とを隔てるフィルターであり
同時に、自分と世界とをつなぐケーブルでもある。

もうちょっと良い喩えはないのか。

羊水とヘソの緒、
でも良いような気がしなくもない。

「自縄自縛」についての日記ででてきた
「縄」というのは、
部分的にはこれと同じような気もする。


それはそれとして、

私の目下の関心は
「エモい」と「尊い」の定義域の差である。

老いたりといえども、
新語や流行語は必ず追いかけ回す!

小学3年生のころから
「国語の鬼」と呼ばれる私の
魂に刻まれた「雀百まで踊り忘れず」である。


さて「語の定義域」というのは
マトリックス差異とか
シソーラス分類とか
(……カタカナ語うざい)
そういった方法論が存在するのだが、

要するに
「似た意味の語だけれど、
語の形状が違うのだから、
当然的に意味も違うはずよね?」
という、言語学の基本から発生している。

日常では、ニュアンスとかいうのを
出来るだけ数学的に観察する方法が
マトリックスだったり
シソーラスだったりするわけだ。

ただ、
日本語学・国語学の分野では
これがあまり進展していない。

ぶっちゃけ、
これをやりつづけても
世の中に画期的な影響を与えるものではない
文系分野の学群にありながら
とるべき方法が、圧倒的に
文系学門じゃなく自然科学(観察)に近いため
担い手(学者)がいないのだ。

ただ、語彙力を鍛えている人々が近年ふえ
ニュアンスを明確に区分できる人々もまた増えた。

逆説的に
「エモい」と「尊い」とが使い分けなされるのも
ニュアンスの違いに敏感な人々がいた証左でもある。


さて、
似た意味でも語が違えば意味は変わる。

落語学だと、以下をひきあいに出す。
「トイレ」
「便所」
「てあらい」
「ちょうずば」
「ウォータークローゼット」
「バスルーム」
「パウダールーム」
「かわや」
「花畑」
「せっちん」
「こうやさん」
「かんしょ」
……かんしょ、と言いますのは
閑か(のどか)な所と書きまして
言われてみるってぇと、
あんなところで宴会やって、ばか騒ぎなんてぇことは
いたしませんからね、と噺に入るが。

それぞれに、語が違うため、
少なからずニュアンスが違う。

近接した定義域をもつ語の関係もあれば
解離しそうな定義域をもつ語の関係もある。

新語や流行語があらわれたときも、
「今まであった語」とは
その定義域に差がついているからこそ
その語を使うようになる、と考えてよい。

既存の語、似た語を、
ずらっと並べて「どこが違うのか」探す。
やりはじめるとキリがなくて面白い←

実はこれは、
方言の残存率(しぶとさ)にも関わりがあって

「共通語(標準語)」では意味がちがったり、
こまかなニュアンスが言い表せない場合、
その語は方言として生き残りやすい、といわれる。

ちなみに日本には
方言を滅ぼそうとした時期が数回あり
なお、ラジオ、テレビの普及以降、
方言のネイティブ話者は天然記念物になりつつある。


さて、
「エモい」と「尊い」

どうしても「尊い」の字を見ると
私の脳裏には徒然草36段(だと思う)が
脳裏に出てきてしまう。

大雑把にいうと
「浄土宗をつくった法然聖人のセリフ尊い!」
と、書いてある。

もしくは「仰げば尊し」
10年くらい前から、
学校の卒業式で歌わなくなった、ときいたが


いずれにせよ「尊い」というのは
師弟関係とか上下関係に
特に深く関わりがあるだろう。

人間と人間を結んでいる関係性が
並外れて素晴らしいとき

とでも解釈すべきところであろうか。


「エモい」は、
尊いに比べると、字面が軽い。
画数がそもそも少ない。

深く考えることなく、かなり直感的なもの
もしくは
関係性を冷静な観察対象として
素晴らしいとするのではなく、

そのとき、その場で、その感情が、
ぎゅっと胸に迫るような刹那的な風情を感じる。


「萌え」とはどのくらいの差がでそうか。
そもそも品詞違いではあるが。

単に「愛しい」や「狂わしい」とかではないのは
どの部分で差がつくことになるのか。



般若のような顔をして
表計算ソフトをながめる私の愉悦である。
いいね! いいね!20

レスポンス

PI-TG001(平岡AMIA)
PI-TG001(平岡AMIA)愛善院
2020/08/06 19:22[web全体で公開]
> 日記:エモいと尊い

ご年配の物理屋に友人がいましたが、
その方も”いまどき”の言葉、ネットミームが気持で理解できなかったといってました。
新しい言葉もいいですが、もっと、歴史のある言葉にも魅力を感じてもいいのに、と思ってしまいます。
言葉は、古いものも含め、無尽蔵の宝庫なのに。

余談ですが、リア友とは”無知蒙昧”という言葉が長年メガヒットしております。三国志関連の書籍とか読んでたりしてたのですが、あいつ曰くこの言葉の意味合いと響きのバランスが絶妙だとか。
かものはし
かものはし愛善院
2020/08/06 19:19[web全体で公開]
> 日記:エモいと尊い
どうもかものはしで、ございます。
えもぴよなく鳥類です。
難しくて意義深いことを考えてらっしゃって凄いと思いました!
私がえもえも言っている時は、ほぼ脊髄反射でこの言葉が出ているので、、、笑
言語化してくだされば嬉しいです!!

コメントを書く

コメント欄:(最大1000文字)

※投稿するにはログインが必要です。