悠愛さんの日記 「すべてのKPとPLに贈る、あるべき卓の心構え」

悠愛さんの日記を全て見る

みんなの新着日記を見る

悠愛
悠愛日記
2025/08/27 14:15[web全体で公開]
😶 すべてのKPとPLに贈る、あるべき卓の心構え

これまで、私が体験したあるセッションについて、何度か日記を書いてきました。多くの反響をいただき、本当にありがとうございます。今回で、この一連の話を締めくくりたいと思います。最後に記したいのは、特定の誰かへの批判ではありません。私たちがTRPGという素晴らしい遊びを心から楽しむために、共有すべき「心構え」について、一冊の本を道標としながら、改めて皆さんと一緒に考えてみたいのです。

私がTRPGを始めた頃に手にした、『クトゥルフ神話TRPG プレイングガイド』という本があります。そこには、キーパー(KP)とプレイヤー(PL)が、どうすれば最高の物語を共に創り上げられるか、そのための知恵が詰まっていました。

この本が何よりもまず断言しているのは、この言葉です。
「忘れられやすいことかもしれないが、プレイヤーが楽しむことがいちばんであり、あなたの楽しむことや、あなたが愛情込めて創り上げた世界の完全さではない。」

キーパーは、物語の支配者ではありません。プレイヤーは、キーパーの筋書き通りに動く駒でもありません。TRPGは、何よりもまず、私たちプレイヤーが楽しむためにあるべきなのだと、この本は力強く教えてくれます。

では、どうすればプレイヤーは心から楽しめるのでしょうか。ガイドブックは、具体的な心構えをいくつも示してくれています。

まず、キーパーは自分を捨てよう。
「すべてのプレイヤーはゲームにとって中心であり、自分がゲームの中心だと考えてはいけない。」
「あなたが受け取る報酬は彼らの瞳にある輝きだ。」
キーパーの役割は、自らが輝くことではなく、プレイヤーという「主役」が輝くための、最高の舞台を用意することです。時には、プレイヤーの意見が自分の予定していた筋書きより素晴らしいと感じたなら、それに従う柔軟さも必要になります。

次に、プレイヤーの主体性と理解力に、敬意を払おう。
もし、プレイヤーがキーパーの想定を超えた、見事な解決策を思いついたなら?
キーパーはそれを「想定外だ」と切り捨てるのではなく、その主体性と理解力に敬意を払い、物語に受け入れるべきです。

そして、理不尽な結末から、プレイヤーを守ろう。
「もし探索者が「即死」しかねない状況に近づくようなら、警告を試みること。…災厄が襲う前に、2、3回は警告を発するようにしよう。」
もし、プレイヤーが気づかぬうちに致命的な罠へと向かっているなら、キーパーはそれを傍観するのではなく、プレイヤーの味方として、明確な「警告」を発するべきです。手掛かりを見つけ損ねたなら、別の場所へ動かす配慮も大切です。プレイヤーに与えるべきは理不尽な絶望ではなく、「乗り越えられるかもしれない」という、胸躍る緊張感なのです。

もし対立が起きたなら、誠実に対話をしよう。
「テーブル上でプレイヤーあるいはキーパーとの認識が異なる場合は対話を試み…誠実に、謙虚に、双方の違いを解決しよう。」
もし、卓で意見が衝突してしまったなら、キーパーは権威を振りかざすのではなく、**一人のプレイヤーとして、誠実で謙虚な「対話」によって、解決を試みるべきです。

これらは、決して特別なことではありません。キーパーとプレイヤーが互いを尊重し、信頼し合うという、TRPGにおけるごく当たり前の「前提」です。

しかし、時に私たちは、この当たり前のことを忘れてしまうのかもしれません。
キーパーは、自らが創造した世界に固執するあまり、PLを駒のように扱ってしまう。
プレイヤーは、勝利にこだわるあまり、仲間への敬意を忘れてしまう。

だからこそ、時々このガイドブックの言葉に立ち返り、問い直す必要があるのだと思います。
「私たちは今、本当に『楽しむ』ために、このテーブルにいるのだろうか?」と。

あなたの卓のキーパーは、あなたの「味方」ですか?
あなたの卓のプレイヤーは、あなたの「仲間」ですか?

もし、その答えに少しでも迷うなら、どうか思い出してください。
TRPGは、誰かを打ち負かすためのゲームではありません。
TRPGは、私たち全員で、最高の物語を創り上げるための、奇跡のような時間なのだということを。

この日記が、どこかの卓で、ほんの少しでも温かくて楽しい時間が増えるきっかけになることを、心の底から願っています。
最後まで読んでくださり、本当にありがとうございました。
いいね! いいね!6

レスポンス

レスポンスはありません。

コメントを書く

コメント欄:(最大1000文字)

※投稿するにはログインが必要です。